= 日本最初の図解事典 =
訓蒙図彙 きんもうずい 』を見る
= 花草(かそう)=

花草かそう
らん
蘭花也。今按ずるに、幽蘭。俗に云う、ほくろ、建蘭。今云う、白蘭是蕙花也。又、秋蘭、鉄脚蘭と名づく。其類魚魫蘭有り。今云う、しらくき。建蘭。
《頭書増補訓蒙図彙》
らん/ふじばかま
あおい。総名也。蜀葵、からあおい、戎葵、同じ。錦葵、今按ずるに、こあおい。荊葵、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
き/あおい
こう
よもぎ。種類最も多し。図する所青蒿也。一名草蒿、又曰わく、藾、曰わく、蕭、曰わく、萩。皆老蒿之通名也。
《頭書増補訓蒙図彙》
こう/かわらきよもぎ
きく
かわらよもぎ。菊花也。蘜、同じ。又、黄花、女節花と名づく。夏菊、秋菊、寒菊、其品色甚だ多し。
《頭書増補訓蒙図彙》
きく/かわらよもぎ
こう
いぬたで。俗に云う、けたで、葒草也。葓、同じ。一名、蘢古。花を水葒花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
こう/いぬたで
らん
あい。種類一ならず。図する所蓼藍也。靛花、あいはな、青黛、同じ。靛水、あいしる。
《頭書増補訓蒙図彙》
らん/あい
りょう
たで。青蓼、あおたで、紫蓼、あかたで、水蓼。今云う、いぬたで、葉上に黒点有る者也。
《頭書増補訓蒙図彙》
りょう/たで
がい
よもぎ。もぐさ。艾蒿也。毉草、灸草、氷台、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
がい/よもぎ
じん
え。白蘇也。荏油、えのあぶら。
《頭書増補訓蒙図彙》
じん/え
のらえ、紫蘇也。一名、桂荏。水蘇、今按ずるに俗に云う、じゃこうぐさ。一名、香蘇。
《頭書増補訓蒙図彙》
そ/のらえ/しそ
ちょ
かろうじ。からお。俗に云う、まお、苧麻也。紵、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
ちょ/からむし
けん
わすれぐさ。萱草也。俗音、かんぞう、諼草、鹿葱、宜男草、並びに同じ。金萱花、今按ずるに俗に云う、きすげ。鹿葱花に似て而斑文無し。其千葉の者毒有りて人を殺す。
《頭書増補訓蒙図彙》
けん/わすれくさ
かつ
くず。一名、鹿藿。葛粉、くずのこ。
《頭書増補訓蒙図彙》
かつ/くず
とう
ふじ。蔓草之通称也。図する所紫藤也。一名、招豆藤。紫藤花、或いは、珠藤花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
とう/ふじ
せん
あかね。茜草、茜根也。又、茅蒐、茹蘆、染緋草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
せん/あかね
かい
ところ。黄薢也。
《頭書増補訓蒙図彙》
かい/ところ
ゆう
はくさ。えのこぐさ。狗尾草也。稂はくさ、或いは云わく、いぬびえ、狼尾草也。
《頭書増補訓蒙図彙》
ゆう/はくさ
ぼう
おばな、すすき、莣草也。芒、同じ。一名、杜栄。今按ずるに、小なるを石芒と曰い、大なるを芭芒と曰う。おぎ、又、芭苐と曰う。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぼう/おばな
りん
い。今按ずるに、席草也。一名、竜鬚草。莞、おおい、灯草也。又曰わく、灯心草。
《頭書増補訓蒙図彙》
りん/い
じん
かきな。あしい。かりやす。蓋草也。又、黄草、菉竹、王〓と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
じん/かりやす
ぼう
ち。白茅也。芽を茅針と名づく。つばな、又、荑と名づく。根を茹根、地筋と名づく。管茅、かや。黄花の者を蒯と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぼう/つばな
あし。俗に云う、よし。初生するを葭と曰う。未だ秀でざるを蘆と曰い、長成するを葦と曰う。笋を𢑆と名づく。あしづの花を芳と名づく。あしのほ。荻、今按ずるに、うみがや、菼、薍、萑、並びに同じ。蒹、すだれあし。
《頭書増補訓蒙図彙》
い/あし
