《目次》
単位の漢字一覧
1.長さ・距離
2.広さ・面積
3.体積・容積
4.重さ・質量
5.温度
6.尺貫法
7.通貨
8.その他
明治26年施行「度量衡法」
作品に見る単位の漢字
尺貫法が用いられてきた日本において、最初に本格的にメートル法が紹介されたのは、安政2年〈1855年〉の「西洋度量考 」によるとされています。その後、明治26年〈1893年〉に施行された「度量衡法 」で尺貫法と併用する形でメートル法が導入され、その単位に漢字が当てられました。明治32年〈1899年〉に出版された「度量衡制度詳解 」ではその漢字(記号字)や制度が解説されています。
「メートル・グラム・リットル」などには、これまであった「米・瓦・立」などの漢字が当てられましたが、ミリメートルやセンチメートルなどには新たな漢字が作られました。
メートル法に関する単位の漢字は、「粆・粍・糎・粉・米・籵・粨・粁・竗・竓・竰・竕・立・竍・竡・竏・瓱・甅・瓰・瓦・瓧・瓸・瓩・瓲」などで、多くが国字と呼ばれる和製の漢字です。
長さ
偏 ( へん ) はメートルの「米」
旁 ( つくり )
は「少毛厘分十百千」
漢字
記号
単位名称
米
m
メートル
粆
µm
マイクロメートル
粍
mm
ミリメートル
糎
cm
センチメートル
粉
dm
デシメートル
籵
dam
デカメートル
粨
hm
ヘクトメートル
粁
km
キロメートル
体積
偏 ( へん ) はリットルの「立」
旁 ( つくり )
は「少毛厘分十百千」
漢字
記号
単位名称
立
L
リットル
竗
µL
マイクロリットル
竓
mL
ミリリットル
竰
cL
センチリットル
竕
dL
デシリットル
竍
daL
デカリットル
竡
hL
ヘクトリットル
竏
kL
キロリットル
重さ
偏 ( へん ) はグラムの「瓦」
旁 ( つくり ) は「毛厘分十百千屯」
漢字
記号
単位名称
瓦
g
グラム
瓱
mg
ミリグラム
甅
cg
センチグラム
瓰
dg
デシグラム
瓧
dag
デカグラム
瓸
hg
ヘクトグラム
瓩
kg
キログラム
瓲
t
トン
また、日本では外来の言葉に漢字を当てることが盛んに行われ、特に地名においては顕著で、その主なものは「アメリカ=亜米利加・米利堅」「イギリス=英吉利」「フランス=仏蘭西」などがあり、現在でも「米」「英」「仏」などと省略した形で使われます。
度量衡においては、ヤード・ポンド法などの単位にも多くの漢字が当てられ、また、通貨などにも漢字が当てられました。
ここでは、単位の漢字が登場する文芸作品などを見てみます。
1.長さ・距離
単位(メートル法)
記号
漢字
マイクロメートル(micrometer) µm μm 粆
ミリメートル(millimetre)
mm ㎜ ㍉ 粍
《参考》宮沢賢治「手紙 三」
また、
普通 ( ふつう ) の
顕微鏡 ( けんびきょう ) で見えないほどちいさなものでも、ある
装置 ( そうち ) を
加 ( くわ ) えれば、
約 ( やく ) 〇、〇〇〇〇〇五
粍 ( ミリ ) くらいまでのものならばぼんやり光る点になって
視野 ( しや ) にあらわれその
存在 ( そんざい ) だけを
示 ( しめ ) します。
《参考》中谷宇吉郎「雪」
即ち平面樹枝結晶は直径一・五
粍 ( ミリ ) 位のものから五粍位までのものについて測定されたのであるが、その落下速度はどれも一秒間に三十
糎 ( センチ ) 位である。
《参考》小栗虫太郎「地虫」
君、少々講義めくがね、これでも、前の商売のことは、いくらか憶えている。それによると、四百
米 ( メートル ) の速力で、厚さ五
粍 ( ミリ ) の護謨板を射撃したとき、そこには、わずか帽子ピンほどの孔しか明かなかった。
《参考》海野十三「科学者と夜店商人」
それに鵜烏は浮かんでいるかと思うと、
忽 ( たちま ) ちサッと姿を没するほど運動は急激に行われるから、そのためには気圧は一瞬間に何十
粍 ( ミリ ) という急角度の変動を必要とする。それは常識で考えても、又気象報告を調べても有り得べきことではない。
センチメートル(centimetre)
cm ㎝ ㌢ 糎・珊・珊米突
《参考》甲賀三郎「琥珀のパイプ」
水銀柱を利用したのは驚くべき考案です。直径一
糎 ( センチメートル ) の硝子管、丁度この破片位の硝子管をU字形にまげて、一端を閉じ、傾けながら他の一端から徐々に水銀を入れて、閉じた方の管全部を水銀で充たします。
《参考》中谷宇吉郎「雪」
即ち平面樹枝結晶は直径一・五
粍 ( ミリ ) 位のものから五粍位までのものについて測定されたのであるが、その落下速度はどれも一秒間に三十
糎 ( センチ ) 位である。
《参考》夏目漱石「吾輩は猫である」
迷亭一流の
喩 ( たとえ ) をもって寒月君を評すれば彼は活動図書館である。智識をもって
捏 ( こ ) ね上げたる二十八
珊 ( サンチ ) の弾丸である。
《参考》内田魯庵「犬物語」
之には嬢様も閉口なすつたやうだ。
対手 ( あひて ) が
名代 ( なだい ) の
千枚張 ( せんまいばり ) だから大抵な三十
珊 ( さんち ) では中々貧乏揺ぎもしない困り物だ。
