『浮世絵・錦絵』 などを見る「目次」 

絵本江戸土産えほんえどみやげ・くずし字を読む
= 上野 山王山眺望 =

《上野 山王山眺望》
《翻刻》
其二 上野 山王山眺望  黒門を入りて右の方 石階を昇れば 山王権現の社あり 荘厳尤善美を尽せり 其地高うして崖に茶店を出す ここより見わたせば遠望神田湯島に劣らず 樹立森々として涼風梢をはらひ 更に夏なきが如し また 雪中の眺望ここに勝るはなし

《現代表記》
其二 上野うえの 山王山さんのうやま 眺望ちょうぼう  黒門くろもんを入りて右のかた石階せきかいを昇れば、山王権現さんのうごんげんやしろあり。荘厳そうごんもっとも善美ぜんびつくせり。其地そのちたこうしてがけ茶店さてんいだす。ここより見渡せば遠望えんぼう神田かんだ湯島ゆしまおとらず、樹立こだち森々しんしんとして涼風りょうふうこずえをはらい、さらに夏なきが如し。また、雪中せっちゅう眺望ちょうぼうここにまさるはなし。

*石階(せきかい・せっかい)は、石で造った階段で、石段のこと。石階は、いしばし、いしのはし、いしのきざはしとも読まれる。
*説明は、などの意。
*万治は、1658年から1661年。
漢字かな
*この地図の初期設定での中心点は山王権現付近。初期設定の左の地図は関東平野迅速測図と呼ばれる地図で、明治前期の、明治13年〈1880年〉から明治19年〈1886年〉にかけての関東平野。

おすすめサイト・関連サイト…

Last updated : 2024/06/29