こも。俗に云う、まこも、菰草也。又茭草、蒋草と名づく。菰笋を菰菜、茭白と名づく。菰手、今按ずるに、こもぐるみ、又菰首と名づく。菰根を葑と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
こ/まこも
せつ
すげ。薛草也。又曰わく、莎、曰わく、薹。今按ずるに、莎は香附子の苗也。図する所一類にして而差異矣。
《頭書増補訓蒙図彙》
せつ/すげ
しょう
あやめ。菖蒲、昌陽、臭蒲、並びに総名也。水菖蒲、今云う、しょうぶ。又名づく、白昌、渓蓀、水剣草。石菖蒲、俗に云う、せきしょう。
《頭書増補訓蒙図彙》
しょう/あやめ
かま。香蒲也。蒲笋を蒲蒻と名づく。花抱を蒲槌と名づく。かまぼこ。花上の黄粉を蒲黄と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ほ/がま
れん
はちす。葉を荷葉と曰う。根を蓮藕と曰う。藕芽を藕蜜と曰う。わかね、花を芙蕖、芙蓉と曰う。未だ開かざるを、菡萏と曰う。実を蓮子、蓮菂と曰う。子房を蓮房、蓮蓬と曰う。
《頭書増補訓蒙図彙》
れん/はちす
けん
みずぶき。茎を䓈菜、鶏頭菜と名づく。実を芡実、鶏頭実と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
けん/みずぶき
へい
うきくさ。水萍。浮萍也。苹、蓱、薸、並びに同じ。血色の如くなるを紫萍と名づく。蘋、今按ずるに俗に云う、すもも。又、四葉草、田字草と名づく。花を白蘋と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
へい/うきくさ
きょう/こう
あささ。〓菜也。荇、同じ。又、鳬葵、水葵と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
きょう/あさざ
たい
こけ。蘚、同じ。苔衣、水衣、石衣也。又水に在を陟〓と曰う。石に在を石濡と曰う。瓦に在を屋遊と曰う。墻に在を垣衣と曰う。地に在を地衣と曰う。
《頭書増補訓蒙図彙》
たい/こけ
そう
も。もは。水藻也。葉大なる者を馬藻と名づく。葉細き者を水蘊、鰓草と名づく。海藻、今按ずるに、ほだはら、馬尾藻也。
《頭書増補訓蒙図彙》
そう/も
牡丹
ぼたん
ふかみぐさ。はつかぐさ。牡丹花。又、花王、木芍薬と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぼたん/ふかみくさ
芍薬
しゃくやく
かおよぐさ。芍薬花。又、花相、将離と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
しゃくやく/かおよぐさ
薔薇
しょうび
いばら。〓蘼。牛棘、並びに同じ。総名也。今按ずるに、刺紅花。俗に云う、ごやおき、月季花。俗に云う、ちょうしゅん、月月紅、同じ。野薔薇、のいばら。野薔薇。
《頭書増補訓蒙図彙》
しょうび/いばらしょうび
棣棠
ていとう
今按ずるに、やまぶき。棣棠花也。或いは、地棠花と曰う。
《頭書増補訓蒙図彙》
ていとう/やまぶき
麗春
れいしゅん
俗に云う、びじんそう。麗春花也。又、御仙花、虞美人花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
れいしゅん/びじんそう
旋覆
せんふく
おぐるま。旋覆花也。旋蕧、同じ。又、艾菊、金銭菊と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
せんふく/おぐるま
酸漿
さんしょう
かかぢ。ほうずき。又名づく、醋漿、苦葴、灯籠草、金灯籠、紅姑娘。小なる者を苦蘵と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
さんしょう/ほうずき
桔梗
けっこう
俗音、ききょう。きっこう。又、梗草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
けっこう/ききょう
射干
やかん
からすおうぎ。ひおうぎ。烏扇。烏翣、並びに同じ。今按ずるに、射干花之類に蝴蝶花有り。俗に云う、しゃが、蓋し射干にして而其音を誤る也。
《頭書増補訓蒙図彙》
やかん/からすおうぎ
鴨跖
こうせき
