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= 品川 洲崎弁天の祠 芝浦眺望 =

《品川 洲崎弁天の祠 芝浦眺望》
《翻刻》
品川 冽嵜辨天の祠 芝浦眺望  深川にも同名あり 思ふにここには元地なるべし 元来海の出洲なれば 風景はいふに及ばず この後ろは妓楼の正面或ひいは綾羅の袂をかざし 糸竹の音の賑はしきも 岸によせくるささら浪の音に和して いと興あり

《現代表記》
品川しながわ 洲崎弁天の祠すざきべんてんのほこら 芝浦眺望しばうらちょうぼう   深川ふかがわにも同名どうめいあり。思うにここには元地もとちなるべし。元来がんらい海の出洲でずなれば、風景ふうけいはいうに及ばず、このうしろは妓楼ぎろう正面せいめんあるいは綾羅りょうらたもとをかざし、糸竹の音いとたけのねにぎわしきも、きしによせくるささらなみおとして、いときょうあり。

*「深川にも同名あり」とされる通り、江東区深川にも洲崎弁天があり、この品川の弁才天は、現在は利田神社かがたじんじゃ と呼ばれる。深川の洲崎弁天は、第二編で「洲崎弁天」として描かれる。第二編「洲崎弁天」   
出洲でずは、州の突き出た所。砂嘴さし
綾羅りょうら は。 あやぎぬとうすぎぬ。また、美しい衣服。羅綾らりょうとも。
糸竹の音いとたけのねは、三味線や笛などの楽器の音。
*ささらなみは、さざ波。小さな波。細波と書いて「さざれなみ」「さなみ」「さざなみ」などとも。
*説明は、などの意。
*万治は、1658年から1661年。
漢字かな
*この地図の初期設定での中心点は洲崎弁天付近(現在は利田神社かがたじんじゃ)。初期設定の左の地図は関東平野迅速測図と呼ばれる地図で、明治前期の、明治13年〈1880年〉から明治19年〈1886年〉にかけての関東平野。
*迅速測図で、利田新地かがたしんちの地名が確認できる。

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Last updated : 2024/06/29