言葉の蘊蓄
正式名称何んてぇの? あなたのお名前何んてぇの?
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きょうの
『言葉の蘊蓄』
正式名称何んてぇの?
あなたのお名前何んてぇの?
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- 折り詰めや仕出しの弁当などで、料理と料理の間に入っている薄い仕切りの名前は?
⇒「バラン」
もともとはハラン(葉蘭)の葉を用いたところからの名と言われ、現在はプラスチックなどの人工素材でつくられることが多く、「人造バラン」と呼ばれたりもする。人工のものを「バラン」、葉蘭で作ったものを「ハラン」、クマザサ(熊笹)で作ったものを「切り笹」と、区別して呼ぶこともある。製品としての人工素材の「バラン」は、「山型」「仕切り型」「三本杉」「笹型」「紅葉」「大葉」「松型」「海老型」などの名称で流通している。
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床の間などに飾られた掛軸の、軸の先の両側にぶら下がっているものの名前は?
⇒「風鎮(ふうちん)」
「風を鎮める」という字を書く「風鎮」は、掛軸が風に揺れないようにするために掛軸の軸先に付ける錘(おもり)のこと。陶磁器などで出来ていて、中に房を通しその房を軸の両端に掛けて使う。飾りとしての意味合いも強く、
陶磁器以外にもメノウ、水晶、黒檀などで作られたものもある。
- カクテルや水割りなどの飲み物をかき混ぜる際に使う棒の名前は?
⇒「マドラー」
金属製や、ガラス、陶器、プラスティック製などがあり、飲み物によっては、棒状シナモンやセロリなどのスティック状にした野菜が使われたりすることもある。
- 30歳のことを「三十路」と言う。例えば永井荷風の『矢はずぐさ』という小説には「八重も女の身の既に三十路を越えたり」などと出て来る。その他の年齢にも「十路」という言い方があり、40歳は「四十路」、50歳は「五十路」と書くが、それぞれ何と読む?
⇒「よそじ」「いそじ」
〔20歳=二十路(二十路はあまり使われず、「はたち」と言う言い方が一般的)、30歳=三十路、40歳=四十路、50歳=五十路、60歳=六十路、70歳=七十路、80歳=八十路、九十歳=九十路〕 ≫≫ 参考:「年齢の名称・別名」
- 海岸や河川などで護岸のために置いてあるコンクリートで出来た物体は?
⇒「
消波ブロック」(波消しブロックとも)。
〔一般には「テトラポッド」と呼ばれることが多いが、「テトラポッド」は登録商標で形状は截頭円錐体の4本脚。「消波ブロック」には「平型」「階段型」「立体型」「直積型・函塊型」など様々な形状があり、それぞれに名前が付けられ商標として登録されているものが多い。用途や形などは「日本消波根固ブロック協会」のWebサイトに詳しい〕
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「腕一本脛一本」などの言葉があるように、普通、腕は「本」で数えられる。では、仏像の腕は何と数える?
⇒「臂(ひ)」
〔仏像の腕・手は「臂」、顔は「面」で数える。一面二臂、一面四臂、三面四臂、三面六臂、四面八臂、八面六臂などの仏像があり、大活躍をすることを「八面六臂の活躍」などとたとえる。興福寺(奈良県)の「阿修羅像」は「三面六臂」である〕 ≫≫ 参考:「仏像」の数え方
- 急流や滝壺などで白く泡立った場所。また、そのような場所で波が砕けてできる白い泡を何と言う?
⇒ 「ホワイトウオーター・ホワイトウォーター」「white water/Whitewater」
〔カヤック競技などでよく使われる言葉で、関係する商品の名称などにも使われている。また、そのイメージから飲料水や化粧水などの商品名としても使われている〕
- 文学作品などに出てくる 「ヿ」の読み方は?
⇒ 「こと」
〔片仮名の「コ」と、片仮名の「ト」を組み合わせた合字。「○○するヿ」などと、「○○する事」の意で使われる〕
坂本龍馬 「手紙 慶応三年一月二十日 姪春猪あて」:たいての
ヿなり候や、二町目へすてしめてもよかろふのふ。
夏目漱石 「『吾輩は猫である』中篇自序」:書キタイ
ヿハ多イガ苦シイカラ許シテクレ玉エ。
- 「アレ! これって前に見たことがある!!」などと、経験していないことを経験したことのように思える現象は?