ついくさ。つきくさ。鴨跖草也。花を淡竹花と名づく。あおばな、笪竹花、碧蝉花、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
こうせき/ついぐさ
芭蕉
はしょう
俗音、ばしょう。一名、芭苴。
《頭書増補訓蒙図彙》
ばしょう
薏苡
よくい
すずだま。ずしたま。薏苡子。一名、薏珠子。米を薏苡仁、囘囘米と名づく。円にして而殻厚き者を菩提子と名づく。米を𥽇米と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
よくい/ずずたま
𦯇蔚
じゅうい
めはじき。益母草也。又曰わく、蓷、曰わく、鬱臭草。
《頭書増補訓蒙図彙》
じゅうい/めはじき
萹蓄
へんちく
うしぐさ。萹竹、同じ。又、粉節草、道生草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
へんちく/うしくさ
夏枯
かこ
うるき。うつぼくさ。夏枯草也。
《頭書増補訓蒙図彙》
かこ/うつぼくさ
地膚
ちふ
ははきぎ。にわくさ。又、落帚、独帚、王彗と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ちふ/ははきぎ
陵苕
りょうちょう
のうじょう。俗に云う、のうぜん。まかやき。陵苕花。又、凌霄花、紫葳花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
りょうじょう/のうぜんかずら
菝葜
はっかつ
えびついばら。さるとり。菝〓、同じ。一名、鉄菱角。根を金剛根と名づく。俗誤て以山帰来と為す。
《頭書増補訓蒙図彙》
はっかつ/えびついばら
忍冬
にんどう/じんとう
すいかずら。忍冬藤也。一名、左纒藤。花を金銀花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
にんとう/にわかずら
玄及
げんきゅう
さねかずら。玄及藤也。実を五味子と名づく。五菋、荎蕏、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
五味子。玄及、同。
ごみし。げんきゅう
びょう
なえ。凡草。始生するを皆苗と曰う。
《頭書増補訓蒙図彙》
びょう/なえ
たい
今按ずるに俗に云う、とう。蓋し言ば塔也。葶、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
たい/とう
きょう/こう
くき。𦼮、同じ。今按ずるに、茎衣を苞と曰う。はかま草。根を荄と曰う。くさのね。
《頭書増補訓蒙図彙》
きょう/くき
まん
今按ずるに、つる。蓋藤蔓大抵木本を藤と為し、草本を蔓と為す。
《頭書増補訓蒙図彙》
まん/つる
ほう
今按ずるに、つぼみ。花苞也。又曰わく、芛、曰わく、蓶、曰わく、蓓蕾。苞、又云わく、はかま。
《頭書増補訓蒙図彙》
ほう/つぼみ
はなびら。花葩也。又曰わく、花片、曰わく、花弁。
《頭書増補訓蒙図彙》
は/はなびら
ずい
今按ずるに、しべ。花蕋也。蕊、蘃、並びに同じ。又曰わく、花心、曰わく、花鬚。
《頭書増補訓蒙図彙》
ずい/しべ
がく
はなぶさ。花萼也。又曰わく、花蔕、曰わく、花柎。花朶、今按ずるに、はなのえだ。
《頭書増補訓蒙図彙》
がく/はなぶさ
鶏冠
けいかん
俗に云う、けいとうげ。鶏冠花也。掃帚、扇面、珱洛等有り。皆其花形を以て之に名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
けいかん/けいとうげ
竜胆
りゅうたん
えやみぐさ。俗音、りんどう。山竜胆冬凋まず。
《頭書増補訓蒙図彙》
りゅうたん/えやみくさ
馬藺
ばりん
馬蘭、馬棟、茘草、劇草、並びに同じ。実を蠡実と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ばりん
鴟尾
しび
今按ずるに俗に云う、いちはつ。鴟尾草也。花を紫羅金と名づく。或いは曰わく、鴨脚花、亦通して蝴蝶花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
しび/いちはつ
山丹
さんたん
