蛟
こう
みずち。竜の属にして而角無き者也。
竜
りょう
たつ。
螭
ち
俗に云う、あまりょう。
鯪
りょう
鯪鯉也。鯪魚、竜鯉、穿山甲、並びに同じ。俗に其皮を呼てじやひと為す。
鯨
げい/きょう
くじら。海中の大魚也。䲔、同じ。雄を鯨と曰い、雌を鯢と曰う。名未だ詳かならず。今図する所は海鰌也。海鰍、同じ。或いは曰わく、海翁。
鱣
てん
ふか、黄魚、蝋魚、玉版魚、並びに同じ。
鮫
こう
さめ、𩵲魚、沙魚、鯊魚、鯋魚、䱜魚、溜魚、並びに同じ。
鰐
がく
わに、〓、鱷、並びに同じ。
鯛
ちょう
たい。今按ずるに、𣗥鬣魚也。竒鬣、吉鬣、赤鬃、赤鯮、並びに同じ。或いは、鮫𩽏と曰い、赤鱂と曰う。皆未だ詳かならず。
鮏
せい
さけ。俗に鮭に作るは是に非ず。今按ずるに、鮭は即過臈魚也。
鯉
り
こい。一名六六魚。鰠、み。今按ずるに俗に云う、みごい。字未だ詳かならず。
鯽
せき
ふな。𩺀魚、鮒魚、並びに同じ。海鯽、ちぬ。
鯔
し
なよし。俗に云う、ぼら。子魚、烏魚、並びに同じ。䰵魚、今按ずるに、えぶな。烏魚に似て而小也。或いは云わく鮫鰒。
《頭書増補訓蒙図彙》
し/なよし/ぼら
仔魚・しぎょ/えぶな
鱸
ろ
すずき。一名四鰓魚。
鰣
じ
はそ。俗に云う、はす。字未だ詳かならず。
鮅
ひつ
今按ずるに、うぐい。鱒魚、赤眼魚、並びに同じ。
鯖
せい
さば。青魚也。字未だ詳かならず。
鯵
そう
あじ。
鯼
そう
いしもち。にべ。石首魚也。黄花魚、同じ。乾る者を鮝魚と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
そう/いしもち
石首魚・せきしゅぎょ
鮸
ばん
くち。今按ずるに一名梅魚、或いは曰わく、鮫〓。
鰈
ちょう
からえい。かれい、魪魚、比目魚、並びに同じ。一に曰わく、王余魚。
鯧
しょう
まながつお。
鰩
よう
とびお。文鰩也。飛魚、同じ。
鱝
ふん
こめ。今云わく、えい、海鷂魚也。邵陽魚、魟魚、鯆魮、並びに同じ。
䲍
ちん
おこじ。未だ詳かならず。
鱵
しん
さより。今按ずるに古くは云う、はりお、鱵魚、針魚、針嘴魚、並びに同じ。
鰷
じょう
今按ずるに、せいご。白鯈、䱗魚、鮂魚、並びに同じ。
鰶
せい
このしろ。青鰶也。青鯽、青脊、並びに同じ。一に曰わく䱥魚、亦同じ。
鰻
まん
むなぎ、うなぎ、鰻魚也。鰻鱺、鰻鯬、鰻𩼽、並びに同じ。
鱓
せん
やつめうなぎ。鱓魚也。鱔魚、黄䱉、並びに同じ。小なる者を鰌鱓と曰う。
鮧
い
なまず、鯷魚、鰋魚、鮎魚、並びに同じ。或いは鯰の字を用る、蓋し鮎と同じ。
䱱
てい
俗に云う、さんしょういお。今按ずるに古くは云う、はじかみいお歟。人魚、孩兒魚、並びに同じ。大なる者を鯢魚と名づく。
鰮
うん
いわし。
鰌
しゅう
どじょう。泥鰌也。鰌又鰍に作る。
鰕
か
えび。蝦、同じ。
鰝
こう
うみえび。海鰕也。紅鰕、竜鰕、並びに同じ。
鰭
き
はた、ひれ、鬣、同じ。
