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無理往生
むりおうじょう
作家
作品

田山花袋

【重右衛門の最後】

 けれど自分がこの三人と交際したのはわづか二年に過ぎなかつた。山県は家が余り富んで居ない為め、学資が続かないで失望して帰つて了ふし、根本は家から迎ひの者が来て無理往生に連れて行つて了ふし、唯一人杉山ばかり自分と一緒に其志を固く つて、翌年の四月陸軍幼年学校の試験に応じたが自分は体格で不合格、杉山はまた学科で失敗して、それからといふものは自分等の間にもいつか交通がうとくなり、つひには全く手紙の交際になつて了つた。

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尾崎紅葉

【金色夜叉】

翁さん姨さんの頼と有つて見れば、僕は不承知を言ふことの出来ない身分だから、唯々はいはいと言つて聞いてゐたけれど、みいさんは幾多いくらでも剛情を張つて差支さしつかへ無いのだ。どうあつても可厭いやだとお前さんさへ言通せば、この縁談はそれで破れてしまふのだ。僕がそばに居ると智慧ちゑを付けて邪魔をると思ふものだから、遠くへ連出して無理往生に納得させる はかりごとだなと考着くと、さあ心配で心配で僕は昨夜ゆふべ夜一夜よつぴてはしない、そんな事は万々ばんばん有るまいけれど、種々いろいろ言はれる為に可厭いやと言はれない義理になつて、もしや承諾するやうな事があつては大変だと思つて、うちは学校へ出るつもりで、僕はわざわざ様子を見に来たのだ。

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国枝史郎

【娘煙術師】

君江様とこういったっけ。なんでもご亭主は竹之助様だった。その君江様とお話をして、その竹之助様へ手渡すようにと、この巻き奉書と綴じ紙とを、無理往生に預けられたのだっけ。……と、ここまでは思い出したが、さあその後がわからなくなったぞ……ええと竹之助様! 竹之助様!

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清水紫琴

【したゆく水】

死ぬる生命は、どうでも一ツ、生きやうとは思ひませねど。ない名を付けられ、殺されては、私や成仏出来ぬぞえ。今は夫婦でないにせよ、従兄妹の縁は遁れぬ中。無理往生をさせるのが、お前の手柄じやござんすまい。 事情わけを聞いたその上で、死ぬるものなら、死にませう。尋常に手を合はさせて、殺すがせめての功徳じやないか。

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羽志主水

【監獄部屋】

 此所ここに居る自分と同じ運命の人間は、大約かれこれ三千人と云う話だが、内容なかみは絶えず替って居る。仕事の適否とか、労働時間とか、栄養とか、休養とかは全然無視し、無理往生の過激の労働で、人間の労力を出来る丈多量に、出来る丈短時間に しぼり取る。搾り取られた人間のかすはバタバタ死んで行くと、一方から新しく誘拐されて、タコ誘拐者に引率されてゾロゾロやって来る。

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岡本綺堂

【半七捕物帳 向島の寮】

その相手に選み出されたのがの良次郎であった。彼はふだんからお糸や由兵衛に眼をかけられているばかりか、年も若し、男振りも好し、おきわの相手と云い触らすには恰好の資格を具えていたので、彼はお糸からいろいろ因果をふくめられて、無理往生に承知させられた。身に覚えのない不義の 濡衣ぬれぎぬて、しばらく何処にか隠れていてくれれば、三年の後にはきっと取り立ててやる。

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南方熊楠

【神社合祀に関する意見】

カラタチバナなどいう珍植物多きを伐り尽して、村吏や二、三の富人の私利を営まんと巧みしを、有志の抗議で合祀は中止したが、無理往生に差し出さしめたる合祀請願書は取り消さざるゆえ、何時亡びるか分からず。全国に目下合祀準備中のもの二万二千余あると、当局が得々と語るは、多くはこの類の神社暴滅に かからんとするものと知らる。

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上司小劍

【太政官】

「さう言や、さうだすけど。」
「さう言はいでも、さうや。」
 助役は無理往生に重吉を壓し付けるやうな、物の言ひ振りをした。
「そらさうと、寺田の相續税、何うなつたかいな。」と、數之介はフト思ひ出した風で言つた。

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Last updated : 2024/06/28