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天地玄黄
てんちげんこう
作家
作品

夏目漱石

【吾輩は猫である】

吾輩の尊敬する尻尾大明神を礼拝らいはいしてニャン運長久を祈らばやと、ちょっと低頭して見たが、どうも少し見当けんとうが違うようである。なるべく尻尾の方を見て三拝しなければならん。尻尾の方を見ようと身体を廻すと尻尾も自然と廻る。追付こうと思って首をねじると、尻尾も同じ間隔をとって、先へけ出す。なるほど 天地玄黄てんちげんこうを三寸に収めるほどの霊物だけあって、到底吾輩の手に合わない、尻尾をめぐる事七度ななたび半にして草臥くたびれたからやめにした。

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直木三十五

【南国太平記】

「うめえことを、云やがったのう。古人って奴は」
 富士春の坐っている長火鉢の、前と、横にいる若衆の中の一人が、小藤次の家にいる源公の顔を見て、大声を出した。
「何が?――途方もねえ吠え方をして、何を感ずりゃあがった」
「そら、千字文の初めに、天地玄黄、とあらあな。源公」
「何を云やあがる、そりゃ、論語の初めだあな」
「糞くらえ、論語の初まりは山高きが故に尊からずだあ」
「無学文盲は困るて。それは、大学、喜句きくの章だ」
「喜句の章じゃあねえ、団子の性だ。団子の性なら転げて来い、師匠の性なら、金持って来い」
「おやっ、もう一度唄って御覧な」
 富士春は、口で笑って、眼で睨んだ。一人が
「東西東西、それで、天地玄黄が、何うしたえ」
天地玄黄の、玄の字は、黒いって字さあね。それ、千年前に、源公は、色が黒いって、古人って奴が、ちゃあんと、物の本に書き残してあるんだ。豪気なもんじゃあねえか」
「成る程、それで感ずりましましたか」

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28