荒城の月
= 心に響く日本語・心に残る日本語 =
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荒城の月
土井晩翠
一、
春高樓の
花の
宴
めぐる
盃かげさして
千代の
松が
枝わけいでし
昔の
光いまいづこ
二、
秋陣營の
霜の
色
鳴き
行く
雁の
数見せて
植うるつるぎに
照りそひし
昔の
光いまいづこ
三、
今荒城のよはの
月
変らぬ
光たがためぞ
垣に
殘るはただかつら
松に
歌ふはただあらし
四、
天上影は
変らねど
榮枯は
移る
世の
姿
寫さんとてか
今もなほ
鳴呼荒城のよはの
月