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桑間濮上
そうかんぼくじょう
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作家
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作品
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芥川龍之介
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【
開化の殺人
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爾来予の明子に対する愛は益烈しきを加へ、念々に彼女を想ひて、殆学を廃するに至りしも、予の小心なる、遂に一語の予が衷心を吐露す可きものを出さず。陰晴定りなき感情の悲天の下に、或は泣き、或は笑ひて、茫々数年の年月を閲せしが、予の二十一歳に達するや、予が父は突然予に命じて、遠く家業たる医学を英京竜動に学ばしめぬ。予は訣別に際して、明子に語るに予が愛を以てせんとせしも、厳粛なる予等が家庭は、斯る機会を与ふるに吝なりしと共に、儒教主義の教育を受けたる予も、亦
桑間濮上の譏を惧れたるを以て、無限の離愁を抱きつつ、孤笈飄然として英京に去れり。
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永井荷風
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【
桑中喜語
】
宮古路の浄瑠璃は享保元文の世にあつては君子これを聴いて桑間濮上の音となしたりといへども、大正の通人は頤を撫でて古雅掬すべしとなす。けだし時世変遷の然らしむるところなり。
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Last updated : 2024/06/28