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雑然紛然
ざつぜんふんぜん |
作家
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作品
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【夜明け前 第一部上】 枕もとにあるしょんぼりとした行燈のかげで、敷いて寝た道中用の脇差を探って見て、また安心して蒲団をかぶりながら、平田家を訪ねた日のことなぞを考えた。あの鉄胤から古学の興隆に励めと言われて来たことを考えた。世は濁り、江戸は行き詰まり、一切のものが実に雑然紛然として互いに叫びをあげている中で、どうして国学者の夢などをこの地上に実現し得られようと考えた。
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【夜明け前 第二部下】 そのころの銀座は香具師の巣である。二丁目の熊の相撲、竹川町の犬の踊り、四丁目の角の貝細工、その他、砂書き、阿呆陀羅、活惚、軽業なぞのいろいろな興行で東京見物の客を引きつけているところは、浅草六区のにぎわいに近い。目ざましい繁昌を約束するようなその界隈は新しいものと旧いものとの入れまじりで雑然紛然としていた。
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【天主閣の音】 戸外に面した壁の一点に、棒のような物が突き刺されていた。その端が坐っている香具師の口の辺へ真直に突き出されていた。そうして其先が漏斗型をなし、矢張り黒く塗られていた。
簀子の上には様々の模型が、雑然紛然と取り散らされてあった。屋根の模型、大砲の模型、人形の模型、動物の模型、鳥の模型、魚の模型……そうして今日の飛行機の模型、そうして今日の望遠鏡の模型、そうして今日の
竜吐水の模型……地球儀の模型、螺旋車の模型、軍船の模型、楽器の模型、磁石の模型、写真機の模型……玩具屋の店へでも行ったように、無雑作に四辺に取り散らされてあった。
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- このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。
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Last updated : 2024/06/28