デシメートル(decimetre) dm 粉
メートル(metre)
m ㍍ 米・米突
《参考》原民喜「夏の花」
私達の寝転んでいる場所から二
米 ( メートル ) あまりの地点に、葉のあまりない桜の木があったが、その下に女学生が二人ごろりと横わっていた。
《参考》薄田泣菫「茶話 大正六(一九一七)年」
ミラボーが子供の時、ある貴族の運動会へ出掛けて往つて、何
米突 ( メートル ) かの徒歩競走に第一着を取つた事があつた。
《参考》夢野久作「ココナットの実」
ハラムは印度人の
中 ( うち ) でも図抜けの大男だった。背の高さが二
米突 ( メートル ) ぐらいあって左右の腕が日本人の
股 ( もも ) とおんなじ大きさをしていた。
《参考》小島烏水「火と氷のシャスタ山」
あたかも日本最高の富士山が、久しく信ぜられていた三七七八
米突 ( メートル ) という高さが、最近実測の結果、たとい二
米突 ばかりにしてもかえって減少して、いよいよ台湾の
新高山 ( にいたかやま ) の下位に落ちたように
デカメートル(decametre) dam 籵
ヘクトメートル(hectometre) hm 粨
キロメートル(kilometre)
km ㎞ ㌖
粁・基米・基米突
《参考》レオン・ワルラス/手塚壽郎訳「純粋経済学要論上巻」
パリを西北に百
粁 ( キロメートル ) ほど隔てるエヴルー(Evreux)の町に、オーギュスト・ワルラス(Antoine-Auguste Walras)を父として生れた。
《参考》今村明恒「地震の話」
その大 ( おほ ) きさは半徑 ( はんけい ) 二千七百粁 ( にせんしちひやくきろめーとる ) の球 ( きゆう ) であることが推定 ( すいてい ) せられて來 ( き ) た。
これを
絶對 ( ぜつたい ) にいふならば
幾里 ( いくり ) ・
幾十粁 ( いくじゆうきろめーとる ) といふ
程度 ( ていど ) のものである。
《参考》夢野久作「戦場」
やがて二
基米 ( キロメートル ) も来たと思う頃、半月の真下に見えていた村落の廃墟らしい処に辿り付いた。
《参考》上田敏「牧羊神」
冬だ、冬だ、
霜枯時 ( しもがれどき ) だ。
霜枯 ( しもがれ ) は
幾基米突 ( いくきろめえとる ) に亘る鬱憂を逞しうして
人 ( ひと ) つ
子 ( こ ) ひとり通らない
街道 ( かいだう ) の電線を腐蝕してゐる。
単位(ヤード・ポンド法)
記号
漢字
インチ(inch)
in " ㌅
吋・英寸・応
《参考》海野十三「不沈軍艦の見本 ――金博士シリーズ・10――」
「本当でございますか、それは……あのう、十六吋の砲弾、いや十八吋の砲弾、二十
吋 ( インチ ) の砲弾をうちこまれても沈まないのですぞ」
《参考》橘外男「令嬢エミーラの日記」
……そして見上げるようなゴリラの身長は七
呎 ( フィート ) 三
吋 ( インチ ) 、北西バンバデンガ境ムーラ河のほとりで深い陥し穴の中へ落ちていたのを、十四、五人の死傷者を出してやっと
生獲 ( いけどり ) したのだということであった。
フィート(feet)
ft ′ ㌳
呎・英尺・弗篤
《参考》若山牧水「みなかみ紀行」
「二度上」という駅名が見え、海抜三八〇九
呎 ( フィート ) と書いた棒がその側に立てられてあった。
《参考》橘外男「令嬢エミーラの日記」
……そして見上げるようなゴリラの身長は七
呎 ( フィート ) 三
吋 ( インチ ) 、北西バンバデンガ境ムーラ河のほとりで深い陥し穴の中へ落ちていたのを、十四、五人の死傷者を出してやっと
生獲 ( いけどり ) したのだということであった。
ヤード(yard)
yd ㍎
碼
《参考》中島敦「光と風と夢」
此の高い塀は、其処から二十
碼 ( ヤード ) ばかり行くと切れていて、その向うには、どうやら薄黄色い光が流れているらしい。
《参考》小栗虫太郎「潜航艇「鷹の城」」
まず、第一の魚雷を発射したのであった。そうして、再び潜行し、今度は入江の鼻――距離約二千
碼 ( ヤード ) とおぼしいあたりから、とどめの二矢を火焔めがけて射ち出したのである。
マイル(mile)
mil ㏕、mi ㍄
哩・英里
《参考》中島敦「光と風と夢」
一年の後、何千
哩 ( マイル ) 隔てた海と陸の彼方で、息子が五十
仙 ( セント ) の昼食にも事欠きながら病と闘っていることを
人伝 ( ひとづて ) に聞いたトマス・スティヴンスン氏は、
流石 ( さすが ) に堪えられなくなって、救の手を差しのべた。
《参考》杉村楚人冠「大英遊記 前記 伯林瞥見記」
ワルシャワから
莫斯科 ( モスコー ) までは、
里程 ( りてい ) 八百十三
哩 ( マイル ) 。
午前 ( ごぜん ) 十
時 ( じ ) 五
分 ( ふん ) に
出 ( で ) て、
翌日 ( よくじつ ) の
午後 ( ごご ) 二
時 ( じ ) に
着 ( つ ) いた。
《参考》徳富蘇峰「将来の日本」
けだしリギ線路は頂上に達するただ四
英里 〔ルッツェルン湖水面より高きこと四五〇〇フィート〕なりといえども、その間巨巌突出して