⇒「既視感(きしかん)」
〔フランス語で「デジャヴュ/déjà-vu 」で、デジャヴ、デジャブ、デジャビュなどとも表記される。英語にすると「already seen(すでに見た)」〕
- 青春のシンボル「ニキビ」を医学用語で言うと?
⇒「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)、または単に痤瘡(ざそう)」
〔日本皮膚科学会「尋常性痤瘡治療ガイドライン」より:「痤瘡は,思春期以降に発症し,青年期以降には通常自然に軽快する顔面,胸背部の毛包・脂腺系を場とする脂質代謝異常(内分泌的因子),角化異常,細菌の増殖が複雑に関与する炎症性疾患である.アクネ,あるいはニキビとも呼称される〕
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ブルドーザーなどで、鋼板を帯状につないだ前進や後退をするための装置の名称は?
⇒「無限軌道(むげんきどう)」
〔前後の車輪を取り巻くように取り付けられた帯状の鋼板は、地面との接触面が大きく悪路や急坂でも走行ができる特徴を持っている。一般に「キャタピラー」と言われるが、「キャタピラー」は登録商標。右上の写真にある「CAT」のマークは、商標権を持つ「キャタピラー社」( Caterpillar Inc. )のロゴマーク〕
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視力検査で使われる、あっち向いたりこっち向いたりしている「C」の字のようなものの名称は?
⇒「ランドルト環(ランドルト氏環)」
〔ランドルト環は黒色の円環で、円環全体の直径:円弧の幅:輪の開いている幅は、5:1:1 のサイズでできている。環の切れ目の向きを判別することで視力を測定する。開発した眼科医エドマンド・ランドルトに由来〕
- 生活習慣病の話題として登場する「メタボ」の正式名称は?
⇒「メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)」
〔メタボリックシンドロームは代謝症候群で、「内臓脂肪症候群」「メタボリック症候群」などと呼ばれる。内臓の脂肪がたまって病気を引き起こす状態のことで、内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を併せ持った状態をいう〕
- ニュースなどで、「大手ゼネコン各社が…」などと使われる「ゼネコン」の正式名称は?
⇒「ゼネラルコンストラクター(General Constructor)の略とされる」
〔日本語では「総合建設業」に当り、各種土木・建築工事一式を発注者から直接請負い、工事全体のとりまとめを行う元請負者としての建設業者〕
- 特に欧文で、文章の終わりに打ったり、例えば4月のスペルを省略した形の「Apr.」などに使われる「 . 」の名称は?
⇒「ピリオド(period)、終止符、フルストップ(full stop)、ドット(dot)、ポイント(point = 小数点として)」
≫≫ 参考:区切り符号/区切り記号
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坐禅で、修行者の肩や背中を打つための棒は?
⇒ 「警策」。読み方は曹洞宗では「きょうさく」、臨済宗では「けいさく」、また、「きょうざく」「けいしゃく」などの読み方もされる。
〔警覚策励(けいかくさくれい)の略で、打つ側は「警策を与える」、打たれる側は「警策をいただく」という。曹洞宗では右肩を打ち、臨済宗では両肩を打つ。樫や栗が多く使われる〕
- 東京都小笠原村に属し、太平洋戦争の激戦地として知られる「硫黄島」は、東京都区部から南方におよそ1,200km に位置する。では、「硫黄島」は何と読む?
⇒「いおうとう」
〔「いおうじま」とも呼ばれていたが、2007年6月18日、国土地理院と海上保安庁海洋部で構成する「地名等の統一に関する連絡協議会」で、「いおうじま」から「いおうとう」に変更されされた。旧島民が「いおうとう」と呼んでいたことから、小笠原村が国土地理院に変更を要望していたもの〕 ≫≫ 参考:硫黄島の呼称は ?
- 「県庁所在地はどこ?」というクイズがよくある。では、東京都庁の所在地はどこ?
⇒「新宿区」
〔東京都のWebサイトでは次のように解説されている。『東京都では「東京都庁の位置を定める条例」により、東京都新宿区西新宿二丁目と定めている。(「東京」とよく言われるのは)現在の23区の存する区域が、昭和18年まで東京市と呼ばれていたため、その名残りではないかとも考えられる』〕 ≫≫ 参考:東京都のWebサイト ≫≫ 参考:東京都の地名読み方
- 日本には、47都道府県のうち海に面していない県が8つある。これらの海岸線を持たない県を表す言葉は? また、その8つの県とは?
