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粟粒芥顆
ぞくりゅうかいか
作家
作品

夏目漱石

【 一夜 】

 むか阿修羅あしゅら帝釈天たいしゃくてんと戦って敗れたときは、八万四千の眷属けんぞくを領して藕糸孔中ぐうしこうちゅうってかくれたとある。維摩ゆいまが方丈の室に法を聴ける大衆は千か万かその数を忘れた。胡桃くるみうちひそんで、われを尽大千世界じんだいせんせかいの王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。 粟粒芥顆ぞくりゅうかいかのうちに蒼天そうてんもある、大地もある。一世いっせい師に問うて云う、分子ぶんしはしでつまめるものですかと。分子はしばらくく。天下は箸のさきにかかるのみならず、一たび掛け得れば、いつでも胃の中に収まるべきものである。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28