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俗用多端
ぞくようたたん
作家
作品

芥川龍之介

【 路上 】

「君はもう卒業論文へとりかかったのか。」と、全く別な方面へ話題を開拓した。
「本だけはぽつぽつ読んでいるが――いつになったら考えがまとまるか、自分でもちょいと見当がつかない。殊にこの頃のように俗用多端じゃ――」
 こう云いかけた野村の眼には、また冷評ひやかされはしないかと云う懸念けねんがあった。が、俊助は案外真面目まじめな調子で、
「多端――と云うと?」と問い返した。
「君にはまだ話さなかったかな。僕の母が今は国にいるが、僕でも大学を卒業したら、こちらへ出て来て、一しょになろうと云うんでね。それにゃ国の田地でんじや何かも整理しなけりゃならないから、今度はまあ親父おやじ年忌ねんきを兼ねて、その面倒も見に行く心算つもりなんだ。どうもこう云う問題になると、中々哲学史の一冊も読むような、簡単な訳にゃ行かないんだから困る。」
「そりゃそうだろう。殊に君のような性格の人間にゃ――」

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Last updated : 2024/06/28