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天涯孤独
てんがいこどく
作家
作品

織田作之助

【 土曜夫人 】

 朝といっても、もう午ちかい。茉莉のアパートを出た京吉は、わびしい顔で河原町の雑閙の中を歩いていた。
 京吉には両親の記憶はない。兄弟も身寄りもなく、祖母の手に育てられたが、中学校三年生の時にたった一人の肉親のその祖母もなくなり、天涯孤独となった身は放浪生活に馴染み易く、どこへ勤めても尻が落ちつかず、いまだにきまった職がなかった。

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正岡容

【 わが寄席青春録 】

 先年、拙著『雲右衛門以後』(浪曲史)出版記念演芸会に森三千代女史は、
「私たち夫婦で浪花節のよさを教えると、すぐ小金井太郎と共同生活までしてしまうし、まったく正岡さんという人はハラハラさせる人だけれど、その収穫はこうした一冊になった」
 と講演してくだすったが、ほんとうに私に文学の、芸能の、ことに寄席の救いがなかったら、良家に生まれてその家が潰れ、思春期に天涯孤独の身となった自分は、今時分薄志の不良青年となり、与三郎同様、佐渡送りにでもなっていたろう。腕に桜の刺青は入ったが、遠山の金さんのラインで踏み留まることができたのは、再び言うが、文学の、芸能の、寄席のおかげであると言わなければならない。幸いに後継永井啓夫を得た今日、残生の大半を私は寄席文化の普及と探求とに、父子して尽くそう。

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海野十三

【 脳の中の麗人 】

 彼は、黒木博士の世話で、目黒区にある黄風荘こうふうそうというアパートに入った。
 彼は、親には早く死にわかれ、兄弟もなければ妻子さいしもなく、 天涯孤独てんがいこどくの身の上だった。財産だけは、親譲おやゆずりで相当のものが残されていた。毎月の末になると、某信託会社ぼうしんたくかいしゃから使者が来て、規定どおり五百円の金をおいてゆくのだった。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28