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= 三囲稲荷 堤より見る図 =

《三囲稲荷 堤より見る図》
《翻刻》
三囲稲荷 堤より見る図  向島の大社なり 隅田川の景色は往々記すによりて ここに贅せず 三囲の雁木より見れば 華表の笠木を堤に置たるがごとし 焉より上りて堤を下れば 田中に大門ありて 倉稲魂を安置す 二月初午及び春時はわきて賑いたに殊也
牛御前

《現代表記》
三囲稲荷 みめくりいなり つつみより見る図  向島むこうじま大社たいしゃなり。隅田川すみだがわ景色けいしょく往々おうおうしるすによりて、ここにぜいせず。三囲みめぐり雁木がんぎより見れば、華表とりい笠木かさぎつつみおいたるがごとし。ここよりあがりて堤をくだれば、田中でんちゅう大門だいもんありて、倉稲魂うがのみたま安置あんちす。二月初午はつうまおよ春時しゅんじはわきてにぎわいだにことなり。
牛御前うしごぜん

華表とりいは、神社の鳥居。かひょう。
倉稲魂うがのみたまは、食物(稲)の霊魂。『古事記』では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、『日本書紀』では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。
*「わきて」は、とりわけ。ことさら。特に。分て・別て。
*左に見える「牛御前うしごぜん」は、現在の「牛島神社」。
*説明は、などの意。
*万治は、1658年から1661年。
漢字かな
*この地図の初期設定での中心点は三囲稲荷付近。初期設定の左の地図は関東平野迅速測図と呼ばれる地図で、明治前期の、明治13年〈1880年〉から明治19年〈1886年〉にかけての関東平野。

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Last updated : 2024/06/29