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理路整然
りろせいぜん |
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作家
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作品
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岸田國士 |
【ポオル・エルヴィユウ】
舞台の上には、「生命の連鎖」がない代り、「論理の脅威」に依る絶間なき感動がある。対話は極めてぎごちない文語体で、ニュアンスと韻律に乏しく、然しな がら、理路整然として淀む処がない。自然主義末期の「鄙猥劇」に眉を顰めつつあつた当時の右傾批評壇が、エルヴィユウの作品に、古典劇の単素さと厳粛さと があることを指摘したのは、あながち、その芸術的手法の点にのみ触れたのではあるまい。 |
豊島与志雄 |
【失策記】
私は唖然とした。というのも、そういう返事は夢にも想像出来なかったからである。断るにしてもいろいろ口実はあろうが、そんな高利の金を借りるような人 には危なくて御用立出来ないとは、如何にも理路整然としているし、その論理が面白いのである。然し実世間はみなそうしたものであろう。 |
大阪圭吉 |
【闖入者】
「お蔭で、何もかも判り始めました。あの疑問の中心の妙な油絵も、こう判って見れば、まことに理路整然として来ますよ……そうだ、全く今になって考えてみれば、あの富士山の絵も、やはり南室で描かれたものではなく、最初の発見通り東室で、被害者の死際に描かれたものですね |
小栗虫太郎 |
【聖アレキセイ寺院の惨劇】
ラザレフの左半身不髄であると云うことより、法水の理路整然たる推論に驚かされたが、 |
豊島与志雄 |
【現代小説展望】
ところで、この新らしい描写の対象となる精神の内部世界――意識の世界――は、広く深い潜在意識或は無意識の海洋に浮かんでる一小島に過ぎないし、それ自身錯雑を極め変転限りないものであるから、随ってその描写も理路整然たることは不可能である。 |
萩原朔太郎 |
【詩の原理】
そして彼等自身は、厳格なるストア的法則による詩形を重んじ、自ら誇って「言語上のゴシック建築」と称していた。(ゴシック建築はクラシズムの典型である。)また彼等は、一切の高蹈派の詩人たちは、その詩派の名目が示す如く、常に高蹈的な超俗の態度を取り、デモクラチックの思想を軽蔑して、時流の外に高く持すことを誇っていた。 |
夢野久作 |
【ドグラ・マグラ】
「……ところが、その内容の描写が極めて冷静で、理路整然としている事は普通の論文や小説以上なのです。 |
中里介山 |
【大菩薩峠 農奴の巻】
しばらく、判断も利害も離れて、ただ感動に堪えられないでいるうちに、最も冷静なのは病める弟でありました。姉と、友なる人の、言わんとして言い難き時に、この弟は冷静に、流暢に、従って極めて理路整然としてまた言いました、 |
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