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融通無礙/融通無碍
ゆうずうむげ |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【桜枝町その他】
文学の最大の任務を果すために、小道具は挙げて小道具の最大の効果をあげるために融通無碍の流用にまかさるべきが至当であると考えているが、つまり小説の中で実在すればいいのであるが、然し長野というような実在の地名を用いた場合、僕が間違えた程度の嘘はひどすぎるようだ。絵描きの大ざっぱな言葉通りに書いたのだが、この点は文句なしに降参する。
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菊池寛 |
【我が馬券哲学】 一、剣を取りて立ちしが如く、常に頭を自由に保ち固定観念に囚わるること |
織田作之助 |
【聴雨】
平手将棋は先後いずれも駒が互角だから、最初の一手をどう指そうと、隙のないようには組めるものだ、最初の一手ぐらいで
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伊丹万作 |
【ルネ・クレール私見】
そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無碍に仕事をしているし、形式と内容がぴったりと合致して寸分のすきもない。完璧なる作品という語に近い。なお彼の作品に現われた様式美についても論ずる価値があるが、これは別の機会に譲ろう。 |
太宰治 |
【右大臣実朝】
こんな澄んだ御心境は、三十になっても四十になっても、いやいやこれからさき何十年かかったって到底、得られさうもございませぬ。なんという秀でたお方でございましょう。融通無碍とでもいうのでございましょうか。お心に一点のわだかまりも無い。本当に、私たちも、はじめはひどく面変りをしたと思つていたのでございますが、馴れるとでも言うのでしょうか、
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内藤湖南 |
【学変臆説】 天体の説明は星霧説ありて、個々中心の分立を統一し、進化説の発達は、漸やく各科学の統一を催し、統一の極、真を求め、善を求め、美を求むるの念にして、皆帰一する所あり、東西境遇の阻絶より、殊別に養成せられたる偏局の気風も、銷融和合し去らば、一致の大功或は此に完成することあらん。此の統一や、かの専制の統一にあらずして、個々独尊の統一たり、枝を以て葉に統べ、幹を以て枝に統ぶるの統一にあらずして、帝釈天網、百千明珠、相照し相映して、融通無碍なるの統一たらん。
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久生十蘭 |
【顎十郎捕物帳 鎌いたち】 「それみろ、やはりかまいたちだわい」「わっしもいよいよ我を折りました。しかし、越後、信濃にはございましたろうが、 「そのへんが妖怪の融通無碍なところであろうて。越後信濃は今年は不作で、だいぶ暇だそうだからの」 と、吐きだすようにいう。さすがに、むしゃくしゃしているものと見える。 |
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