鋸牙 ( きょが ) のごとくもっとも嶮絶となす。また地中鉄道のもっとも著明なるものはロンドンのメトロポリタン鉄道にしてその費用一ヤード六百ポンドなりき。また地形の嶮なるにあらずして大いに費やしたるはニューヨーク
高鉄道 ( イレベーテットレイルウェー ) これなり。この鉄道は軌道を屋上に架し、諸人の雲集せる繁昌地を進行し、その状あたかも空中を馳するに異ならず。しかしてこれに乗るところの旅客は毎月二百万人に下らざるなり。しかれどもその事業を起こすに非常の出費を要し、一
英里 およそ七万八〇〇〇ポンドの巨額をなせり。近時プロシア国ベルリン府の大博士シーメンス氏は電気を用いてこれと同様なる線路を築造せんと企てたり。
鉄道を敷設してもって行旅の便に共せしは一八二五年ストックトンよりダーリントン〔ともに英の地名〕の間に開きたるものをもって
嚆矢 ( こうし ) とす。過去三十年間にわが工師の世界各地に敷築せし鉄道十万
英里 に及びその費用は一八億万ポンドの巨額を致す。
《参考》本庄陸男「石狩川」
ツガルの海は風が無くても波が高い。潮の流れが東と西から押しよせて、逆立ちあって、崩れて、休みなしに騒いでいる。風向の定まらぬ季節のかわり目には、馴れた船頭も首をひねった。その難路も乗りきったのだ。ハコダテの港から三陸の海に出て、彼らの上陸地たる荻の浜までおよそ二百六十
英里 。そう運用方の乗組み士官に聞かされた。
尻矢 ( しりや ) の岬で不動白色の六角燈をみとめた彼らは、もはや両三日の距離にせまった郷里をまぶしく思い浮べていた。
チェーン(chain)
鎖・鏈
リンク(link)
節
2.広さ・面積
単位(メートル法)
記号
漢字
平方ミリメートル
mm2
平方粍
平方センチメートル
cm2
平方糎
平方メートル
m2 ㎡
平方米・平米 (へいべい)
平方キロメートル
km2
平方粁
センチアール(centiare)
ca
・𡪸 ・
アール(are)
a ㌃
安・亜・亜爾
ヘクタール(hectare)
ha ㏊ ㌶
・ ・獘屈跢列
単位(ヤード・ポンド法)
記号
漢字
エーカー(acre)
ac ㌈
噎・英町・英加
《参考》谷譲次「踊る地平線 テムズに聴く」
自動車は五
志 ( シリン ) かそこらでそとへ
預 ( パアク ) しておくことも出来るが、私たちは、青年ブリグスがこすく立ち廻った結果、大観覧席のすぐまえ、コウスに近いところへ割り込んで行って、車に乗ったまま見物することになった。すると、どこからともなく一人の女が切符をもって場所代を取りにくる。一
磅 ( ポンド ) というのをこれはナオミ・グラハム夫人が十五志に値切り倒したが、これらの人は、競馬のときだけエプソム・ダウンのコウスに沿った何
英町 という
土地 ( ラット ) を細ぎりに借りて、当日じぶんの借地へ自動車がとまるのを待って一車一日いくらと徴収し、多くはそれで一年の生計を立てているのだ。
《参考》相馬泰三「新らしき祖先」
右は一つには
苺作 ( いちごさく ) が耕すに
易 ( やす ) く比較的利益多きところより
権 ( ごん ) も八も植付に急なりし結果当××市郊外のみにて約三千
英加 ( エーカー ) といふ苺畑出来候為め産出過多加ふるに今回の経済界の大恐惶に出会ひし事とて実際話しにならず候。余は幸ひ苺作には力を入れ
居 ( を ) らざりし為め
左程 ( さほど ) にも
無之候 ( これなくさふら ) へども、目下のところ五百
弗 ( ドル ) 程の負債出来奮闘真最中に候。
3.体積・容積
単位(メートル法) 記号 漢字
マイクロリットル(microlitre)
µL ㎕
竗
ミリリットル(millilitre)
mL ㎖ 竓
センチリットル(centilitre)
cL 竰
デシリットル(decilitre)
dL ㎗ 竕
リットル(litre)
L ℓ ㍑
立・竔・立脱耳
《参考》甲賀三郎「血液型殺人事件」
私は鉛筆と紙を出して、ザッと計算して見た。毛沼博士の寝室は大体十二畳位だったから、十二尺に十八尺とし、天井の高さを十尺とすると、部屋の容積は約二千二百立方尺になる。瓦斯ストーブの噴出量はハッキリ分らないが、あれ位のものでは、私が経験した所によると、最大一分五
立 ( リットル ) を出ないと思う。すると一時間に三〇〇立になり、約十立方尺である。仮りに毛沼博士の死が夜中の一時に起ったとしても、噴出時間は最大二時間半で、二十五立方尺である。
《参考》久生十蘭「ノンシャラン道中記 八人の小悪魔」
もし牛乳がお入用ならば、毎朝
一立 ( アン・リットル ) ずつ扉のそとへ置いとくつもりであること。これはぜひ一度ご試飲を願って、そのあとで、お断わりになるなり、お用いになるなりなさるのが至当であって、何故ならば、この島の牛どもが喰べる
苜蓿 ( うまごやし ) は塩気を含んでいるため、勢い牛乳も多少の塩味があるというので評判であること。
デカリットル(decalitre)
daL 竍
ヘクトリットル(hectolitre)
hL 竡
キロリットル(kilolitre)
kL ㎘ 竏
立方ミリメートル
mm3
立方粍
立方センチメートル
cm3
立方糎
立方メートル(cubic metre)
