「書き終わり・結び」

 「書き終わり・結び」 <作家別・ら行>

『ら行』の「書き出し」を見る
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  使い方と説明
  • 下の枠の番号や作家名、作品名などをクリックすると、表示されている作家の作品が出たり消えたりします。
  • 主に明治・大正から昭和初期の作家の、日本文学を主とする著名な作品の「書き出し」と「書き終わり・結び」を収録しました。一部翻訳文も含まれます。
  • 詩集や、段などで書かれている作品は、初めの一編(一段、一作など)と最後の一編(一段、一作など)を「書き出し」「書き終わり・結び」として示しました。小説や随筆などにおける「書き出し」「書き終わり・結び」とはやや趣が異なります。
  • このページでは、『作家別・ら行』の作品の「書き終わり・結び」、つまり作品の最後の部分を表示します。
  • 「書き出し」は別のページで見ることができます。「書き出しを見る」をクリックしてください。
  • 「インターネット電子図書館 青空文庫 」からの引用がかなりの割合を占めます。引用したサイトがある場合、それぞれの作品の原文へのリンクを設けました。
1.魯迅 「阿Q正伝」 井上紅梅訳  

 当時の影響からいうと最も大影響を受けたのは、かえって挙人老爺であった。それは盗られた物を取返すことが出来ないで、うちじゅうの者が泣き叫んだからだ。その次に影響を受けたのは趙家であった。秀才は城内へ行って訴え出ると、革命党の不良分子に辮子を剪られた上、二万文の懸賞金を損したのでうちじゅうで泣き叫んだ。その日から彼等の間にだんだん遺老気質が発生した。
 輿論の方面からいうと未荘では異議が無かった。むろん阿Qが悪いと皆言った。ぴしゃりと殺されたのは阿Qが悪い証拠だ。悪くなければ銃殺されるはずが無い! しかし城内の輿論はかえって好くなかった。彼等の大多数は不満足であった。銃殺するのは首を斬るより見ごたえがない。その上なぜあんなに意気地のない死刑犯人だったろう。あんなに長い引廻しのうちに歌の一つもうたわないで、せっかく跡に跟いて見たことが無駄骨になった。
(一九二一年十二月)

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Last updated : 2024/06/28