ご利用について
参考書
四字熟語  を     表示  件
このサイトに登録されている四字熟語を検索します。平仮名での検索や一文字からの検索、絞り込み検索などもできます。
粟散辺土
ぞくさんへんど
作家
作品

芥川龍之介

【 俊寛 】

女房にょうぼうも死ぬ。わかも死ぬ。姫には一生会えぬかも知れぬ。屋形やかたや山荘もおれの物ではない。おれは独り離れ島に老の来るのを待っている。――これがおれの今のさまじゃ。が、この苦艱くげんを受けているのは、何もおれ一人に限った事ではない。おれ一人衆苦しゅうくの大海に、没在ぼつざいしていると考えるのは、仏弟子ぶつでしにも似合わぬ増長慢ぞうじょうまんじゃ。『増長驕慢ぞうじょうきょうまんは尚非世俗白衣所宜なおせぞくびゃくえのよろしきところにあらず。』艱難かんなんの多いのに誇る心も、やはり邪業じゃごうには違いあるまい。その心さえ除いてしまえば、この 粟散辺土ぞくさんへんどうちにも、おれほどの苦を受けているものは、恒河沙ごうがしゃかずより多いかも知れぬ。いや、人界にんがいに生れ出たものは、たといこの島に流されずとも、皆おれと同じように、孤独のたんらしているのじゃ。

青空文庫で読む

正岡子規

【 犬 】

 長い/\話をつゞめていふと、昔天竺に閼迦衛奴国といふ国があつて、そこの王を和奴々々王といふた、此王も此国の民も非常に犬を愛する風があつたが、其国に一人の男があつて王の愛犬を殺すといふ騒ぎが起つた。其罪でもつて此者は死刑に処せられたばかりで無く、次の世には粟散辺土の日本といふ嶋の信州といふ寒い国の犬と生れ変つた。ところが信州は山国で肴などいふ者は無いので、此犬は姨捨山へ往て、山に捨てられたのを喰ふて生きて居るといふやうな浅ましい境涯であつた。然るに八十八人目の姨を喰ふてしまふた時、ふと夕方の一番星の光を見て悟る所があつて、犬の分際で人間を喰ふといふのは罪の深い事だと気が付いた。

青空文庫で読む

 
  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

おすすめサイト・関連サイト…

Last updated : 2024/06/28