⇒「内陸県」(海なし県とも)
〔栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良の8県で、奈良県以外は全ていずれかの県と隣接している。国の場合は「内陸国」と言う〕 ≫≫ 参考:海のない県・内陸県
- 太りすぎていないか、痩せすぎていないかなどの判断基準に使われる「ビーエムアイ」とは?
⇒「Body Mass Index」(ボディ・マス・インデックス)の頭文字で、肥満や痩せを知る国際的な指標。日本では体格指数と訳される。
〔「BMI」の算出方法は、『体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)』で、『22』前後の人が肥満に関係する病気になりにくいとされる〕 ≫≫ 参考:BMI・体格指数の測定
- 「東京タワー」を運営する会社の名称は?
⇒「日本電波塔(にほんでんぱとう)」
〔ちなみに、「東京スカイツリー」を運営する会社は「東武タワースカイツリー」。登記名では、それぞれ後ろに「株式会社」が付く〕
- 暖めた牛乳の表面に膜ができる現象は?
⇒「ラムスデン現象」
〔日本乳業協会Webサイトより:「牛乳を40℃以上に温めると表面に薄い膜ができます。(中略)消化が悪いのではと心配して食べない人もいますが、栄養が含まれていますので捨てずに食べましょう」〕
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視力検査の際に、片目を覆うスプーンや杓文字のようなものは?
⇒「遮眼子(しゃがんし)」
〔ランドルト環と呼ばれる一部分が切れた円の方向や、ひらがな、カタカナなどを使った視力表で視力を測る際に、片方ずつの目を覆うもの。なお、表を指し示す棒は、「視力指示棒」「視力表指示棒」「検査指示棒」などと呼ばれる〕
- アルミホイルなどの銀紙や金属製のスプーンなどを噛んだ時に、歯が“ピリッ”としたり“キーン”となる原因の名称は?
⇒「ガルバーニ電流・ガルバニー電流・ガルバニック電流」(イタリアの医学者・物理学者の名前から)
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西部劇などで風に吹かれて地面を転がる物体は?
⇒「タンブルウィード・tumbleweed」
〔風で地上部が切れ、球状になって飛ばされる草の総称。ヒユ属やオカヒジキ属数種の草など。直訳をすると「回転草」〕
- タイ・バンコクの儀式的正式名称は?
⇒「クルンテープマハナコーン アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラッタラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーンアワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット」
- ゴルフの時にスコアを記入したり、アンケートの記入などに使われる小さい筆記用具は?
⇒「ペグシル」(登録商標)
〔「ペグシル」は商標として登録されているため、同様の機能を持つ筆記用具は「クリップペンシル」「クリップ付ペンシル」などの名称でも販売されている〕
- 競馬馬などが付けている眼帯のようなものは?
⇒「遮眼革(しゃがんかく)」(遮眼帯、ブリンカー、ブラインダーとも)
〔視野をせばめ、前方にだけ気持ちを集中させるための道具〕
- 幕末の浮世絵師、葛飾北斎(かつしかほくさい)が描いた富士山を題材とした版画シリーズは?
⇒「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」
〔36図に、俗に裏富士とよばれる10図が追加されて全46枚で完結。富士連作の第二弾『富嶽百景』も出版された〕 ≫≫ 参考:「冨嶽三十六景」より『神奈川沖浪裏』
- 「区切り符号」の一つで、「東京・京都」などのように言葉の真ん中に置かれる「・」の記号を印刷業界などでは?
⇒「中黒(なかぐろ)」(中点(なかてん)、中ぽつ、ぽつ、中ぽち、ぽちなどとも)
- 「区切り符号」の一つで、点が縦に二つ並んだ「:」の記号は?
⇒「コロン(colon)」(重点、二重点などとも)
ちなみに、下の点がカンマ( ,)になっている符合「;」は「セミコロン(semicolon)」で、「点コンマ」「半二重句点」とも。
- 「繰り返し符号」の一つで、「同じ語句・同じ内容」という意味を持つ「〃」は?
⇒「ノノ点(ののてん)」(ノの字点、同じく記号、同じく、ちょんちょんなどとも)
- 「つなぎ符号」の一つで、点が橫に三つ続く「…」は?
