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惻隠之心/惻隠の心
そくいんのこころ
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作家
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作品
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【幽霊塔】 先ア何しろ此の態では可哀相だ、救い出して人間並みの待遇を受ける事に仕て遣り度い。縦しや秘密の場所へ隠すにしても、是では遙かに犬猫に劣る仕向だから、若し余が茲を脱け出る事が出来れば必ず此の者を連れて出よう、夫が出来ずば此の者と共に留まり自分の手で傷わって遣ろうと、余は今までに覚えぬほど惻隠の心を起した。
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【花吹雪】 古今東西を通じて、かかるみじめなる経験に逢いし武芸者は、おそらくは一人もあるまじと思えば、なおのこと悲しく相成候て、なにしろあれは三百円、などと低俗の老いの愚痴もつい出て、落花繽紛たる暗闇の底をひとり這い廻る光景に接しては、わが敵手もさすがに
惻隠
の心を起し給いし様子に御座候。
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【勉強記】 思うに何代目かの管長候補は、二人の青道心が、酔わないうちから女を論じ、酔えば益々女を論じ、徹頭徹尾女を論じて悟らざること夥しい浅間しさをあわれみ、
惻隠
の心を催したのに相違ない。高僧はどのように、又、どの程度に、女色をたのしむべきか、という具体的な教育を行うつもりであったのだ。
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【妾の半生涯】 また料理する様のいじらしさに、妾は思わず歎息して、アアさても人の世はかばかり悲惨のものなりけるか、妾貧しけれども、なおこの乞食には優るべし、思えば気の毒の母よ子よと
惻隠
の心
禁めがたくて、覚えず階上より声をかけつつ、妾には当時大金なりける五十銭紙幣に重錘をつけて投げ与えけるに、
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【大鵬のゆくえ】 十九年前の春のこと、空っ風の吹く正月の朝、すこし心願があったので供も連れず起き抜けに観音様まで参詣すると、大きな公孫樹の樹の蔭で赤児がピーピー泣いている、この寒空に捨て子だな、邪見の親もあるものだと、そぞろ
惻隠
の心を起こし抱き上げて見れば枕もとに小さい行李が置いてある。開けて見ればわずかの金と書き附けが一本入れてあった。
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Last updated : 2024/06/28