作 家
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作 品
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夏目漱石 |
【満韓ところどころ】 正面に五尺ほどの盆栽を二鉢(はち)置いて、横に奇麗(きれい)な象の置物が据(す)えてある。 |
堀辰雄 |
【旅の絵】 樹木なんぞは一本も植(うわ)っていず、ただ空箱の上に一鉢(ひとはち)の菊が置かれてあるっきりだった。 |
寺田寅彦 |
【藤棚の陰から】 カラジウムを一鉢(はち)買って来て露台のながめにしている。芋の葉と形はよく似ているが葉脈があざやかな洋紅色に染められてその周囲に白い斑点(はんてん)が散布している。 |
岡本綺堂 |
【半七捕物帳 雷獣と蛇】 狭い庭にはゆうべの雨のあとが乾かないで、白と薄むらさきと柿色とをまぜ栽(う)えにした朝顔ふた鉢と、まだ葉の伸びない雁来紅(はげいとう)の一と鉢とが、つい鼻さきに生き生きと美しく湿(ぬ)れていた。 |