作 家
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作 品
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長谷川時雨 |
【渡りきらぬ橋】 引出しを二ツもった、廉品(そまつ)な茶塗りの手習い机と、硯箱が調えられた。白紙を一帳綴じたお草紙、字が一字も書いてない真っ白な折手本、椎の実筆と、水入れと、 |
作者不詳 国民文庫 (明治43年) 校訂: 古谷知新 |
【源平盛衰記】 右には善導和尚の御影を奉懸、浄土の御疏九帖、往生要集を被置たり。北の壁には、琴琵琶各一帳立られたり。管絃歌舞菩薩の来迎の粧を、思召准かと覚たり。又時々の御心慰にや、古今、万葉、源氏、狭衣、其外の狂言綺語の物語、多取散されて、折々の御手すさみ、昔の御遺と覚えて哀也。 |