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低徊趣味
ていかいしゅみ
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作家
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作品
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夏目漱石
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【
高浜虚子著『鶏頭』序
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文章に
低徊趣味と云う一種の趣味がある。是は便宜の為め余の製造した言語であるから他人には解り様がなかろうが先ず一と口に云うと一事に即し一物に倒して、独特もしくは連想の興味を起して、左から眺めたり右から眺めたりして容易に去り難いと云う風な趣味を指すのである。だから低徊趣味と云わないでも依々趣味、恋々趣味と云ってもよい。所が此趣味は名前のあらわす如く出来る
丈長く一つ所に佇立する趣味であるから一方から云えば容易に進行せぬ趣味である。換言すれば余裕がある人でなければ出来ない趣味である。
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宮本百合子
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【
文芸時評
】
「濹東綺譚を読む」という『文芸』の文章の中で、佐藤春夫氏は冒頭先ず「現代日本にもまだ芸術が残っていたのかというありがたい感激をしみじみと味わせる名作である」と荷風の「春水流の低徊趣味」が「主要な装飾要素になっている」文学精神の前に跪拝している。自分のその文章などは「末世の僧の祖師を売る者、妄言当死」と迄頭を垂れている。
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Last updated : 2024/06/28