m3 ㎥ 立方米・立米 (りゅうべい)
《参考》今村明恒「地震の話」
崩壞 ( ほうかい ) した
土砂 ( どさ ) の
分量 ( ぶんりよう ) が
大 ( おほ ) きくて、
百米立方 ( ひやくめーとるりつぽう ) 、
即 ( すなは ) ち
百萬 ( ひやくまん ) 立方米 ( りつぽうめーとる ) の
程度 ( ていど ) にもなれば、
斜面 ( しやめん ) を
沿 ( そ ) うて
流 ( なが ) れ
下 ( くだ ) るありさまは、
溪水 ( たにみづ ) が
奔流 ( ほんりゆう ) する
以上 ( いじよう ) の
速 ( はや ) さを
以 ( もつ ) て
馳 ( は ) せ
下 ( くだ ) るのである。
《参考》中谷宇吉郎「雪」
同じ一
立方米 の空気でも温度が高いほど多量の水蒸気を含むことが出来るからである。例えば温度が十五度の時は水蒸気を含み得るだけ含んだとしても十二瓦八ばかりであるが、三十度の時には約三十瓦四も含むことが出来るのである。
立方キロメートル
km3
立方粁
《参考》今村明恒「火山の話」
但 ( たゞ ) し
櫻島 ( さくらじま ) はかういふ
大噴火 ( だいふんか ) を
百年 ( ひやくねん ) 或 ( あるひ ) は
二三百年 ( にさんびやくねん ) の
間隔 ( かんかく ) を
以 ( もつ ) て
繰返 ( くりかへ ) すので、
隨 ( したが ) つて
鎔岩 ( ようがん ) の
流出量 ( りゆうしゆつりよう ) も
多 ( おほ ) く、
前回 ( ぜんかい ) の
場合 ( ばあひ ) は
一 ( いち ) ・
六 ( ろく ) 立方粁 ( りつぽうきろめーとる ) と
計算 ( けいさん ) せられてゐるが、エトナは
西暦 ( せいれき ) 千八百九年 ( せんはつぴやくくねん ) 乃至 ( ないし ) 千九百十一年 ( せんくひやくじゆういちねん ) の
十回 ( じつかい ) に
於 ( おい ) て
合計 ( ごうけい ) 〇・六一
立方粁 ( りつぽうきろめーとる ) しか
出 ( だ ) してゐない。
単位(ヤード・ポンド法)
記号
漢字
パイント(pint)
pt, p
吧・哈
クォート(quart)
呏
ガロン(gallon)
gal ㌎
呏・哦・瓦侖
ブッシェル(bushel)
bsh., bu.
嘸・嘝
4.重さ・質量
単位(メートル法)
記号
漢字
ミリグラム(milligram)
mg 瓱
《参考》中谷宇吉郎「雪」
基零度以下の気温の所でも雪の結晶は昇華作用でどんどん蒸発して小さくなるものであるし、それに一つの結晶の目方は百分の一
瓱 ( ミリグラム ) 程度の恐ろしく少いものである。
センチグラム(centigram) cg 甅
デシグラム(decigram) dg 瓰
グラム(gram) g
瓦・瓦蘭姆・瓦羅牟
《参考》高村光太郎「智恵子抄」
翌七年はロザンゼルスでオリムピツクのあつた年であるが、その七月十五日の朝、彼女は眠から覚めなかつた。前夜十二時過にアダリンを服用したと見え、粉末二五
瓦 ( グラム ) 入の
瓶 ( びん ) が空になつてゐた。彼女は童女のやうに円く肥つて眼をつぶり口を閉ぢ、寝台の上に
仰臥 ( ぎようが ) したままいくら呼んでも揺つても眠つてゐた。
《参考》久坂葉子「落ちてゆく世界」
今日父に五十
瓦 ( グラム ) の輸血をしてあげて、交換にもらった五百円のその現金で買って来た李朝の皿のことで一ぱいでした。
《参考》海野十三「鞄らしくない鞄」
人形がちょうどラジウム二百
瓦 ( グラム ) の容器の上に来たとき、放射線の強さは最大となるから、そのとき悪漢一味は電波を出して、あの靴の下に仕掛けた浚渫機を働かせる。つまりごっそりと、ラジウムの容器を、あの浚渫機の
爪 ( つめ ) の間にさらえ込むのさ
デカグラム(decagram) dag 瓧
ヘクトグラム(hectogram) hg 瓸
キログラム(kilogram)
kg ㌕ 瓩・基
《参考》野村胡堂「身代りの花嫁」
頭の上の大電灯の笠――
摺硝子 ( すりガラス ) に切子細工の飾を付けた、何
瓩 ( キログラム ) とも知れぬのが、恐しい勢で頭の上へ落ちて来たのでした。
《参考》小酒井不木「人工心臓」
人体は体重一
瓩 ( キログラム ) について一日二グラムの蛋白質があればよいという計算をした人がありますが、若し肺臓細胞の全部が窒素固定に従事したならば、それだけ位の栄養分は容易に作りあげるだろうと考えます。
《参考》海野十三「空襲警報」
「ワルトキンよ。貴隊は
犬吠崎 ( いぬぼうさき ) 附近から陸上を東京に向かい、工業地帯たる
向島 ( むこうじま ) 区、
城東 ( じょうとう ) 区、
本所 ( ほんじょ ) 区、
深川 ( ふかがわ ) 区を空襲せよ。これがため一
瓩 ( キログラム ) の焼夷弾約四十トンを
撒布 ( さっぷ ) すべし!」
トン(tonne) t
瓲・屯・噸・仏噸・敦
《参考》海野十三「獏鸚」
金庫の中には財宝は一つも残っていなかった。そして中には、実に私たちの予想だにしないものが入っていた。何?
