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立身出世
りっしんしゅっせ |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【坊っちゃん】 元は身分のあるものでも教育のない婆さんだから仕方がない。単にこればかりではない。贔負目は恐ろしいものだ。清はおれをもって将来立身出世して立派なものになると思い込んでいた。その癖勉強をする兄は色ばかり白くって、とても役には立たないと一人できめてしまった。 |
夏目漱石 |
【虞美人草】 他人でも合わぬとは限らぬ。 |
二葉亭四迷 |
【浮雲】 フム学問々々とお言いだけれども、立身出世すればこそ学問だ。
「それは不運だから仕様がないワ |
太宰治 |
【鬱屈禍】 自分をぶん殴り、しばりつける人、ことごとくに、「いや、有難うございました。お蔭で私の芸術も鼓舞されました。」とお辞儀をして廻らなければならなくなった。駒下駄で顔を殴られ、その駒下駄を錦の袋に収め、朝夕うやうやしく礼拝して立身出世したとかいう講談を寄席で聞いて、実にばかばかしく、笑ってしまったことがあったけれど、あれとあんまり違わない。 |
福沢諭吉 |
【徳育如何】 世禄の武家にしてかくの如くなれば、その |
織田作之助 |
【勧善懲悪】 十六歳の時、丹造は広島をあとにして、立身出世の夢を宿毎に重ねて、大阪の土を踏んだ。時に明治十五年であった。 |
菊池寛 |
【仇討禁止令】 そなたのように、一途に山田、吉川などを恨むのはいかがであろうか。頼母殿尊霊も、そなたが復讐などに大事な半生を費されるよりも、文明の学問に身を入れて立身出世なされる方が、どれほどお喜びになるか分からないと、拙者は存ずるが……
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坂口安吾 |
【現代忍術伝】 戦乱破壊のあとゝいうものは、若い者の天下なのである。昔から変りがない。野武士といえば柄がよくきこえるが、手ッとり早く云えば、当今の集団強盗、やがて一家をなしてボスとなる。これが昔なら大名だ。集団強盗の手先をつとめる浮浪児の一人が、顔は猿に似ているが、智恵がある。しかるべく立身出世して天下をとったのが豊臣秀吉という先輩なのである。 |
林芙美子 |
【愛する人達】 生きながら冥府に旅をしているも同じの生活だよ。だから呑気は呑気だ‥‥。人間、栄達、立身出世の野心がなければ、なかなか安気なものだ。毎日鞄をさげて出社して、夕べは茄子やトマトを買って帰る。本は高いから買わないで、まア、朝の新聞の広告を、たンねんに、読んでゆくうちには眠くなっちまう。 |
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