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無理算段
むりさんだん |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【現代日本の開化 ――明治四十四年八月和歌山において述――】
本が読みたければ差支ない以上本ばかり読もうとする。あるいは学問が |
有島武郎 |
【惜みなく愛は奪う】
お前の実生活にもその影響がない訳ではない。これからのお前は必然によって動いて、無理算段をして動くことはない。お前の個性が生長して今までのお前を打ち破って、更に新しいお前を造り出すまで、お前は外界の圧迫に余儀なくされて、無理算段をしてまでもお前が動く必然を見なくなる。例えばお前が外界に即した生活を営んでいた時、お前は控え目という道徳を実行していたろう。お前は心にもなく善行をし過すことを恐れて、控目に善行をしていたろう。然しお前は自分の欠点を隠すことに
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太宰治 |
【清貧譚】
むかし江戸、向島あたりに |
織田作之助 |
【雪の夜】
それでも、せがまれるままに随分ものも買ってやった。なお二百円の金を無理算段して、神経痛だという瞳を温泉へ連れて行った。十日経って大阪へ帰った。瞳を勝山通のアパートまで送って行き、アパートの入口でお帰りと言われて、すごすご帰る道すうどんをたべ、殆んど一文無しになって、下味原の家まで歩いて帰った。二人の雇人は薄暗い電燈の下で、浮かぬ顔をして公設市場の広告チラシの活字を拾っていた。赤玉から遠のこうと、なんとなく決心した。
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坂口安吾 |
【中庸】
「しかしだね。予算のないのは分るが、なんとか無理算段して学校の床を張ってやることはできまいか」余が重ねてかく云うと、彼はまたしてもにわかに険悪な色を目にためて、 「そうですか。おやり下さい。村長。遠慮なく。御気のすむようになさいましよ。村長」 |
豊島与志雄 |
【好意】
河野が八百円の金を無理算段して、吉岡の所へ返しに来たのは、何も、吉岡の死期が迫ってると信じて、今のうちに返済しておかなければ………とそういうつもりではないらしかった。河野の細君にはそういう気持が多少働いてたかも知れないが、河野自身には少しもそんなことはなかったらしい。後で河野は私へ向って云った。
「八百円の金を拵えるのに貧乏な僕は、ひどい無理算段をしたには違いない。
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岸田國士 |
【空の赤きを見て】
美代 それなら、なほ、お父さんの我儘な望みを思ひ止まらせるやうになさらなければなりませんわ。あたしたち兄妹の手で、最後まで看護をしたいといふ意志を、はつきりおつしやるべきですわ。先祖の墓のそばで死にたいといふお望みは、一応もつとものやうですけれど、一番たよりになる筈の子供たちのそばをはなれて、それもこんなに無理算段をさせてまで、動けないからだをひきずつていらつしやる必要がどこにあるでせう。物の道理から云つてもさうですわ。
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羽志主水 |
【越後獅子】
「何しろ十月許りで、もうと足袋屋の主人、ベソをかいて零した。 |
泉鏡花 |
【薄紅梅】
その女が、これも化けた一つの |
夢野久作 |
【近世快人伝】
それでも、まだ印形や金を借りに来るものがある。しかも以前に、二度と来られないようなインチキで翁を引っかけて行った人間が、シャアシャアと又遣って来るのである。それでも翁は何も云わずに無理算段をした金を遣り、印形を貸す。翁の一家は、そのために、七十五万円の富豪から一躍、
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