鱗
りん
いろくず。いろこ。
鰓
さい
あぎと。俗に云う、えら、おき。
鰾
ひょう
ふえ。にべ。魚脬也。
年魚
ねんぎょ
あゆ。銀口魚、細鱗魚、並びに同じ。一に曰わく、渓鰮。
《頭書増補訓蒙図彙》
ねんぎょ/あゆ
銀口魚・ぎんこうぎょ
黄鱨
おうしょう/こうしょう
今按ずるに、ぎぎ、黄顙魚也。黄頬、黄䰲、䱀䰲、並びに同じ。或いは云わく、黄鱨は黄顙に非ず。
章挙
しょうきょ
たこ。章魚也。鱆魚、𠑃魚、章拒、並びに同じ。或いは云わく、海蛸子。石拒、あしながだこ、石鮔、同じ。
鰞鰂
うぞく
いか。烏賊也。烏鰂、墨魚、䌫魚、並びに同じ。柔魚、今按ずるに、あおりいか、𤨏管、或いは云わく、尺八いか、明鮝、するめ、烏賊骨、いかのろう。
江豬
こうちょ
いるか。海豚也。海豨、鱀魚、䱐䰽、並びに同じ。海中に生す。江豬は江豚也。江中に生す。
河㹠
かとん
ふくべ。河豚也。又河魨に作る。鯸〓、鯸鮧、鯸鮐、䲅魚、鮭魚、〓魚、吹肚魚、並びに同じ。
水母
すいも/すいぼ
くらげ。海䖳也。蚱蜡並䖳と同じ。又曰わく海蜇、曰わく海靻、曰わく石鏡、或いは曰わく、海月。
《頭書増補訓蒙図彙》
すいも/くらげ
海月・かいげつ
石鏡・くらげ
土肉
とにく/とじく
こ、俗に云う、なまこ。乾る者に対して之を称する也。今按ずるに、土肉。未だ詳かならず。図する所古くは云う、海鼠。今云う、海参也。又曰わく沙噀、曰わく泥、蓋し皆此物也。
江鮏
こうせい
あめ。又水鮏と名づく。
海鰻
かいまん/はいまん
今按ずるに、はも。蓋し唐音之誤り也。狗魚、猧狗魚、慈鰻鱺、並びに同じ。或いは曰わく、白鰻。
鮪魚
いぎょ
しび。一名鱘魚、未だ詳かならず。
鱭魚
せいぎょ
たちお。鮆魚、鮤魚、鱴魚、魛魚、鰽魚、並びに同じ。
黄穡
おうしょく/こうしょく
今按ずるに俗に云う、はなおれだい。黄穡魚也。
烏頬
うきょう
今按ずるに俗に云う、すみやきだい。烏頬魚也。
尨魚
ぼうぎょ
くろだい。俗に云うちぬ是に非ず。
馬鮫
ばこう
今按ずるに、さわら。鰢鮫、章鮌、擺錫、並びに同じ。小なる者を青成前と名づく。今按ずるに、さごし。
金魚
きんぎょ
金鱗、火魚、朱魚、並びに同じ。今按ずるに比魚数種、今世有る所の者は蓋し金鯽也。白に変ずる者を銀魚と名づく。
梭魚
さぎょ
今按ずるに、かます。梭子魚也。
蝦蛄
かこ
今按ずるに俗に云う、しゃくり。言ば其行うこと尺蠖の如と也。又曰わく、さくなげ。言ば其色石楠花に似ると也。蝦蛄、蝦公、並びに同じ。
杜父
とほ
今按ずるに俗に云う、うしぬすびと。又云わく、いしもち。杜父魚也。土鯆、土鮒、土附、蓋し皆同じ。
海牛
かいぎゅう
今按ずるに俗に云う、すずめいお。
海馬
かいば
雌なる者色白、雄なる者色青。
醤蝦
しょうか
今按ずるに、あみ。又曰わく、苗蝦、或いは云わく、線蝦、曰わく、泥蝦。
麪条
めんじょう
今按ずるに古くは云う、いお。今云う、しろお、麺条魚。即白小丁也。魝、同じ。一名銀魚。