ひめゆり。山丹花也。今按ずるに、渥丹、同じ。一名、紅百合。又紅の外黄白に種有り。
《頭書増補訓蒙図彙》
さんたん/ひめゆり
巻丹
けんたん
おにゆり。巻丹花。一名、番山丹。
《頭書増補訓蒙図彙》
けんたん/おにゆり
百合
びゃくこう
ゆり。俗に云う、さゆり。百合花也。其日開け夜合う者を夜合花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ひゃくごう/ゆり
丈菊
じょうきく
俗に云う、てんがいばな。丈菊花。一名、迎陽花。
《頭書増補訓蒙図彙》
じょうぎく/てんがいはな
鳳仙
ほうせん
鳳仙花。又、金鳳花、来竹桃、小桃紅、菊婢と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
鳳仙花・ほうせんか
水仙
すいせん
水仙花。単弁の者を金盞銀台と名づく。千葉の者を玉瓏玲と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
水仙花・すいせんか
秋葵
しゅうき
俗に云う、こうぞ。黄蜀葵也。黄葵、同じ。常に葉を傾けて日に向う。其花一名、側金盞。
《頭書増補訓蒙図彙》
しゅうき/こうぞ
春菊
しゅんぎく
今按ずるに俗に云う、こうらいぎく。蒿菜花也。
《頭書増補訓蒙図彙》
しゅんぎく/こうらいぎく
金銭
きんせん
金銭花。夜落金銭也。一名、子午花。今按ずるに俗に云う、ごじか。
《頭書増補訓蒙図彙》
金銭花・きんせんか
金盞
きんさん
俗に云う、きんせんか。金盞花也。一名、長春菊。
《頭書増補訓蒙図彙》
金盞花・きんさんか
牽牛
けんご
あさがお。牽牛花也。実を牽牛子と名づく。蔓を狗耳草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
けんご/あさがお
鼓子
くし/こし
ひるがお。鼓子花也。又、旋花、旋葍花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
くし/ひるがお
剪羅
せんら
剪羅花。剪紅羅、並びに総名也。剪春羅、俗に云う、がんひ。剪秋羅、俗に云う、せんおうけ。一名、漢宮秋。
《頭書増補訓蒙図彙》
せんら/がんび
様錦
ようきん
もみぢぐさ。かるくさ。十様錦。葉早く紅にして而黄緑を兼ぬ。一種雁来て而紅なるを雁来、紅老少年と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ようきん/もみじくさ
玉簪
ぎょくさん
俗に云う、ぎぼうし。玉簪花。一名、白鶴仙。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぎょくさん/ぎぼうし
石竹
せきちく
なでしこ。とこなつ。石竹花。又、石菊、大菊、錦竹、瞿麦と名づく。千弁の者を洛陽花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
せきちく/なでしこ
金灯
きんとう
今按ずるに俗に云う、きつねのかみそり。金灯花、色紅。銀灯花、色白。此草一名、鬼灯檠、無義草。根を山慈姑、天蒜と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
きんとう/きつねのかみそり。
石蒜
せきさん
俗に云う、しびとばな。烏蒜花、鴉蒜、並びに同じ。皆其根の名也。此草一に天麻と名づく。又一枝箭と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
せきさん/しびとはな
菫菜
きんさい
すみれ。俗に云う、すまいとり。菫菫菜也。一名、箭頭草。早芹之菫に非ず。
《頭書増補訓蒙図彙》
きんさい/すみれ
酢漿
さしょう
かたばみ。俗に云う、すいものぐさ。酢漿草。又、酸草、酸母草、雀児酸、三葉酸と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
さしょう/かたばみ
萍蓬
へいほう
かわほね。萍蓬草。一名、水栗。今按ずるに、骨蓬、亦同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
へいほう/こうほね
茵蔯
いんちん
ひきよもぎ。俗に云う、かわらよもぎ。茵蔯蒿也。或いは此を以て蘩と為す。