それは
瓲 ( トン ) 数で云って、三
瓲 あまりの大爆薬が入っていた。この思い
懸 ( が ) けない遺留品には、金庫を
覗 ( のぞ ) きこんだ係官たちも、「呀ッ」といって一斉に出口に逃げだしたほどだった。
《参考》海野十三「地中魔」
不思議だ、不思議だ。金貨が重さで一
瓲 ( トン ) 半もあるというのが、姿を消して一枚も残っていなかった。あの厳重な警戒網を誰が抜けることができたろう。
《参考》梅崎春生「腹のへった話」
花蓮港というのは東海岸にあり、東海岸は切り立った断崖になっている関係上、その頃まだ道路が通じてなく、
蘇澳 ( そおう ) から船便による他はなかった。その船も二、三百
屯 ( トン ) 級の小さな汽船で、花蓮港に
碇泊 ( ていはく ) してハシケで上陸するのである
《参考》芥川龍之介「河童」
「これですか? これは驢馬の脳髄ですよ。ええ、一度乾燥させてから、ざつと粉末にしただけのものです。時価は一
噸 ( とん ) 二三銭ですがね。」
《参考》與謝野寛、與謝野晶子「巴里より」
当地では石炭の
出入 ( しゆつにふ ) に桟橋費一
噸 ( とん ) につき三十五銭取られる如き費用を要するのを
彼 ( かれ ) に
於 ( おい ) ては一切省略しようとするのだ
相 ( さう ) である。
《参考》太宰治「佐渡」
おけさ丸。総
噸 ( トン ) 数、四百八十八
噸 。旅客定員、一等、二十名。二等、七十七名。
《参考》薄田泣菫「茶話 大正六(一九一七)年」
日本人で一万
噸 ( トン ) 以上の船に乗つたのは、この郡氏が最初だといふ事だ。
《参考》海野十三「地中魔」
「地下鉄会社が買入れた
独逸 ( ドイツ ) 製の穴掘り機械だ。地底の機関車というやつだ。三
噸 ( トン ) もある重い機械が
綺麗 ( きれい ) になくなってしまったんだ」
単位(ヤード・ポンド法)
記号
漢字
グレーン(grain)
gr
喱
オンス(ounce)
oz ℥
啢・隠斯
ポンド(pound、pond)
lb
听・封度・封・英听・英斤・洋斤・封土
《参考》デイヴィド・リカアドウ 吉田秀夫訳「経済学及び課税の諸原理」
第一等、第二等、及び第三等の質の鉱山が採掘されており、そして各々一〇〇、八〇、及び七〇
封度 ( ポンド ) の重量の金を生産し、従って第一等鉱山の地代は三十
封度 ( ポンド ) であり、第二鉱山のそれは十
封度 ( ポンド ) であると仮定せよ。
トン(ton)
t
瓲・屯・噸 上記「トン」参照
5.温度
単位
記号
漢字
Fahrenheit ファーレンハイト度
°F
華氏・華氏度・華氏温度・カ氏・カ氏度
Celsius セルシウス度
°C
摂氏・摂氏度・摂氏温度・セ氏・セ氏度
6.尺貫法での漢字
「
度量衡法 」(
公布文書 )
1891年〈明治24年〉3月24日公布、1893年〈明治26年〉1月1日施行
第三條 度量衡ノ名稱命位ヲ定ムルコト左ノ如シ
度
毛
尺ノ萬分ノ一
厘
尺ノ千分ノ一
分
尺ノ百分ノ一
寸
尺ノ十分ノ一
尺
丈
十尺
間
六尺
町
三百六十尺(六十間)
里
一萬二千九百六十尺(三十六町)
地積
勺
歩ノ百分ノ一
合
歩ノ十分ノ一
歩 或ハ 坪
六尺平方
畝
三十歩
段
三百歩
町
三千歩
量
勺
升ノ百分ノ一
合
升ノ十分ノ一
升
六萬四千八百二十七立方分
斗
十升
石
百升
衡
毛
貫ノ百萬分ノ一
厘
貫ノ十萬分ノ一
分
貫ノ萬分ノ一
匁
貫ノ千分ノ一
貫
斤
百六十匁
7.通貨
国名
単位
記号
漢字
アメリカ
(米)
ドル(dollar)
$ ㌦
弗
《参考》夏目漱石「満韓ところどころ」
汽車が動き出してから、橋本が時間表を眺めながら、おいこの部屋は上等切符を買った上に、ほかに二十五
弗 ( ドル ) 払わなければ
這入 ( はい ) れない所だよと云った。
《参考》芥川龍之介「アグニの神」
亜米利加人は惜しげもなく、三百
弗 ( ドル ) の小切手を一枚、婆さんの前へ投げてやりました。
《参考》井上準之助「金解禁前後の經濟事情」
例 ( たと ) へば
昨年 ( さくねん ) の七
月 ( ぐわつ ) 二
日 ( か ) に
日本 ( にほん ) の
標準生糸 ( へうじゆんきいと ) 百
斤 ( きん ) の
横濱相場 ( よこはまさうば ) は千三百二十
圓 ( ゑん ) であつて、
其 ( そ ) の
日 ( ひ ) の
對米爲替相場 ( たいべいかはせさうば ) は四十四
弗 ( ドル ) 八
分 ( ぶん ) の一であつたから、
米國 ( べいこく ) ではこれが五百八十二
弗 ( ドル ) 四十五
仙 ( セント ) であるが、
其 ( そ ) の
後 ( ご ) 對米爲替相場 ( たいべいかはせさうば ) は
金解禁後 ( きんかいきんご ) の
今日 ( こんにち ) に
於 ( おい ) ては四十九
弗 ( ドル ) 四
分 ( ぶん ) の一に
騰貴 ( とうき ) したから、
若 ( も ) し
