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手練手管
てれんてくだ
作家
作品

坂口安吾

【ジロリの女 ――ゴロー三船とマゴコロの手記――】

ヤス子さん。あなたを高めるといったって、事実、私は全部のものを今こゝへさらけ出しているのですよ。手練手管のある人間でもなく、頭のヒキダシの中に学問をつめこんでおく男でもありません。まったく、これだけの人間です。先程も申しました通り、つまり、恋と愛人とに奉仕する、すべてを賭けて奉仕のマゴコロを致すというだけの人間なんです。それが私の身上です。イノチなのです。それが人を、高めるのか、低めるのか、それは私は知りません。

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林不忘

【丹下左膳 乾雲坤竜の巻】

 ことにお藤のような女においては、いっさいのゆうかいっさいの、抱きしめる手でそのまま殺すことも彼女にとっては同じだったが、さすがに殺しは得ずして助けて来た左膳、日々近く手もとにおいてみると、もとより嫌いでないどころか、こうして危い江戸をも見捨て得ずに今日こんな苦労を重ねているのも、もとはといえばみんなだれゆえ左膳ゆえのことだから、うば桜のお藤、 手練手管てれんてくだのかぎりをつくして、ひたすら左膳の意を迎え、心をとらえようと腕によりをかけだしたのだった。

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平林初之輔

【オパール色の手紙 ――ある女の日記――】

 世間の女はいろいろな 手練手管てれんてくだを使って男を籠絡ろうらくするということは聞いている。しかし、これ程までに大胆に、これ程までに傍若無人ぼうじゃくぶじんに振る舞う女が、実際この地球の上に生きていて、わたしと同じ空気を吸っていようとは知らなかった。あの人の妻であるこの妾は、全く無視されているのだ。ああこの手紙を読んだとき、あの人はどんな顔をするだろう。どんな気持ちがするだろう。

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田中英光

【オリンポスの果実】

 男は女が自分に愛されようと身も心も投げだしてくると、 すき だらけになった女のあらが丸見えになり たま らなく女が鼻につくそうです。女が反対に自分から逃げようとすればするほど、女が した わしくなるとかきいています。そこに 手練手管 てれんてくだ とかいうものが出来るのでしょう。

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矢田津世子

【女心拾遺】

良人に信頼をおく――そんな気もちよりも、てんからおしもを子供扱いにしているので、疑いの心が起ってこないのだった。それだけに、夫人は今度のことを自分の落ち度に思うのである。子供だと気をゆるして安気に構えていた自分へ肚が立つ。そして、舌をちょろつかせてものを言う甘えようや、始終ニコニコと笑っているこのあどけない顔が良人を誘惑するてだったのか、と夫人は今十九のおしもに四十年増の手練手管を見た気がする。

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中里介山

【大菩薩峠 流転の巻】

 だからこの連中は、ガラクタ文士を集めては相当範囲の勢力圏を作り、自党に不利なるものの出現に当っては、伏兵を設けて、白いものを黒く、黒いものを白くする宣伝術策ぶりだけは、腐敗した時代の政党に異ることなく、文学というものを、極めて低劣な 手練手管てれんてくだにして、体裁だけは高尚がっておりました。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28