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王道楽土
おうどうらくど |
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作家
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作品
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下村湖人 |
【次郎物語 第四部】
「たとえば、ついこないだの満州建国だ。あれはなるほど、一応は日本の大発展を約束しているかのように見える。五族協和とか王道楽土とかいう言葉も、非常に美しい。それだけを切りはなしてみると、これほど道義的で華やかに見えることはない。そこでその華やかさに酔ってしまって、あとさきを考えてみる良心的な努力がお留守になる。建国のために置かれた礎石は果してゆるぎのない道義的なものであったか、どうか。それは汚れた手で置かれたものではなかったか。もしそうだとすれば、それはずるずると血の泥沼にすべりこみ、結局は日本までをその泥沼の中に引きずりこむのではないか。
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中里介山 |
【大菩薩峠 胆吹の巻】
「そうして、人間が生活のために、つまり衣食のために、おたがいに屈従することなく、衣食の余りある生活の下に、人間の自由が伸び、享楽が増し、まあいわゆる、王道楽土とか、地上の理想国とかいうものが成立したとしましてですな」
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戸坂潤 |
【社会時評】
で満州に於て或る意味で司法権と警察権とが喰い違いを来している間に、永遠の楽土満州には依然として匪賊の絶え間がない。王道楽土に匪賊が絶えないのは、つまりこの匪賊達が王道楽土反対主義に立っているからであり、従って必然的にそこから結論されることは、匪賊が「赤い魔手」に操られているに相違ないということである。併し之は満州の王道楽土のことで、資本主義日本が与り知ったことではないのだが、併し、あまり、日本がヤイヤイ横から口を出して、喚いたので、ソヴィエトは遂に感違いをして、日本に向って喰ってかかって来たのである。
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