《頭書増補訓蒙図彙》
いんちん/かわらよもぎ
竜芮
りゅうぜい
ふかずみ。うしのひたい。石竜芮也。一名、地椹。苗を水菫、苦菫、胡椒菜、囘囘蒜と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
りゅうぜい/うしのひたい
鼠麹
そきく
ははこ。鼠麹草。又、鼠耳、仏耳、黄蒿、茸母と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
そきく/ははこくさ
門冬
もんどう
やますげ。俗に云う、じょうがひげ。麦門冬也。又虋冬、烏韭、馬韭と名づく。又天門冬有り。
《頭書増補訓蒙図彙》
ばくもんどう/じょうがひげ
車前
しゃぜん
おおばこ。車前草也。又芣苡、馬舄、牛舌草、蝦蟆衣、車輪菜と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
しゃぜん/おおばこ
防風
ぼうふう
はますかな。はまにがな。其苗を珊瑚菜と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぼうふう/はまにがな
慎火
しんか
いきくさ。今按ずるに俗に云う、いわれんげ、景天。一名、慎火草。又、戒火、救火と名づく。一種小なる者を仏甲草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
しんか/いわれんげ
天茄
てんか/てんきゃ
こなすび。天茄子也。竜葵、苦葵、老鴉眼と晴草、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
てんか/こなすび
山蔥
さんそう
今按ずるに俗に云う、ぎょうじゃにんにく。又、隔葱、鹿耳葱と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
さんそう/ぎょうじゃにんにく
羊蹄
ようてい
し。俗に云う、ぎしぎし、羊蹄草。又名づく、禿菜、牛舌菜。根を羊蹄大黄と名づく。実を金蕎麦と名づく。葉小に味酸を酸模と名づく。俗に云う、すいどう。
《頭書増補訓蒙図彙》
ようてい/ぎしぎし
牛膝
ごしつ
いのこずち。牛膝草。或いは、牛〓に作る。又、山莧菜、対節菜と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ごしつ/いのこずち
南星
なんしょう
おおそみ。天南星也。又、虎掌、鬼蒟蒻と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
なんしょう/おおそみ
積雪
しゅくせつ
つぼくさ。俗に云う、かきどおし、積雪草也。連銭草、地銭草、海蘇、胡薄荷、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
しゅくせつ/つぼくさ/かきどおし
蛇牀
じゃしょう
ひるむしろ。俗に云う、やぶじらみ。又、虺牀、蛇粟と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
じゃしょう/やぶしらみ
虎杖
こじょう
いたどり。さいたづま。一名、武杖。
《頭書増補訓蒙図彙》
こじょう/いたとり
杜蘅
とこう
つぶねぐさ。みやまぬなわ、杜蘅、同じ。又杜葵、馬蹄香、土細辛と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
とこう/つぶねくさ
蘹香
かいこう/かいきょう
くれのおも。茴香、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
かいこう/ういきょう
蒼朮
そうじゅつ
朮。おけら。山薊也。二種有り。蒼朮一に赤朮と名づく。白朮一に枹薊と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
そうじゅつ/おけら
苦参
くじん
くらら。まいりぐさ。又、水槐、地槐と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
くしん/くらら
山薑
さんきょう
山姜花也。一名、美草。今俗以て良姜と為すは是に非ず。
