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有為無常
ういむじょう 世の中の全ての現象は絶えず変化して恒常性がなく、常に移り変わること。
⇒ 有為転変 ⇒ 有為無常 |
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作家
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作品
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谷崎潤一郎 |
【三人法師】
不思議なことに、その子供たちの通るところは自然と人波が左右に分れて道を開いて行くのです。それからなおも見ていましたら、二三人ばかり人を隔てたあたり迄来まして、姉が手箱の蓋を、上人の御前にさしおいて、三度礼をして、掌を合わせてうずくまりますのを、上人はしげ/\と御覧になって、そこにおいでの幼い人は何処のお方ですかとお尋ねになります。はい、これは楠の一門の、篠崎六郎左衛門の子供でございますが、父になります者は、わらわが三歳の時、楠殿と仲違いをしまして、世を遁れて、今に行くえが知れないのでございます、此の程はお母さま一人に添いながら、浮世を明かし暮らしておりましたのに、有為無常のならいの悲しさは、そのお母さまにさえ先立たれて、今日で最早や三日になります、お骨を拾う人もございませんものですから、弟と二人で拾いまして、此の箱の中に入れましたけれど、何処へお納めしてよいのやら分りませんから、上人にお願い申そうために此れまで持って参りました、
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