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音吐朗朗/音吐朗々
おんとろうろう |
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作家
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作品
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石川啄木 |
【雲は天才である】
今、一脚の卓子に相対して、既に十年の友の心を以て仔細に心置きなく見るに及んで、自分は今更の如く感動した。噫々、何といふ其風采であらう。口を開けばこそ、音吐朗々として、真に凜たる男児の声を成すが、斯う無音の儘で相対して見れば、自分はモウ直視するに堪へぬ様な気がする。
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石川啄木 |
【雲は天才である】
茲に少し省略の筆を用いる。自分の問に対して、石本君が、例の音吐朗々たるナポレオン声を以て詳しく説明して呉れた一切は、大略次の如くであった。
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石川啄木 |
【雲は天才である】
馬鈴薯が頻りにわめく。自分は振向きもしない。そして、今しも忠太の背から現われんとする、「アンナ奴」と呼ばれたる音吐朗々のナポレオンに、渾身の注意を向けた。朱雲の手紙に「独眼竜ダヨ」と頭註がついてあったが、自分はたゞ単に、ヲートルローの大戦で誤って一眼を失ったのだろう位に考えて、敢て其為めに千古の真骨頭ナポレオン・ボナパルトの颯爽たる威風が、一毫たりとも損ぜられたものとは信じなんだのである。或は却って一段の秋霜烈日の厳を増したのではないかと思った。
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小林一三 |
【アーニイ・パイルの前に立ちて】
大統領が御着席あらせられるその席の下の方に、臨時に出来たオーケストラから国歌の音楽が響き出すと、全員起立、音楽がすむと直ちに余興が始まる。海軍軍服を着た立派な司会者が現われて、音吐朗々、プログラム通り少しも休みなく進行する。
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種田山頭火 |
【行乞記(二)】 今日はよく声が出た、音吐朗々ではないけれど、私自身の声としてはこのぐらいのものだろうか。
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正岡容 |
【わが寄席青春録】 たいへん人が悪いようだが、リズミカルに言えたまちがいならなまじなまなか訂正なんかしないで、堂々とまかりとおってしまうことである、と。現に邑井貞吉翁は、「頼政 |
宮本百合子 |
【三郎爺】 音吐朗々という形容が、全く適切なほど、量の豊な、丸みのある美音と、見事な眼と、雲を突くような偉大な体躯の所有者であった彼は、まだやっと二十一二の若者として、或るときは大工になり、或るときは耕作をしながら、徐々と開け始めた明治という年号の下に、かなり仕合わせな月日を送っていた。
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