|
■このサイトに登録されている四字熟語を検索します。平仮名での検索や一文字からの検索、絞り込み検索などもできます。
天網恢恢/天網恢々
てんもうかいかい |
|
作家
|
作品
|
---|---|
夏目漱石 |
【坊っちゃん】 「宿屋はいいが、気が放せないから困る」「その代り 「昼寝はするが、外出が出来ないんで 「天誅も骨が折れるな。これで 「なに今夜はきっとくるよ。――おい見ろ見ろ」と小声になったから、おれは思わずどきりとした。黒い |
石川啄木 |
【我等の一団と彼】 『ああ、其の頃なら僕は浅草で活動写真を見ていたよ。』二人は吹きだして了った。 高橋は等分に二人の顔を見て、『何が可笑しいんだい? 君等も昨夜行ってたのか?』 『何うだ、天網恢々疎にして洩さずだろう?』安井は言った。 『ふむ、それが可笑しいのか? そうか。君等も行ってたのか? 亀山君も?』 『僕は行かんよ。安井君が行ったんだよ。』 |
佐藤紅緑 |
【少年連盟】 「見よ、と富士男はいった。一同はいまさらながら、 これで悪漢は全部ほろんだので、一同は |
泉鏡花 |
【義血侠血】 甲者は重ねて感嘆の声を発して、「おもしろい! なるほど。浴衣の片袖がない! 天も……なんとやらで、なんとかして漏らさず……ですな」 弁者はこの 「 甲者は聞くより手を 「それそれ、恢々、恢々、へえ、恢々でした」 乗り合いの |
久米正雄 |
【良友悪友】
「なあに実はね。今日僕たち仲間だけの三土会と云う会があるって云うんで、久しぶりで連中の顔でも見ようと思って、出かけて行った所が、ふとした事から僕の遊蕩が問題になってね、皆から口を揃へて忠告やらを受けた訳さ。余り癪に触ったから、つい其足で飛び出して来たんだ。そしたら此処でこう云う始末なんだ。
「棄てる神あれば拾う人間あり、さ。だから人間会が必要なんだよ。」とY君は自分の |
森本薫 |
【女の一生 五幕七場】 精三 斎藤長兵衛というと、例の夜逃げの口なんですか。
けい ええ、そんな所にいるんじゃ、東京中探したってわからない道理ですよ。
精三 しかしよくまた、見つかったものですね、偶然なのかな。
けい そうなんですって。御自分の用事で鎌倉までいらしって、夕立にあったものだから雨やどりをしようと思って何の気なしに表札をみたらそうだったというんでしょ。悪いことは出来ないもんですね。
精三
けい ええ。だから、明日にでも私、行って来ようと思っているんですがね。
|
久生十蘭 |
【金狼】 「そりゃ、……ほ、ほんとうに葵だったのかね?」「ほんとう、たあなんだ。……葵がひとりしかいない部屋から女が出てくれあ、それあ葵にきまってるだろうじゃないか」 「あんたそれを警察でもいったのかね」 「だれがそんなお節介をするもんか。おれの知ったこっちゃありゃしまいし。……おれが云わなくたって時がくればわかる。……いわゆる、……天網恢々、さ」 乾はなにかしばらく考えこんでいたが、やがて、勢いこんで、 「しかし、こんな風にも考えられるねえ。……あの晩、葵の部屋にもひとり女がいて、出て行ったのは葵でなくて、そいつ……」 |
|