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有終之美/有終の美
ゆうしゅうのび |
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作家
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作品
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太宰治 |
【親友交歓】 小学校時代の同級生とは言っても、私には、五、六人の本当の親友はあったけれども、しかし、このひとに就いての記憶はあまり無いのだ。彼だって、その頃の私に就いての思い出は、そのれいの喧嘩したとかいう事の他には、ほとんど無いのではあるまいか。しかも、たっぷり半日、親友交歓をしたのである。私には、けれども、まだまだこれでおしまいでは無かったのである。さらに有終の美一点が附加せられた。まことに痛快とも、小気味よしとも言わんかた無い男であった。玄関まで彼を送って行き、いよいよわかれる時に、彼は私の耳元で 「威張るな!」 |
倉田百三 |
【人生における離合について】 いったん愛し合い結び合った者は一生離れず終わりを全うするのが美しく望ましいのはいうまでもない。この現実の世ではそうした人倫の「有終の美」は稀なだけにどんなに尊いかしれない。天智天皇と藤原鎌足のような君臣の一生的の結びは彼の漢の高祖や源頼朝などの君臣の例と比べて如何に美しく、乃木夫妻のようなのは夫婦の結びの
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坂口安吾 |
【中庸】 余の無能、余の発狂、二つながらたぶん正しいのであろう。「中庸に敗る」 |
内田魯庵 |
【八犬伝談余】 本来『八犬伝』は百七十一回の八犬 |
長谷川時雨 |
【マダム貞奴】 彼女には意地が何よりの命で、 |
鳥谷部春汀 |
【明治人物月旦(抄)】 今や閣下は、元帥の待遇と陸軍大将の軍職とを有し、凡そ軍人としては此の上もなき最高の位置及び之れに伴へる君寵を享け、即ち所謂る功成り名遂げ、復た世に遺憾なきの人なり、顧みて更に大政治家たらむことを望むは、豈閣下の有終の美を成す所以ならむや。
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甲賀三郎 |
【支倉事件】 庄司署長が支倉の自白の直後に当って今少し冷静に考えて、適当な処置を取ったならば、支倉は当時にあっては署長の温情に対して感謝の涙を流し、誰の面前に於てもその事を繰返し述べていたのであるから、決して他日 |
夢野久作 |
【街頭から見た新東京の裏面】 選挙民の「無自覚」ということは、吾が大和民族が天から授かった美徳で、別段珍らしい言葉ではない。吾国の村会、町会、市会、県会、国会等いう議員が、今日の如く |
小栗虫太郎 |
【方子と末起】 それは、謙吉に時世をみる眼があったからだろうか、暖簾や、伝統などに執着せずさらっと止めたことは、多くの競争者のなかにあってマネキン人形などつくるよりも、大光斎としては有終の美であったにちがいない。
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