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温厚淡泊
おんこうたんぱく
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作家
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作品
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【夜明け前 第一部下】
その日の午後には、駿河は監察赤松左京を伴い天保山沖に碇泊する順動丸に乗り移った。兵庫行きを急ぐ彼は船長を催促して、さかんに石炭を焚かせた。その時、川口の方面から船印の旗を立てて進んで来る一艘の川船が彼の目に映った。彼はその船の赤い色で長官を乗せて来たことを知った。近づいて見ると、彼が心待ちにした小笠原壱岐ではなくて、松平伯耆であった。この人は温厚淡泊な君子ではあるが、外国応接の事件を担当すべき人柄でない。これは、と思っている彼の方へその赤い川船はこぎ寄せて来た。間もなく松平伯耆は順動丸に乗り移った。その時の老中の言葉に、京都からの急命で各国公使へ勅諚の趣を達しにやって来た、万事はよろしく君らの方で談判ありたいとのきわめてあっさりとした
挨拶だ。なんら苦慮の様子もないには、駿河も左京と顔を見合わせた。
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Last updated : 2024/06/28