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面壁九年
めんぺきくねん 一つのことに忍耐強く専念して、やり遂げることのたとえ。長い間わき目もふらずに努力を続けることのたとえ。[三省堂 新明解四字熟語辞典]
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作家
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作品
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太宰治 |
【懶惰の歌留多】
怠惰ほど、いろいろ言い抜けのできる悪徳も、少い。臥竜(がりょう)。おれは、考えることをしている。ひるあんどん。面壁九年。さらに想を練り、案を構え。雌伏(しふく)。賢者のまさに動かんとするや、必ず愚色あり。熟慮。潔癖。凝り性。おれの苦しさ、わからんかね。
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坂口安吾 |
【街はふるさと】
だが、長平さん。オレみたいに、人生の大半を三方損の三人目で暮してきた奴はいないよ。三方損の運命に、甘んじるべきや、否や、これ実に、小生一生の大問題、面壁九年の一大事であったです。しかし、面壁、一週間足らずで、解決したね。三方損。よろしい。ねえ、長平さん。ハッキリ、よろしいのです」
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泉鏡花 |
【薄紅梅】
「あれが仮に翠帳(すいちょう)における言語にして見ろ。われわれが、もとの人間の形を備えて、ここを歩行(ある)いていられるわけのものじゃないよ。斬るか、斬られるか、真剣抜打の応酬なくんばあるべからざる処を、面壁九年、無言の行だ。――どうだい、御前(ごぜん)、この殿様。」
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佐々木味津三 |
【右門捕物帖 達磨を好く遊女】
師僧般陀羅(はんだら)の遺示により、はるばるインドから唐土に渡って、河南のほとり崇山に庵室(あんしつ)をいとなみながら、よく面壁九年の座禅修業を行ないつづけたと伝えられている、あの達磨禅師をかたどった紋様です。
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榊亮三郎 |
【金剛智三藏と將軍米准那】
また見樣によつては、羅馬武士に劣らぬ「パルテイヤ」武士の血が流れて居つたとも見られる。世人は、達磨大師の面壁九年の話やら、神光との問答の話や、大師に關する種々の奇怪なる話が如何にも常情を以て測ることの出來ぬを見て、達磨大師西來の眞面目につき種々の懷疑的評論をなす人もある
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夢野久作 |
【近世快人伝】
「禅宗は仏教のエキスみたいなものですな。面壁九年といって、釈迦一代の説法、各宗の精髄どころを達磨(だるま)という蒸溜器(ランビキ)に容(い)れて煎(せん)じて、煎じて、煎じ詰める事九年、液体だか気体だかわからない。
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