《頭書増補訓蒙図彙》
さんきょう/いぬはしがみ
番椒
ばんしょう
今按ずるに俗に云う、とうがらし。
《頭書増補訓蒙図彙》
ばんしょう/とうがらし
紅花
こうか
くれない。俗に云う、べにのはな。紅藍花也。一名、黄藍。燕脂べに、燕支、胭脂、𧹬赦、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
こうか/くれない
紫草
しそう
むらさき。紫。又茈に作る。一名、茈䓞。
《頭書増補訓蒙図彙》
しそう/むらさき
蒼耳
そうに
なもみ。おなもみ。又、巻耳、葈耳、耳璫草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
そうに/おなもみ
𦻎薟
きけん
めなもみ。俗音、きれん。豨薟、同じ。又、猪膏母、火炊草、粘糊菜と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
きけん/めなもみ
蓖麻
ひま
からかしわ。からえ。俗に云う、とうごま。
《頭書増補訓蒙図彙》
ひま/とうごま
蒴藋
さくてき
俗音、そくとく。今云う、そくず。又、陸英、接骨草と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
さくてき/そくず
水莨
すいろう
たがらし。今按ずるに俗に云う、きんほうけ。又、毛莨、毛菫、毛建、天灸と名づく。此草大毒有り。
《頭書増補訓蒙図彙》
すいろう/たからし
沢漆
たくしつ
今按ずるに俗に云う、とうだいぐさ。又漆茎、五鳳草、猫児眼晴草、緑葉緑花草と名づく。亦毒草也。
《頭書増補訓蒙図彙》
たくしつ/とうだいぐさ
烏頭
うず
或いは曰わく俗に云う、とりかぶと。即、烏頭苗也。人用いて頭虱を治す。其毒〓甚矣。
《頭書増補訓蒙図彙》
うず/とりかぶと
鼠莽
そもう
莽草。古云わく、しきみ。未だ詳かならず。今図する所其実禾蓼子に似て而弁稜有り。亦至毒ある者也。
《頭書増補訓蒙図彙》
そもう/しきみ
防已
ぼうい
あおかずら。俗に云う、つづらふじ。解離、石解、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぼうい/つづらふじ
絡石
らくせき
俗云、ていかかずら。又、石鯪、石竜藤と名づく。葉頭尖にして而赤き者を石血と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
らくせき/ていかかずら
巻栢
けんはく
いわごけ。いわひば。或いは曰わく是地栢也。巻栢は葉常に巻曲す。
《頭書増補訓蒙図彙》
けんはく/いわひば
石荷
せきか
今按ずるに、ゆきのした。虎耳草。一名、石荷葉。
《頭書増補訓蒙図彙》
せきか/ゆきの下
風蘭
ふうらん
又、挂蘭、吊蘭と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ふうらん
玉栢
ぎょくはく
俗に云う、まんねんぐさ。又名づく、玉遂、千年栢、万年松。其長なる者の石松と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぎょくはく/まんねんくさ
石韋
せきい
いわのかわ。いわぐみ。いわがしわ。俗に云う、ひとつば。又、石䩾、石皮と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
せきい/ひとつば
木賊
もくぞく
とくさ。
《頭書増補訓蒙図彙》
もくぞく/とくさ
石帆
せきはん
俗に云う、うみまつ。
《頭書増補訓蒙図彙》
せきはん/うみまつ
石斛
せきごく
いわぐすり。一名、石蓫。
《頭書増補訓蒙図彙》
せきこく/いわくすり
螺厴
らえん
今按ずるに俗に云う、かがみぐさ。又云わく、まめづる。螺厴草。一名、鏡面草。
《頭書増補訓蒙図彙》
らえん/かがみぐさ
馬勃
ばぼつ
おにふすべ。又、馬〓、馬𥧔、灰菰、牛尿菰と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ばぼつ/おにふすべ

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Last updated : 2024/06/29