冕
べん
たまのかむり。冕之垂玉を旒と曰う。
纓
えい
纓は冠糸也。今変して燕尾と為す。又因て之を纓と謂う。別に糸を設て緌と為す。おいかけ。然も緌は纓之余于頷下に垂る者也。
冠
かん
かうぶり。かむり。今之冠は古の幞頭之変也。巾子、こじ、簪、かんざし。玉冠礼服に之を用う。巾子。簪。官品の玉冠。
《頭書増補訓蒙図彙》
和冠/唐冠
わかむり/とうかむり
幞
ぼく
こうぶり。幞頭なり。幞子同じ。唐巾。
巾
きん
頭巾也。其制最も多し。或いは曰わく方なる者を巾と曰う。円なる者を帽と曰う。
帽
ぼう/もう
帽子也。其制亦一ならず。僧帽。
靴
か
かわのくつ。鞾、同じ。
笏
こつ
此に云う尺。笌笏、げのしゃく。
袞
こん
袞衣也。袞竜衣、袞竜袍、並びに同じ。袞衣十二章其六衣に在り、曰く日月、星辰、山、竜、華虫。
裳
しょう
も。上を衣と曰い下を裳と曰う。十二章其六裳に在り、曰く宗彛、藻、火、粉米、黼、黻。今は火、宗彛、衣に在り。斎、もすそ。
袍
ほう
うえのきぬ。公服也。襴。今按ずるに衣下の横幅也。
衫
さん
かたびら。紗衫有り、布衫有り。図する所公服之托衣也。此云わく、おおかたびら。汗衫、かざみ、中単、同じ。
袴
こ
はかま。褶、うわみ。大口袴、おおくちのはかま。襞、襀、ひだ、衦、襵、〓、並びに同じ。
裙
くん
も。裠、帬、𢂽、並びに同じ。裙も亦裳也。今婦人の裳之名と為す故別に之を出す。
珮
はい
おんもの。玉佩也。綬、じゅのおび。
帯
たい
おび。紐子、ひも。今按ずるに、当に系の字を用るべし。紐は今云う、わな。
襟
きん
えり。交い領也。衣前也。今按ずるに、内襟、したがい、外襟、うわがい。衽、おおくび。
裾
きょ
きぬのしり。衣下也。衣後也。
袊
れい/りょう
ころものくび。領、同じ。
袖
しゅう
そで。袂、たもと。義、同じ。袪、そでぐち、袖口也。
韈
べつ
したぐつ。したうず。襪、同じ。今按ずるに俗に云う、たび。亦此類也。
鞋
かい
鞵、同じ。糸鞋、いとぐつ、麻鞋、おぐつ等一ならず。草鞋を屩と曰う、わらうず、屝、同じ。
履
り
くつ。履は総名也。屨、同じ。鞜は革履也。靸は深頭履也。屜、くつのしき。履中の薦也。屜、同じ。
屐
げき
あしだ。木履也。屐系、あしだお、鼻縄、はなお、檋。俗に云う、がんじき、梮、同じ。
被
ひ
ふすま。被は古の寝衣也。今、睡襖を用る。
褥
にく/しく
しとね。蓐、茵、並びに同じ。坐褥有り、臥席有り。今俗に呼て蒲団と為るは非也。蒲団は円坐の類也。
帨
ぜい
たのごい、てのごい。帨巾也。手巾、同じ。帨架、たのごいかけ。
帕
はく
ころもつつみ。帊、衣幞、包袱、並びに同じ。手帊、今按ずるに、ふくさもの。
幄
あく
あげばり。
帳
ちょう
帳の制今綺帳、緞帳、棉帳之類有り。綺帳或いは几帳に作る。小帳覆斗の如くなるを斗帳と曰う。蚊幮。今按ずるに、かや。
幔
まん
まだらまく。㡢、同じ。幌、とばり、門幌、蓋し今云う、暖簾也。戸幃、同じ。
幕
ばく/まく
まく。帷、かたひら。旁に在て之を施し土壁に象なり也。今按ずるに、帷は竪幅を以て之を為る、幃も亦同じ。
半臂
はんひ
欠掖
けつえき
袈裟
けさ
大衣七条五条を一干衣と為す。大衣は九条自り二十五条に至る衲衣。今按ずるに、つづりげさ。
直掇
じきとつ/じつてつ
直裰、同じ。今按ずるに、古の僧偏衫𢂽子を服す、後世上下を連て直掇と為す。横被。
烏帽
うぼう
烏帽子也。其式様多し。
魚袋
ぎょたい
公卿は金魚袋。四品以下は銀魚袋。
布衣
ほい
かりぎぬ。今絞有るを狩衣と為し紋無きを布衣と為す。布衣は下官の服する所也。亦綵絹を以て之を製す。
奴袴
ぬこ
さしぬきのはかま。きぬのかりばかま。今按ずるに、縛袴也。布袴、かりばかま。
毛裘
もうきゅう
かわぎぬ。かわごろも。
革帯
かくたい
革帯。銙に随てかこ名を異にす。金帯、玉帯、石帯、角帯等之差有り。
深衣
しんい
白布衣也。大帯及履にも亦白きを用る五采の条を以て帯結を固む。
幅巾
ふくきん
皁絹にて之を為す、深衣緇布冠して而此を以て冠上を褁む。
《頭書増補訓蒙図彙》
幅巾・緇布冠
ふくきん・しふかん
夾衣
こうい
あわせぎぬ。裌、袷、並びに同じ。単衣、ひとえぎぬ。襌、同じ。絮衣、今按ずるに、わたいれぎぬ。表、おもて、裏、うら。
浴衣
よくい
ゆかたびら。浴巾。今按ずるに、ゆてのごひ。
蔽膝
へいしつ
まえだれ。韠、同じ。
裹脚
かきゃく
今按ずるに、はばき。裹又褁に作る。
雨衣
うい
あまぎぬ。襏襫、同じ。油衣有り、毡有り。
涎衣
せんい
今按ずるに、よだれかけ。幃涎、同じ。
絡子
らくし
又、掛子と名づく、或いは呼て掛絡と為す。俗誤て折那環を以て、掛絡と為す。
座具
ざぐ
僧家、三衣、一鉢、座具、漉水嚢を以て六物と為す。