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六韜三略
りくとうさんりゃく |
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作家
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作品
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木村荘八 |
【鏑木さん雑感】
その御教示を願ふ前に、ぼくが一応手紙で、ぶしつけな御願ひを先生に申し入れるといふと、快く承知して下さつた御返事の文中に――自分はさしゑの出で、 別段鬼一法眼に六韜三略をさづかつたといふ訳のものではないから、自分免許の画法である。それでよければ――といふ一節があつた。先生はこれをすらすらと何のくつたくもない心のまゝに記された感懐だらう。 が、この感懐を率直に投げ与へられたぼくとしては、鬼一法眼が六韜三略をさづけるからといつても却つて動じない。それ程、鏑木さんの平素こゝろの素直な、透き徹つたありやうに対し、今更ながら親愛を新たにすると同時に、敬服したのである。 |
芥川龍之介 |
【島木赤彦氏】
島木さんに最後に会ったのは確か今年(大正十五年)の正月である。僕はその日の夕飯を斎藤さんの御馳走になり、六韜三略の話だの早発性痴呆の話だのをし た。御馳走になった場所は外でもない。東京駅前の花月である。それから又斎藤さんと割り合にすいた省線電車に乗り、アララギ発行所へ出かけることにした。 |
三文字屋金平 |
【為文学者経】
さりながら論語(ろんご)に唾(つ)を吐(は)きて梅暦(むめごよみ)を六韜三略(りくとうさんりやく)とする当世(たうせい)の若檀那(わかだんな)気質(かたぎ)は其(そ)れとは反対(うらはら)にて愈々(いよ/\)頼(たの)もしからず。 |
清水紫琴 |
【誰が罪】
あの奥様は威張らせてさへ置けば御機嫌よきに、逆らひなさるから、お前様は損だよ。手よりは口の方上手に働かすが、このお邸の肝要ぞやと、六韜三略(りくとうさんりやく)無束脩(むそくしゆう)に皆伝せし深切を、一郎は有難しとも一礼せず。それは婦女子のすべき事だ、僕なんぞにそんな事は出来ぬ、またする気もない。 |
中里介山 |
【大菩薩峠 京の夢おう坂の夢の巻】
この総参謀長不破の関守氏は、女王様を盛り立てて、これに絶対服従の範を示すと共に、一方には女王様を後見して、これを教育するの心がけを忘れない、ただ、その教育ぶりがあくまで六韜三略的(りくとうさんりゃくてき)であることが、この人の特徴になっている。 |
徳冨健次郎 |
【みみずのたはこと】
主人は新鋭の気に満ちて、零落どころか大得意であった。何よりも先ず宮益(みやます)の興農園から柄(え)の長い作切鍬、手斧鍬(ちょうなぐわ)、ホー、ハァト形のワーレンホー、レーキ、シャヴル、草苅鎌、柴苅鎌(しばかりがま)など百姓の武器と、園芸書類(えんげいしょるい)の六韜三略(りくとうさんりゃく)と、種子と苗(なえ)とを仕入れた。 |
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