『浮世絵・錦絵』 などを見る「目次」 絵本江戸土産くずし字目次 国会図書館リンク目次 《参考》くずし字一覧 絵本江戸土産(えほんえどみやげ)・くずし字を読む= 木母寺 梅若塚 = 絵本江戸土産くずし字目次 《木母寺 梅若塚》 《翻刻》 木母寺 梅若塚 隅田川東岸にあり 梅若はつたへていふ むかし 吉田少将の公達 勾引の為に欺かれ ここに来りて死す り人憐みてここに葬り 柳をもつて塚著とす 三月十五日は忌日なるによりて 大念仏供養あり 都鄙老若ここに集ふ 尤この頃 當所の桜爛漫として 名にしおふ芳野龍田も数ならず 故に文人墨客 及び婦女は殊に粧ひ飾りて綾羅の袂をひるかへす 天津乙女の影向に似たり 《現代表記》 木母寺(もくぼじ) 梅若塚(うめわかつか) 隅田川(すみだがわ)東岸(とうがん)にあり。梅若(うめわか)はつたえていう、むかし、吉田少将(よしだしょうしょう)の公達(きんだち)、勾引(かどわかし)の為(ため)に欺(あざむ)かれ、ここに来(きた)りて死す。里人(りじん)憐(あわれ)みてここに葬(ほうむ)り、柳(やなぎ)をもって塚著(つかしるし)とす。三月十五日は忌日(きにち)なるによりて、大念仏供養(だいねんぶつくよう)あり。都鄙(とひ)老若(ろうにゃく)ここに集(つど)う。尤(もっとも)この頃、当所の桜(さくら)爛漫(らんまん)として、名にしおう芳野(よしの)龍田(たつた)も数(かず)ならず。故(ゆえ)に文人(ぶんじん)墨客(ぼっかく)、及び婦女(ふじょ)は殊(こと)に粧(よそお)い飾(かざ)りて綾羅(りょうら)の袂(たもと)をひるがえす。天津乙女(あまつおとめ)の影向(ようごう)に似(に)たり。 *公達(きんだち)は、ここでは子弟の意。 *芳野(よしの)は、吉野に同じ。 *綾羅(りょうら)は。 あやぎぬとうすぎぬ。また、美しい衣服。羅綾(らりょう)とも。 *影向(ようごう)は、神仏が仮の姿をとってこの世に現れること。 *第一編に、「木母寺 料理屋 御前栽畑内川」 が描かれる。 *説明は、などの意。 *万治は、1658年から1661年。 漢字(かな) *この地図の初期設定での中心点は木母寺付近。初期設定の左の地図は関東平野迅速測図と呼ばれる地図で、明治前期の、明治13年〈1880年〉から明治19年〈1886年〉にかけての関東平野。 地図を拡大 絵本江戸土産くずし字目次 おすすめサイト・関連サイト…