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■ 使い方と説明
- 下の枠の番号や作家名、作品名などをクリックすると、表示されている作家の作品が出たり消えたりします。
- 主に明治・大正から昭和初期の作家の、日本文学を主とする著名な作品の「書き出し」と「書き終わり・結び」を収録しました。一部翻訳文も含まれます。
- 詩集や、段などで書かれている作品は、初めの一編(一段、一作など)と最後の一編(一段、一作など)を「書き出し」「書き終わり・結び」として示しました。小説や随筆などにおける「書き出し」「書き終わり・結び」とはやや趣が異なります。
- このページでは、『作家別・わ行』の作品の「書き終わり・結び」、つまり作品の最後の部分を表示します。
- 「書き出し」は別のページで見ることができます。「書き出しを見る」をクリックしてください。
- 「インターネット電子図書館 青空文庫 」からの引用がかなりの割合を占めます。引用したサイトがある場合、それぞれの作品の原文へのリンクを設けました。
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1.若松賤子 「忘れ形見」
これからあと 直に、徳蔵おじはお 暇を願って、 元と出た自分の国へ引込みました。徳蔵おじはモウ年が寄って、 故郷を離れる事が出来ないので、七年という実に面白い気楽な生涯をそこで送り、 極おだやかに往生を 遂る時に、僕をよんで、これからは兼て 望の通り、船乗りになっても 好といいました。僕は望が 叶たんだから、嬉しいことは嬉しいけれど、ここを離れて行くとなると何だか 心残です。ですが僕はこんなに気楽には見えてもあのように終りまで心にかけて、僕のようなものの行末を案じて下すった奥さまに対して、 是非清い勇ましい人物にならなくッてはならないと、始終考えているんです。
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Last updated : 2024/06/28