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= 川口の渡し 善光寺 =

《川口の渡し 善光寺》
《翻刻》

川口の渡し 善光寺  岩槻へ出るの往還ありて むかしは こかはぐちといひしとなん 渡し場の北に善光寺あり むかし 定尊といへる沙門霊夢によつて中尊阿弥陀を祷奉り 後に脇士を祷るとなん その霊験きわめて灼然し


《現代表記》
川口かわぐちわたし善光寺ぜんこうじ  岩槻いわつきいずるの往還おうかんありて、むかしは、こかわぐちといいしとなん。渡し場わたしばの北に善光寺ぜんこうじあり。むかし、定尊じょうそんといえる沙門しゃもん霊夢れいむによって中尊ちゅうそん阿弥陀あみだたてまつり、後に脇士きょうじるとなん。その霊験れいげんきわめて灼然いちしかし。

は、「鋳」の誤りかと思われるため、現代表記では「 」とした。鋳るは、鋳造すること。
脇士きょうじ は、本尊の左右に控えている仏像。
*「灼然」は「いやちこ」とも読み、神仏の 利益りやく 、霊験などがあらたかなさまを表す語。また、「しゃくぜん」と読んで、明らかなさま、輝くさまを表す。

*広重は、名所江戸百景     でも「川口のわたし善光寺」として同じ場所を描く。
*説明は、などの意。
*万治は、1658年から1661年。
漢字かな
*この地図の初期設定での中心点は川口の渡し(岩淵の渡し)付近。初期設定の左の地図は関東平野迅速測図と呼ばれる地図で、明治前期の、明治13年〈1880年〉から明治19年〈1886年〉にかけての関東平野。

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Last updated : 2024/06/29