今日 ( こんにち ) 日本 ( にほん ) に
於 ( おい ) て
昨年 ( さくねん ) 七
月 ( ぐわつ ) 二
日 ( か ) と
同 ( おな ) じ千三百二十
圓 ( ゑん ) の
相場 ( さうば ) とすれば、これは六百五十
弗 ( ドル ) 十
仙 ( セント ) に
相當 ( さうたう ) するので、
《参考》新渡戸稲造「教育の目的」
十五歳になれば五十仙取れる、二十歳になるとズット進んで一
弗 ( ドル ) も取れるようになる。
《参考》中谷宇吉郎「原子爆弾雑話」
とりあえず設備費として十万円くらいは出してもいいということである。今度のアメリカの原子爆弾の研究費二十億
弗 ( ドル ) と
較 ( くら ) べては恥ずかしい話であるが、当時の
我国 ( わがくに ) としてはそれでも破天荒なことであった。
セント(cent)
¢ ㌣
仙・先土・占土
《参考》井上準之助「金解禁前後の經濟事情」
例 ( たと ) へば
昨年 ( さくねん ) の七
月 ( ぐわつ ) 二
日 ( か ) に
日本 ( にほん ) の
標準生糸 ( へうじゆんきいと ) 百
斤 ( きん ) の
横濱相場 ( よこはまさうば ) は千三百二十
圓 ( ゑん ) であつて、
其 ( そ ) の
日 ( ひ ) の
對米爲替相場 ( たいべいかはせさうば ) は四十四
弗 ( ドル ) 八
分 ( ぶん ) の一であつたから、
米國 ( べいこく ) ではこれが五百八十二
弗 ( ドル ) 四十五
仙 ( セント ) であるが、
其 ( そ ) の
後 ( ご ) 對米爲替相場 ( たいべいかはせさうば ) は
金解禁後 ( きんかいきんご ) の
今日 ( こんにち ) に
於 ( おい ) ては四十九
弗 ( ドル ) 四
分 ( ぶん ) の一に
騰貴 ( とうき ) したから、
若 ( も ) し
今日 ( こんにち ) 日本 ( にほん ) に
於 ( おい ) て
昨年 ( さくねん ) 七
月 ( ぐわつ ) 二
日 ( か ) と
同 ( おな ) じ千三百二十
圓 ( ゑん ) の
相場 ( さうば ) とすれば、これは六百五十
弗 ( ドル ) 十
仙 ( セント ) に
相當 ( さうたう ) するので、
《参考》新渡戸稲造「教育の目的」
亜米利加では小学校を卒業した者、即ち十歳くらいの子供が何か詰らない仕事をして、一日に十
仙 ( セント ) か八
仙 くらいの賃銭を貰う。
《参考》中島敦「光と風と夢」
一年の後、何千
哩 ( マイル ) 隔てた海と陸の彼方で、息子が五十
仙 ( セント ) の昼食にも事欠きながら病と闘っていることを
人伝 ( ひとづて ) に聞いたトマス・スティヴンスン氏は、
流石 ( さすが ) に堪えられなくなって、救の手を差しのべた。
イギリス
(英)
ペニー(penny)
ペンス(pence)
㌺
片・片尼・片儞・辺尼・便尼・辺士
《参考》中島敦「光と風と夢」
子供の時の最も親しい遊道具だった「一
片 ( ペニイ ) なら無彩色・二
片 ( ペンス ) なら色つき」の紙芝居(それを玩具屋から買って来て家で組立て「アラディン」や「ロビン・フッド」や「三本指のジャック」を自ら演出して遊ぶのだが)の影響であろうか、スティヴンスンの創作は何時でも一つ一つの情景の想起から始まる。
《参考》トマス・ロバト・マルサス 吉田秀夫訳「人口論」
パラスがシベリアにいたとき、これらの肥沃な地方、特にクラスノヤルスクの附近では、食糧品は法外に安かった。一プウドすなわち四十ポンドの小麦粉は約二
片 ( ペニー ) 半で売られ、一頭の牡牛は五、六
志 ( シリング ) 、また牝牛は三、四
志 ( シリング ) で売られた。
シリング(shiling)
㌡ 「/」:シリング記号
(shilling mark)
志・時令・志令・司令
《参考》中島敦「光と風と夢」
初めて
此処 ( ここ ) へ来た頃、召使の給料を六
志 ( シリング ) 減じたら、其の男は直ぐに仕事を止めた。
《参考》久生十蘭「三界万霊塔」
「そんな話は癇にさわるからよせ。三人の懐を合せたって十
志 ( シリング ) もないくせに。無駄な夢は見ないようにしようよ」
《参考》トマス・ロバト・マルサス 吉田秀夫訳「人口論」
パラスがシベリアにいたとき、これらの肥沃な地方、特にクラスノヤルスクの附近では、食糧品は法外に安かった。一プウドすなわち四十ポンドの小麦粉は約二
片 ( ペニー ) 半で売られ、一頭の牡牛は五、六
志 ( シリング ) 、また牝牛は三、四
志 ( シリング ) で売られた。
ポンド(pound)
£ L ㍀
磅・本独 (本独蘇的爾隣觚 /ポンド・スターリングの略として)
《参考》夏目漱石「文芸委員は何をするか」
英国の王家が月桂詩人の称号をスウィンバーンに与えないで、オースチンに年々二、三百
磅 ( ポンド ) の恩給を贈るのは、単に王家がこの詩人に対する好悪の表現と見ればそれまでである。
