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- 歌川豊国三代の筆による、江戸時代の「七五三祝ひの図」を見てみます。
- 三枚で一組の錦絵です。
- 画像は、明るくするために当サイト独自の色彩調整をしています。国立国会図書館が公開している原画とは色調が若干違います。
- 旧暦11月15日に行われる「七五三の祝い」の図で、七歳・五歳・三歳の子どもが揃う裕福な町家の家族を描いたものか。
- 右から、五歳の「
袴着 」、七歳の「帯解 」、三歳の「髪置 」の祝いが描かれている。 - 中央は七歳の女児。
簪 を一杯つけて帽子を被り、出入りの仕事師と思われる赤い革羽織の人物の肩に負われ、豆絞りの手拭いの上から彼の額 にしっかりつかまり、付添いの女性が手を添える。七歳の「帯解きの儀」は、女の子が大人と同じ幅の広い帯を結び始めるのを祝う儀礼。 - 右は五歳の男児。外出用の帽子を被った母親を促して先を急ぐ。紋付の裃に一本刀を差している。たくさんの千歳飴を下げ、荷物を背負って
家刀自 の後ろに付き従うのは「小僧」と呼ばれる丁稚奉公 の少年か。五歳の「袴儀」は、男の子が袴を着用し始めるのを祝う儀礼。
[注:家刀自 は、その家の主婦。内儀のこと。] - 左は先頭を行く三歳の女児。女児を背負っている女性は華やかな着衣なので使用人ではなく親族か。三歳の「髪置きの儀」は、髪を剃ることを終了し、髪を伸ばし始めるのを祝う儀礼。
- 雲形の向こうには、参詣する氏神の鳥居や社殿の屋根が描かれている。
参考:国立国会図書館など