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優柔不断
ゆうじゅうふだん
作家
作品

太宰治

【新ハムレット】

ことにも、わしはハムレット王家の血を受けて生れて来た男です。君もご存じのように、ハムレット王家の血の中には、優柔不断な、弱い気質が流れて居ります。先王も、わしも、幼い時から泣き虫でした。わしたち二人が庭で遊んでいるのを他国の使臣などが見て、女の子と間違ったものです。

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中島敦

【光と風と夢】

 ラウペパ王は、彼とマターファとの間に立とうとする私の調停をしりぞけた。面と向っている時は極めて愛想の良い男だのに、会わないでいると、直ぐうだ。彼自身の意志でないことは明らかだが。
 ポリネシア式の優柔不断が戦争を容易に起させないであろうことを唯一の頼として、 拱手きょうしゅ傍観している外はないのか? 権力をつのは善い事だ。もし、それが、それを濫用しない理性の下にある時は。

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中原中也

【散歩生活】

「女房でも貰って、はやくシヤッキリしろよ、シヤッキリ」と、従兄みたいな奴が従弟みたいな奴に、浅草のと或るカフエーで言っていた。そいつらは私の 卓子テーブル のじき傍で、生ビール一杯を三十分もかけて飲んでいた。私は御酒を飲んでいた。好い気持であった。話相手が欲しくもある一方、いないこそよいのでもあった。
 其処を出ると、月がよかった。電車や人や店屋の上を、雲に這入ったり出たりして、涼しそうに、お月様は流れていた。そよ風が吹いて来ると、私は胸一杯呼吸するのであった。「なるほどなア、シヤッキリしろよ、シヤッキリ――かア」
 私も女房に別れてよりここ に五年、また欲しくなることもあるが、しかし女房がいれば、こんなに呑気に暮すことは 六ヶ敷 むずかし かろうと思うと、優柔不断になってしまう。

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折口信夫

【死者の書】

都の姫の事は、子古の口から聴いて知ったし、又、京・難波の間を往来する頻繁な公私の使いに、文をことづてる事は易かったけれども、どう処置してよいか、途方にれた。ちょっと見は何でもない事の様で、実は重大な、家の大事である。其だけに、常の優柔不断な心癖は、益々つのるばかりであった。

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与謝野寛
与謝野晶子

【巴里より】

自分は欧洲へ来て見て、初めて日本の女の美が世界に出して優勝の位地を占め ることの有望な事を知った。 たゞ其れには内心の自動を要することは勿論、従来の様な優柔不断な心掛では駄目であるが、其れは教育が普及して く結果現に穏当な覚醒が初まって居るから憂うべき事ではない。

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宮本百合子

【バルザックに対する評価】

 一八三〇年七月革命後、常に蝙蝠こうもり傘をもって漫画に描かれた優柔不断のルイ・フィリップがブルジョアジーの 傀儡かいらい君主として王位についた時、一層凡庸化し、銭勘定に終始する俗人共の世界に反抗して、ユーゴー、ド・ミッセ、デュマ、メリメ、ジョルジュ・サンドなどは、いずれもそれぞれの形で日々の現実から離脱しロマンチシズムの芸術にたてこもった。

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岸田國士

【犬は鎖に繋ぐべからず】

二見  そりゃ、仕込みようで、どうにでもなりますわ。飼主次第ですわ。
念吉  よし、仮りに僕の仕込方が優柔不断であったとしよう。それならそれで、せめて、 見場みばだけでも、もうちっと好くなくっちゃね。

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堺利彦

【私の母】

もし私に、けちくさい、気の小さい、小事にアクセクするというところが著しく現われているとするなら、それは父の方からの欠点である。もしまた私に、不器用な、不活溌な、優柔不断なところが大いに存在しているとするならば、それは母の方からの弱点である。

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福田英子

【妾の半生涯】

されば妾は朝鮮変乱よりして、東亜の風雲ますます急なるよしを告げ、この時この際、婦人の身また如何いかむなしく過すべきやといいけるに、女史も我が当局者の優柔不断なげき、心ひそかに決する処あり、いざさらば地方に遊説して、国民の元気をおこさんとて、坂崎氏には一片いっぺんの謝状をのこして、妾と共に神奈川地方にはしりぬ。

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浅沼稲次郎

【まあまあ居士の弁 私の歩いてきた道】

 一月大会の分裂は党員によりよき教訓を与え此の自己批判の上に社会党躍進の大勢は整備されつつある。私は私年来の主張たる社会党一本の姿の具現の為にあらゆる努力を捧げたいと思って居る。私は右の信念の下に党の運営の為東奔西走しつつあるのであるが、よく人は私を「まあまあ居士」だとか「優柔不断」だとか「小心」だとか「消極的」だとか、いろいろ批評されているが、およそ大衆団体の中にあって行動するのには、一つの運動方針を決めてやって行くのだから、大会で決めた方針を皆が遵奉して行けば、そこには対立もなければ、分裂もないわけである。

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Last updated : 2024/06/28