= 日本最初の図解事典 =
訓蒙図彙 きんもうずい 』を見る
= 米穀(べいこく)=

訓蒙図彙きんもうずい』は、様々な事物を図版を用いて解説した日本で最初の「図解百科事典」とされ、江戸時代前期の寛文 6 年〈1666年〉(今から359年前)に、京都の儒学者、本草学者の中村惕斎なかむらてきさい(1629 -1702)よって編纂された。
   全 20 巻からなり、天文・地理・居処・人物・身体・衣服・宝貨・器用・畜獣・禽鳥・竜魚・虫介・米穀・菜蔬・果蓏・樹竹・花草の 17 の分類から構成される。掲載された図版は 1,484 枚。

 このページは、全 1,484 図の内の「米穀の部」の 36 図。

    《凡例など》
  • 底本は国立国会図書館所蔵の寛文 6 年〈1666年〉版を使用した。『訓蒙図彙』[国立国会図書館蔵] 
  • 漢字の旧字体は、語釈の一部を除き基本的に新字体とした。龍→竜、處→処、體→体、蟲→虫、蠶→蚕、屬→属、爐→炉、鐵→鉄、壓→圧、畫→画、餘→余、驛→駅、臺→台、燈→灯、獨→独、假→仮、條→条、佛→仏、稱→称、圍→囲、繩→縄など。
  • 歴史的仮名遣いは現代仮名遣いとした。
  • 語釈は書き下し文とし、カタカナ表記をひらがな表記に、また、適宜句読点、濁点を補った。
  • 『訓蒙図彙』から 29 年後の、元禄 8 年〈1695年〉に出版された『頭書増補かしらがきぞうほ 訓蒙図彙きんもうずい』での表記の一部も参考に付記した。『頭書増補訓蒙図彙』[国立国会図書館蔵] 
  • 各画像は当サイト独自の色調補正を行った。
  • 画像をクリックすると拡大し、「国立国会図書館」をクリックすると国会図書館サイトへ遷移する。
《米穀(べいこく)》
こう
うるしね、粳米也。秔米、同じ。草稲、わせ、脱稲、おしね、おくて、糲米。俗に云う、くろごめ、精米、しらげよね。
《頭書増補訓蒙図彙》
こう/うるしね
もちのよね。糯米也。𥻟米、稌米、粘米、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
だ/もちごめ
しょく
きみ、きび、穄、粢、黄米、並びに同じ。黍米、もちきび、丹黍、あかきび、秬黍、くろきび。
《頭書増補訓蒙図彙》
しょく/きび
ぞく
あわ、〓、小米、並びに同じ。𥝰米、もちあわ、糯粟也。梁米、俗に云う、さるあわ、芑粟也。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぞく/あわ
はい
ひえ。烏禾。今按ずるに、くろびえ、稊、䄺、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
はい/ひえ
ば/ま
あさ、大麻也。火麻、同じ。子無を牡麻、枲麻と名づく、子有を苴麻、茡麻と名づく。花を麻勃と名づく、実を麻子と名づく。おのみ仁を麻仁と名づく。稈を麻稭、麻骨と名づく。あさがら。
《頭書増補訓蒙図彙》
ま/あさ
きょう
そばむぎ、そば。蕎麦也。荍麦、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
きょう/そば
ばく
むぎ、小麦、こひぎ、まむぎ、大麦、おおむぎ、ふとむぎ、麰麦、同じ。穬麦、あおむぎ、糯麦。今按ずるに、しろむぎ、稞麦、今按ずるに、むきやす。
《頭書増補訓蒙図彙》
ばく/むぎ
とう
いね。漑種之総名也。今按ずるに、禾、同じ。又藁実並びに刈る者を禾と為す。かりいね。穧、いなたば、秧、苗、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
とう/いね
こう
わら、稾、禾稈、禾穣、稲草、並びに同じ。稈心、わらしべ、稭、䕸、秸、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
こう/わら
けい
ほ。芒、のぎ、秕、しいなせ、しいね。今按ずるに俗に云う、みよき、穀を成さざる也。
《頭書増補訓蒙図彙》
ずい/ほ
こく
もみ、穀、粟、並びに同じ。又、禾、麻、粟麦豆を五穀と為す、いつつのたなつもの。種、たね。稃、俗に云う、すりぬか。
《頭書増補訓蒙図彙》
こく/もみ
しゅく
まめ、大豆也。豆は総名也。又荳に作る。黄豆、まめ、黒豆、くろまめ、烏豆、同じ。青豆、俗に云う、あおばた。
《頭書増補訓蒙図彙》
しゅく/まめ
とう
