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電光石火
でんこうせっか |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【坑夫】 自分がふと眼を開けると、汽車はもう留っていた。汽車が留まったなと云う考えよりも、自分は汽車に乗っていたんだなと云う考えが第一に起った。起ったと思うが早いか、長蔵さんがいるんだ、坑夫になるんだ、汽車賃がなかったんだ、 |
坂口安吾 |
【落語・教祖列伝 兆青流開祖】 モチ竿の一閃。山犬の頭上まッすぐさしぬくように突き閃いて、電光石火、横に虚空を切りはらう。山犬はハッと一かたまりにうずくまって目をとじ、前肢に目をかくして、虫のようにすくみ、死んだように動かなくなってしまった。
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伊藤左千夫 |
【去年】 毎日洗われるたびに、きれいな子だきれいな子だといわれてる。やっかいに思われるのも日一日と消えて行く。電光石火……そういう間にも魔の神にのろわれておったものか、八女の出産届をした日に三ツになる七女は池へ落ちて死んだ。このことは当時お知らせしたことで、僕も書くにたえないから書かない。僕ら夫妻は自分らの命を忘れて、かりそめにもわが子をやっかいに思うたことを深く悔い泣いた。 |
寺田寅彦 |
【「手首」の問題】 中学時代に少しばかり居合い抜きのけいこをさせられたことがある。刀身の抜きさしにも手首の運動が肝要な役目を勤める。また真剣を上段から打ちおろす時にピューッと音がするようでなければならない。それにはもちろん刃がまっすぐになることも必要であるが、その上に手首が自由な状態にあることが必要条件であるように思われた。従って人を切る場合にでも同様なことが当てはまるであろうと思われる。撃剣でも |
神西清 |
【翻訳のむずかしさ】 今年のはじめ、ある翻訳劇を見物したら、ある幕で姉娘が妹娘を慰めながら、「私はあなたを高く評価します」と言った。電光石火、思わず耳を疑ったほどの名セリフである。失笑の声がそこここで聞えた。また最後の幕で、ある青年が任地を離れてゆくに当って、「さよなら、樹木たち!」と木立に向って呼びかけた。
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国枝史郎 |
【正雪の遺書】 こうして正雪一味の徒はほとんど一網打尽の |
佐藤垢石 |
【採峰徘菌愚】 ややあって驚いたことに斜酣は、上着を脱ぎワイシャツを取り、ズボンから股引まで脱いでズロース一つの丸裸になってしまった。そして、上着のポケットから一つの紙包みを出したのである。これは、昨夜こしらえて置いた火薬だ。硫黄、硝石、桐炭。これを細く砕いて調合すると、火薬ができる。この火薬を蜂の口で燃やして、その煙を穴の中深く吹き込めば、いるだけの蜂が悉く眼をまわす。だが、その眼をまわす時間はほんの五、六分だから、電光石火の速力で穴の奥から巣を掘り出さなければならない。
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横光利一 |
【 ツァラアは梶の友人の通訳を聞くとただ |
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