《参考》芥川龍之介「澄江堂雑記」
Samuel Butler の書いた物によると、彼は日頃「出来の
好 ( い ) い、ちやんと保存された、四十シリング位のレムブラント」を欲しがつてゐた。処が実際二度までも
莫迦 ( ばか ) に安いレムブラントに遭遇した。一度は一
磅 ( ポンド ) と云ふ
価 ( あたひ ) の為に買はなかつたが、二度目には友人の Gogin に
諮 ( はか ) つた上、とうとうそれを手に入れる事が出来た。
《参考》永井荷風「江戸芸術論」
英国の美術館 British Museum は千八百八十二年〈明治十五年〉英貨三千
磅 ( ポンド ) (凡そ我が三万円)を投じてその当時東京帝国医科大学の
雇 ( やとい ) 教師たりし Dr. William Anderson をして
《参考》中島敦「光と風と夢」
ココア栽培で一日十
磅 ( ポンド ) も稼げれば、文学なんか
他人 ( ひと ) に呉れてやってもいいんだが。
《参考》夢野久作「焦点を合せる」
お前さん方は運のいい船に乗り合わせたもんだ。一万
磅 ( ポンド ) 呉 ( く ) れるなら、速力を今よりも五
節 ( ノット ) だけ殖やしてやろう。
フランス (仏)
フラン(franc)
₣ ㌵
法・法朗・仏
《参考》芥川龍之介「骨董羹」
ゴンクウルが日記に云ふ。「この年(千八百八十二年)わが病的なる日本美術品
蒐集 ( しうしふ ) の為に
費 ( つひや ) せし金額、実に三千
法 ( フラン ) に達したり。これわが収入の全部にして、懐中時計を
購 ( あがな ) ふべき四十
法 ( フラン ) の残余さへ
止 ( とど ) めず」と。
《参考》永井荷風「江戸芸術論」
会員は年俸六千
法 ( フラン ) 貨を支給せられ年々新進作家の著作を審査し傑作と認めたるものに対して賞金五千
法 ( フラン ) を贈るといふ。
《参考》新渡戸稲造「教育の目的」
十歳から二十歳まで教育すると、毎月
幾許 ( いくばく ) の金を要する。合計十ヶ年間に幾千
法 ( フラン ) の金がいる。
《参考》原口統三「二十歳のエチュード」
――ボオドレェルが一生に儲けた金は、一万五千八百九十二
法 と六十サンチームだった。
この六十サンチームは、安葉巻二本に変わる、と。
サンチーム(centime)
参
ドイツ (独)
マルク(Mark)
㍆
馬・馬克・麻克・麻耳克・未爾屈
《参考》杉村楚人冠「大英遊記 前記 伯林瞥見記」
賃銭は例の自働装置に依りて、車輪の回転数に従ひ何
馬克 ( マーク ) 何
片 ( ペニヒ )
と乗客の目前に現はれ来る。
《参考》斎藤茂吉「南京虫日記」
いま時、小さい
丸麺麭 ( ゼンメル ) 一つの価は一万五千
麻克 ( マルク ) である。私は大体
好 ( よ ) からうと答へた。上さんいふ。『どうか貧しい
寡婦 ( やもめ ) のためになるべく余計に払つてください』それから、またいふ。『ドクトルは
麦酒 ( ビール ) 一杯二十五万
麻克 ( マルク ) するといふことを御存じでせうねえ。
《参考》斎藤茂吉「日本大地震」
翌日朝食の後、買物をした。教室で使ふ色素、靴墨、ナフタリン、石鹸、揮発油、靴下、針と糸などを買ひ、途中でトランク一つの代価を
訊 ( たづ ) ねると娘店員が来て、zwei milliarden dreimal hundert millionen Mark と云つた。これは二十三億
麻克 ( マルク ) のことである。
《参考》久生十蘭「泡沫の記」
脳量(硬脳膜を除き)一三四九瓦。蜘蛛網膜は両半球に亘って、大部分肥厚し、白濁を呈す。一部、一
馬克 ( マルク )
貨幣大の癒著を起し、胼胝状になり、顱頂骨の対応部は薄紙状に薄痩す。
ペニヒ(Pfennig)
㌸
片
《参考》杉村楚人冠「大英遊記 前記 伯林瞥見記」
賃銭は例の自働装置に依りて、車輪の回転数に従ひ何
馬克 ( マーク ) 何
片 ( ペニヒ )
と乗客の目前に現はれ来る。
《参考》寺田寅彦「喫煙四十年」
ドイツは葉巻が安くて煙草好きには楽土であった。二、三十
片 ( ペニヒ ) で相当なものが吸われた。
馬車屋 ( クッチャー ) や労働者の吸うもっと安い葉巻で、吸口の方に
藁切 ( わらぎ ) れが飛び出したようなのがあったがその方は
試 ( ため ) した事がない。
ロシア (露)
ルーブル(rouble)
留・爾白爾
《参考》石川啄木「我が最近の興味」
『其處にゐる軍人の
外套 ( まんと ) からだに。私いさうだんべと思つて探したら、慥かにはあ四十一
留 ( ルーブル ) と二十
哥 ( コペエク ) ありましただあ。』
《参考》宮本百合子「無題(七)」
ルナチャルスキーがラブ・ファクを終った青年は最も賞讚さるべき勇士だと云った これは本当。三十五
留 ( ルーブル ) 貰い обед が二十八
哥 ( カペイカ ) 、それがつらいのもある。
《参考》谷譲次「踊る地平線 Mrs. 7 and Mr. 23」