あずき、小豆也。赤豆、あかあずき、紅豆、同じ。白豆、しろあずき、飯豆、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
とう/あずき
まめがら。𧯯、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
き/まめがら
きょう
まめのさや、豆角也。藿、まめの。
《頭書増補訓蒙図彙》
きょう/まめのさや
こう
ささげ、豇豆也。䜶䝄、羊角豆、並びに同じ。或いは云わく菜豆。今按ずるに、白角豆、しろさしげ、紫豇豆、あかささげ。
《頭書増補訓蒙図彙》
こう/ささげ
わん
のらまめ、今云う、えんどう、豌豆之唐音也。胡豆、𧰆豆、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
えん/のらまめ/えんどう
りょく/ろく
やえなり、菉豆也。緑豆同じ。俗に云う、ぶんどう、蓋し言ば粉豆也。其粉を真粉と為す。
《頭書増補訓蒙図彙》
りょく/やえなり/ぶんどう
へん
あじまめ、かきまめ、藊豆也。扁豆、籬豆、眉豆、並びに同じ。其黒き者を鵲豆と為す。或いは云わく、つばくらまめ。
《頭書増補訓蒙図彙》
へん/あじまめ
はん
いい、飰、同じ。強飯、こわいい、乾飯、ほしいい、糒糗、並びに同じ。飱飯、今按ずるに、ゆずけのいい、水飯、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
はん/いい
へい/ひょう
もちい、今按ずるに、餅は麺餅也。糕は粉餅也。糕、同じ。糐粿之属也。餈は飯餅也。今按ずるに、飯団、同じ。俗に云う、ぼたもち。糍は今云うもちい、糍団、糍粑也。
《頭書増補訓蒙図彙》
へい/もち
とう
あめ、糖、同じ。飴、しるあめ、湿糖、軟糖也。𩛿、かたあめ、其枯乾なる者也。
《頭書増補訓蒙図彙》
とう/あめ
そう
ちまき、粽、同じ。一名、角黍。
《頭書増補訓蒙図彙》
そう/ちまき
罌粟
えいぞく/ようぞく/おうぞく
けし、罌子粟也。甖粟、鶯粟、嚢子、御米、並びに同じ。花を甖粟花と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
おうぞく/けし
玉黍
ぎょくしょ
俗に云う、なんばんきび、玉蜀黍也。又番麦と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ぎょくしょ/なんばんきび
胡麻
こば/こま
俗音ごま。油麻、脂麻、芝麻、並びに同じ。白き者を白麻と名づく、黒き者を烏麻と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ごま
蜀黍
しょくしょ
俗に云う、とうきび。蘆穄、萩穄、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
しょくしょ/とうきび
刀豆
とうづ
なたまめ。又名づく、刀鞘豆、挟剣豆。
《頭書増補訓蒙図彙》
とうとう/なたまめ
黎豆
れいづ
今按ずるに俗に云う、八升まめ、狸豆、虎豆、虎櫐、𣜌欇、並びに同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
れいず/はっしょうまめ
蚕豆
ざんづ
そらまめ。一名、胡豆。
《頭書増補訓蒙図彙》
ざんず/そらまめ
燕麦
えんばく
からすむぎ、俗に云う、ひむぎ。雀麦。今按ずるに俗に云う、かづらぐさ。一名蘥亦燕麦と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
えんばく/からすむぎ
饅頭
まんとう
俗音まんじゅう。今按ずるに、饅頭本肉餡を用る、其豆餡の者を素饅頭と名づく。餡無き者を蒸餅と名づく、餅又䴵に作る。
《頭書増補訓蒙図彙》
まんじゅう
索麺
さくめん
むぎなわ。俗音そうめん、索餅、同じ。
《頭書増補訓蒙図彙》
さくめん
餢飳
ほうとう/ぶと
又䴺𪌜に作る。俗に伏兎の字を用る。今按ずるに、倶に未だ審かならず。図する所今油堆と名づく。
《頭書増補訓蒙図彙》
ふと
環餅
かんへい
まがり、糫餅、膏糫、寒具、饊子、並びに同じ。巧果、今按ずるに、あぶらもち。
《頭書増補訓蒙図彙》
かんへい
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Last updated : 2024/06/29