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無芸大食
むげいたいしょく |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【私の小説】
近頃の編輯者は芸なしぞろひで、今年になつてから、私に、私の小説の弁明を書けと言つてきた新聞、雑誌が、合計二十ほどあるのである。新聞雑誌の数にくらべて二十は少い数なのか知らないが、たつた一ヶ月といふ短かい期間に、東西南北、別々の編輯室の窓の下で智恵をしぼつたあげくに、二十人の編輯者が同じ原稿をたのみにくるとは、無芸大食、大食は否応なしに封じられてゐるかも知れぬが、流線型といふ感じではない。
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坂口安吾 |
【女占師の前にて】
芥川と同様に江戸時代の戯作者達も女占師の敵意の視線をシュバリエもどきの軽快さで洒脱にかはす術にたけてゐたでせう。彼等は現実のどの |
種田山頭火 |
【一草庵日記】
私の食卓はまづしい、しば/\お菜を缺ぎ、とき/″\御飯のないこともあるが、その事実はさまで私をかなしませない、私がいつも食卓に対して嘆くことは――私の胃袋が大きい、大きすぎることである、そしてアルコールをほしがることである、一杯やりたいなあと酒貪(!)を起すことである。ほんに私は無芸大食、貪婪鬼である。 |
桑原隲藏 |
【元時代の蒙古人】
蒙古人は食量が少いから他國人も少いと思つて居る。餘り食物の少量なのは衞生に害があるやうですけれども、是れは戰爭に當つて非常に蒙古人の利益になることがあります。追撃などの場合には數日間殆ど絶食の有樣で敵を追窮することが出來ます。酒嚢飯袋などいふ無藝大食の者より遙か優つて居ります。隨分話が長くなりますが一番後に戰爭の時にはどんなことをするかといふことのお話をしますが、是れは少し面白いです。
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