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不撓不屈
ふとうふくつ
 ⇒ 不撓不屈 ⇒ 不屈不撓
作家
作品

坂口安吾

【続堕落論】

 大化改新以来、農村精神とは脱税を案出する 不撓不屈ふとうふくつの精神で、浮浪人となって脱税し、戸籍をごまかして脱税し、そして彼等農民達の小さな個々の悪戦苦闘の脱税行為が実は日本経済の結び目であり、それによって荘園が起り、荘園が栄え、荘園が衰え、貴族が亡びて武士が興った。農民達の税との戦い、その不撓不屈の脱税行為によって日本の政治が変動し、日本の歴史が移り変っている。人を見たら泥棒と思えというのが王朝の農村精神であり、事実群盗横行し、地頭はころんだときでも何か掴(つか)んで起き上るという達人であるから、他への不信、排他精神というものは農村の魂であった。

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坂口安吾

【オモチャ箱】

 そこまではまだ良かったが、近所にすむ同郷のお弟子にちよっと色ッぽい妹があって彼の世話で雑誌社の事務員になった。それ以来酔っ払うとこのお弟子の家をたゝいて酒を所望し、泊りこみ、その横に母なる人がねていても委細かまはず妹のフトンへ這いこむ。追いだされる、不撓不屈、ついに疲れて自然にノビてしまうまで、くりかえす。これも成功の見込みはない。
  次にはさる新進の女流作家を訪問する。この女流作家の作品をほめて書いたことからの縁で、この人は流行作家のオメカケさんだが、酔っ払うと、こゝへ押しかける。酔っ払うと必ず誰か女のもとへ通うのは彼の如何ともなしがたい宿命的な夢遊歩行となりつゝあった。
  遠征の夢遊歩行はまだよかったが、女房の妹に女学生、まだ四年生、然し大柄で大人になりかけた体格だが、女房とは比較にならぬ美少女で色ッぽい。この女学生が泊った晩、あいにく夏で、カヤが一つしかないからみんなで一つカヤにねたが、この晩庄吉は泥酔したのが失敗のもとで、夢遊歩行に倅(せがれ)の寝床を乗りこえ女房のバリケードをのりこえて女学生めがけて進撃に及ぶ。女房に襟くび掴んで引き戻されても不撓不屈道風とうふうの蛙、三時間余、もっとも成功に至らず、夜の白む頃に及んでようやく自然の疲労にノビて終末をつげたが、然し、まだこゝまではよろしかった。

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宮本百合子

【ツルゲーネフの生きかた】

 今日の目で見れば、ツルゲーネフの顕著な特徴となっている意志の力の欠乏を一口にスラヴ的と概括することは出来ないことである。同じスラヴ人の同時代人には二十年の流刑に堪えたチェルヌイシェフスキーをはじめ、七〇年代八〇年代以降今日に至るまでに、人類の中で最も堅忍と不撓不屈の意力によって歴史を押しすすめた更に多くの誇るべき大人物がスラヴ人の中から出ているのだから――。

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小熊秀雄

【小熊秀雄全集 ―3― 詩集2 中期詩篇】

現れよ、
最も肥えた精悍な奴
我々は風車とたたかうドンキホーテではない、
必要なものはドンキホーテの
不撓不屈の精神であって
ドンキホーテの選んだ風車であってはいけない、
選択せよ、
君は敵の種類を
死んだものではなくて
生きたものを、
ああ、牛は我々の肉体から
血を欲している、

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木下尚江

【政治の破産者・田中正造】

足尾が古河市兵衛の手に渡ったのが、明治十年だ。彼は不撓不屈の精力で、専心この山の開鑿に従事した。その成績は左の数字の上に明白に現われて居る。

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萩原朔太郎

【詩の原理】

実にこうした思索の点では、僕は自分の柄にもなく、地獄の悪魔の如き執念深さと、不撓不屈の精神を有している。倒れても倒れても、僕は起きあがって戦ってくる人間だ。だがそうでもなかったら、だれにも「真理」の考察はできないだろう。真理は芸術のようなものでなく、不断の熱心な研究と、不撓不屈の勉強によってのみ、始めて認識され得るものであるから。

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海野十三

【火星探険】

 楽しい時間が過ぎていった。
  会がいよいよ終りに近づいたとき、デニー老博士が立上った。そして重大発言をしたのであった。
「さて諸君。諸君の美しい協力と、不撓不屈の努力とによって、本艇の故障は遂に直ったのであるが、この先、本艇はどんな航路を選ぶべきか、それを只今から諸君に相談したい。それには二つの途がある。

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相馬愛蔵

【私の小売商道】

 しかし印度にもガンジーの如き英雄があって、なお特別の戦術により、不撓不屈の運動をなして居る。ガンジーの例はやや当を失する嫌いなきにあらざるも、その不撓不屈の精神のみは、我が小商店に良き教訓を垂れると考えてもあえて不当ではあるまい。

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石原莞爾

【最終戦争論・戦争史大観】

大王終世の事業はシュレージエン問題の解決に在ったと見るも過言ではない。終始一貫せる彼の方針、あらゆる困難を排除して目的を確保した不撓不屈の精神、これが今日のドイツの勃興に与えた力は極めて偉大である。ほとんど全欧州を向うに廻して行なった長年月にわたる持久戦争は戦争研究者のため絶好の手本である。

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Last updated : 2024/06/28