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糟糠之妻/糟糠の妻
そうこうのつま
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作家
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作品
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【徳育如何】 新に沐する者は必ず冠を弾し、新に浴する者は必ず衣を振うとは、身を重んずるの謂なり。我が身、金玉なるがゆえに、いやしくも瑕瑾を生ずべからず、汚穢に近接すべからず。この金玉の身をもって、この醜行は犯すべからず。この卑屈には沈むべからず。花柳の美、愛すべし、糟糠の老大、厭うに堪えたりといえども、糟糠の妻を堂より下すは、我が金玉の身に不似合なり。長兄愚にして、我れ富貴なりといえども、弟にして兄を凌辱するは、我が金玉の身によくすべからず。
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【愛妻家の一例】
彼は、二十二で結婚した。巴里で腰弁生活をはじめた時代である。処女作の出版を断わられた時代である。
細君はマリネットという愛称で呼ばれ、十年の糟糠の妻は、彼の眼に常に新鮮であった。
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【真珠夫人】
荘田家の墓地は、あの有名なN大将の墓から十間と離れていないところにあった。美奈子の母が死んだ時、父は貧乏時代を世帯の苦労に苦しみ抜いて、碌々夫の栄華の日にも会わずに、死んで行った糟糠の妻に対する、せめてもの心やりとして、此処に広大な墓地を営んだ。無論、自分自身も、妻の後を追うて、直ぐ其処に埋められると云うことは夢にも知らないで。
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【可能性の文学】 この一句には坂田でなければ言えないという個性的な影像があり、そして坂田という人の一生を宿命的に象徴しているともいえよう。苦労を掛けた
糟糠
の妻は「阿呆な将棋をさしなはんなや」という言葉を遺言にして死に、娘は男を作って駈落ちし、そして、一生一代の対局に「阿呆な将棋をさし」てしまった坂田三吉が後世に残したのは、結局この「銀が泣いてる」という一句だけであった。
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【人間失格】 また、犯人意識、という言葉もあります。自分は、この人間の世の中に於いて、一生その意識に苦しめられながらも、しかし、それは自分の
糟糠
の妻の如き好
伴侶で、そいつと二人きりで侘びしく遊びたわむれているというのも、自分の生きている姿勢の一つだったかも知れないし、また、俗に、脛に傷持つ身、という言葉もあるようですが、その傷は、自分の赤ん坊の時から、自然に片方の脛にあらわれて、長ずるに及んで治癒するどころか、いよいよ深くなるばかりで、
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【明治美人伝】 野沢屋茂木氏には
糟糠
の妻があった。彼女は遊女上りでこそあるが、一心になって夫を助け家を
富した大切な妻であった。その他に野沢屋には総番頭支配人に、生糸店として野沢屋の名をなさせた大功のある人物があった。その二人のために、さすがに溺れた主人も彼女をすぐに家に入れなかった。長い年月を彼女は外妾として暮さなければならなかった。
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【鵞鳥】 是非も無い、簡素な晩食は平常の通りに済まされたが、主人の様子は平常の通りでは無かった。激しているのでも無く、怖れているのでも無いらしい。が、何かと談話をしてその糸口を引出そうとしても、夫はうるさがるばかりであった。サア、まことの
糟糠
の妻たる夫思いの細君はついに
堪えかねて、真正面から、
「あなたは今日はどうかなさったの。」
と逼って訊いた。
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Last updated : 2024/06/28