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慮外千万
りょがいせんばん
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作家
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作品
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【大菩薩峠 お銀様の巻】
この煽りを食って宇津木兵馬も、人波の中に揉まれていなければならなくなったし、奥方様という女乗物の一行が、まともにそれと打突かったのは気の毒でもあり、慮外千万な出来事でもありました。
「無礼者、控えろ」
お供先の足軽や侍が駈けつけました。
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【斬られたさに】
「ああコレコレ。そのような骨を老体に折らせては……分別してくるればそれでよいのじゃが……」
「ハハ。恐れ入りまするが手前も昔取った杵柄……思い寄りも御座いまするでこの場はお任かせ下されませい。これから直ぐに……」
「……それは……慮外千万じゃのう……」
「……あ。それから今一つ大事な事が御座りまする。念のために御伺い致しまするが、旦那様は、そのお若いお方の讐討の御免状を御覧になりましたか……それともその讐仇の生国名前なんどを、お聞き及びになりましたか」
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Last updated : 2024/06/28