⇒「三点リーダー(さんてんリーダー)」(三点リーダ、三連ドット、三連点、てんてんなどとも)
- 「しるし物」ともいわれる「目印・装飾類」の一つで、この記号は? ⇒ 「〓」
⇒「下駄(げた)」(げた記号、伏せ字とも)
〔Webページなどで、表示できない文字の代わりに入れておく記号。〔草〓剛(〓は弓+前に刀)〕など。もともと活版印刷の校正刷りで活字が見つからない場合に仮に入れておくために使われた〕
- 「しるし物」ともいわれる「目印・装飾類」の一つで、この記号は? ⇒ 「¶」
⇒「パラグラフ」(段落記号、段落標、段標、ピルクロウ、参照符号とも)
- 「しるし物」ともいわれる「目印・装飾類」の一つで、この記号は? ⇒ 「〽
⇒「庵点(いおりてん)」(歌記号、歌符号、歌引っ掛けとも)
〔能楽などの台本で演じ手が代わる冒頭に置く。また、文章中の歌詞を表すためなどにも使われる〕
- 出版物などに見られるこの記号は? ⇒ 「©」
⇒「著作権表示記号」(著作権記号、著作権マーク、著作権、丸C(まるシー)、 コピーライト、コピーライトサイン、コピーライトシンボル、コピーライト記号などとも)
- 商品などに見られるこの記号は? ⇒ 「®」
⇒「登録商標記号」(登録商標、丸R(まるアール)、レジスト記号、レジスタードマーク、レジスターマーク、レジスタードサイン、レジストレーションシンボルなどとも)
- 商品などに見られるこの記号は? ⇒ 「™」
⇒「商標記号」(商標、TM記号、TMマーク、トレードマーク、トレードマークサインなどとも)
- 手紙の差出人の末尾に使用されたりする 「ゟ」の読み方は?
⇒ 「より」
〔平仮名の「よ」と、平仮名の「り」を組み合わせた合字〕 坂本龍馬 「坂本龍馬手帳摘要」:右泉口米津ゟ乗船。(中略)桂小五郎山口ゟ来ル。 三遊亭圓朝 鈴木行三校訂 「鹽原多助一代記」:これは妙だ、名が書いてある……多助どのへおさく
ゟ……アハハヽこれでは丸で附文のようだ 宮本百合子 「街」:アナタノトヨ子ゟ
- 「冷やし中華あり〼」などと使われる 「〼」の読み方は?
⇒ 「ます」(記号名としては、枡記号(ますきごう)、枡形とも)
〔枡の形を図案化した紋所に由来し、丁寧語の助動詞の「ます」に当てる〕 宮本百合子 「農村」:よく見世物の小屋に立って居る様な幟りに「歳暮大売出し」「大々的すて売り」「上等舶来、手袋有〼」などと書いたのがバタバタ云って居る。
- 「人々」などのように繰り返しに使われる 「々」の名称は?
⇒ 「同の字点(どうのじてん)」(繰り返し符号、繰り返し記号、漢字返し、漢字送り、ノマ点、おなじ、くりかえしなどとも)
〔由来は、漢字の「〻(二の字点)」や、漢字の「同」の異体字の「仝(どう)」が変化したなどがあるが、これは漢字ではなく符号の一つで、漢字としての読み方は持たない〕
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お猪口の底に書いてあることのある、二重丸の中を塗りつぶした青色の輪の模様、「◉」の名称は?
⇒ 「蛇の目」
〔濁りをみるために底に青色の蛇の目の模様を入れたもので、「蛇の目猪口」「利き猪口」とも〕
- 夏に、バスやタクシーの運転手などがかぶる制帽の上をおおう白い布は?
⇒「日覆い(ひおい・ひおおい)」
- 背広の襟の上の方に開いている穴は?
⇒「フラワーホール」(襟穴、ラペル穴、ラペルボタンホールなどとも)
〔背広は立襟から変化したといわれ、立襟の時の第一ボタンの名残で、記章、ラペルピン、花などを挿すために使われる〕
- 子供が大事に育てられることを表す「乳母日傘」の読み方は?
⇒「おんばひがさ」(「おんばひからかさ」とも)
〔この場合、「乳母」を「うば」とは読まない。とても恵まれた環境で大事に育てられることの意で、江戸時代の文献には『今の世、賤しき者の人に誇るに、お乳母日傘にて育ちたる者ぞと云う諺あり(骨董集)』などとあるが、現在は「過保護」と揶揄することに使われることが多い。辞典によっては「過保護」のみをその意としているものもある〕 ≫≫ 参考:「乳母日傘」という言葉
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