彼女らはみんなコルセットに手製のポケットを縫いつけて、そこへ醜業で
獲 ( え ) た三
留 ( ルーブル ) 七十
哥 ( カペイカ ) と一緒に、兵隊達が旧家の客間から盗み出した聖像を押し込んでいるんですもの。
カペイカ(kopeck)
哥
《参考》石川啄木「我が最近の興味」
『其處にゐる軍人の
外套 ( まんと ) からだに。私いさうだんべと思つて探したら、慥かにはあ四十一
留 ( ルーブル ) と二十
哥 ( コペエク ) ありましただあ。』
《参考》宮本百合子「無題(七)」
ルナチャルスキーがラブ・ファクを終った青年は最も賞讚さるべき勇士だと云った これは本当。三十五
留 ( ルーブル ) 貰い обед が二十八
哥 ( カペイカ ) 、それがつらいのもある。
《参考》谷譲次「踊る地平線 Mrs. 7 and Mr. 23」
彼女らはみんなコルセットに手製のポケットを縫いつけて、そこへ醜業で
獲 ( え ) た三
留 ( ルーブル ) 七十
哥 ( カペイカ ) と一緒に、兵隊達が旧家の客間から盗み出した聖像を押し込んでいるんですもの。
メキシコ
(墨) ペソ(peso)
唖
8.その他
単位
記号など
漢字
ダース(dozen)
※ 12(個・本など)のこと
打
グロス(gross)
※ 12ダースのこと
哥
リーム(ream)
※ 紙を数える単位で1,000枚が1連
連・嗹
ピクル(pikul・picul)
※ 中国の尺貫法の重量単位
担(擔)
カラット(carat)
※ 宝石の質量単位 ct, car
加臘多・加刺多
カラット(karat)
※ 金の純度の単位 K, Kt
金
ノーティカルマイル(nautical mile)
M, nm, NM, Nm, nmi
海里・浬
《参考》梶井基次郎「海 断片」
雲とともに変わって行く海の色を
褒 ( ほ ) めた人もある。海の上を行き来する雲を一日眺めているのもいいじゃないか。また僕は君が一度こんなことを言ったのを覚えているが、そういう空想を楽しむ気持も今の君にはないのかい。君は言った。わずか数
浬 ( カイリ ) の遠さに過ぎない水平線を見て、『空と海とのたゆたいに』などと言って
縹渺 ( ひょうびょう ) とした無限感を起こしてしまうなんぞはコロンブス以前だ。
《参考》小林多喜二「蟹工船」
本船は移動することにした。監督は絶えず無線電信を盗みきかせ、他の船の網でもかまわずドンドン上げさせた。二十
浬 ( かいり ) ほど南下して、最初に上げた渋網には、蟹がモリモリと網の目に足をひっかけて、かかっていた。たしかに××丸のものだった。
《参考》大阪圭吉「動かぬ鯨群」
「昨晩お訊ねしたあの釧路丸の最高速度ですね。あれは、確かに十二
節 ( ノット ) ですね?」
「間違いありません」
署長が、気どって云った。
東屋氏は頷きながら、今度は船長へ、
「欝陵島から根室まで、最短距離をとって、八百
浬 ( カイリ ) もありますか?」
ノット(knot)
※ 1時間に1海里進む速さ。 kn, kt
節・浬
《参考》太宰治「佐渡」
おけさ丸。総
噸 ( トン ) 数、四百八十八噸。旅客定員、一等、二十名。二等、七十七名。三等、三百二名。賃銀、一等、三円五十銭。二等、二円五十銭。三等、一円五十銭。
粁程 ( キロてい ) 、六十三粁。新潟出帆、午後二時。
佐渡夷 ( さどえびす ) 着、午後四時四十五分の予定。速力、十五
節 ( ノット ) 。何しに佐渡へなど行く気になったのだろう。
《参考》大阪圭吉「動かぬ鯨群」
「昨晩お訊ねしたあの釧路丸の最高速度ですね。あれは、確かに十二
節 ( ノット ) ですね?」
「間違いありません」
署長が、気どって云った。
東屋氏は頷きながら、今度は船長へ、
「欝陵島から根室まで、最短距離をとって、八百
浬 ( カイリ ) もありますか?」
《参考》夢野久作「焦点を合せる」
つまりエムデンの死に物狂いのスピードが、先ず二十七八
節 ( ノット ) で、三洋丸のギリギリ決着が二十三四
節 ( ノット ) だから、見付かったら最後、物が云えないという
算盤 ( そろばん ) を取ったんだろう。
《参考》夢野久作「難船小僧」
同時に一時間八
浬 ( ノット ) の
経済速度 ( エコノミカルスピード ) の半運転を、モウ一つ半分に落したものだから、七千
噸 ( トン ) の巨体が
蟻 ( あり ) の
匍 ( は ) うようにしか進まなかった。
《参考》牧逸馬「上海された男」
末子 ( ばっし ) で独身のボヘミアンの彼は日本という海図上の一列島に何らの執着をも感じ得なかった。十一
浬 四分一( ノット・クオタア ) の
汽力 ( スチイム ) で船は土佐沖に差掛っているらしかった。
ミル (mil)
mil
密位 (みりい)
キャンドル(candle) カンデラ(candela)
c.
cd
燭・燭光
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