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確乎不抜
かっこふばつ 意志が固く動揺せずぐらつかないこと、そのさま。堅くしっかりしていること、そのさま。 ⇒ 確乎不抜 ⇒ 確固不抜 |
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作家
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作品
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鳥谷部春汀 |
【明治人物月旦(抄)】
世間或は彼を徳川家康に比す。蓋し陰忍老獪にして権謀に富めること二人相同じと為すなり。安んぞ知らむ、二人の最も相似たる所は、其の共同者をして信頼せしむるに足るの確乎不抜なる資質に存することを。豈唯だ陰忍老獪にして人の信頼を得ること彼れが如きことあらむや。
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坂口安吾 |
【青春論】
だが『勝海舟伝』に引用されている一部分を読んだだけでも、之はまことに驚くべき文献のひとつである。 この自叙伝の行間に不思議な妖気を放ちながら休みなく流れているものが一つあり、それは実に「いつでも死ねる」という確乎不抜、大胆不敵な魂なのだった。
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折口信夫 |
【稲むらの蔭にて】
全体、万葉の東歌の中には、奈良の京では既に、忘れられてゐた古い語や語法を多く遺してゐる。此から考へると、にふなみといふ語を、新嘗といふ漢字の字義通りに説明する語原説も、まだ/\確乎不抜とは言はれぬ様に思ふ。「葛飾早稲をにへす」といふにへが、単に |
宮本百合子 |
【若き時代の道】
よく学窓から社会へ出る、という表現がつかわれるが、考えて見ればこれはおかしいことだ。人間が或る環境の間に生まれたことから、既にそれは社会的な一つの事実ではないだろうか。少年の生活に社会性がないと誰が今日云うであろう。青春と、その内容と、その内容に対する青年の自覚は、歴史の五十年間を決する社会的大事実なのである。人間はこの世に一度しか生きない。その一度の生命は最も人類的に、最も謙遜なる確乎不抜さで人間的に生き貫かれなければならないのである。
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