= 月の名称・異称・異名 / 和風月名わふうげつめい =
四月
卯月(うづき)

和風月名一覧・月の名称・異称・異名
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和名類聚抄わみょうるいじゅしょう』 に見られる「月の名称」
 『和名類聚抄』に見られる「月の名称」(国立国会図書館所蔵)[拡大]
正月:初春
二月:仲春
三月:暮春
四月:首夏
五月:仲夏
六月:季夏
七月:初秋
八月:仲秋
九月:季秋
十月:孟冬
十一月:仲冬
十二月:季冬

『和名類聚抄』は、平安時代中期の承平年間(931年〜938年)に源順(みなもとのしたごう)の編纂によって刊行された辞書。現代の国語辞典、漢和辞典、百科事典などの要素を含む。
引用した画像は、寛文7年・1667年版(国立国会図書館所蔵)
下学集かがくしゅう』 に見られる、陰暦『四月』の名称
下學集・下学集 上 時節門
仲呂(チウリヨ)〈四月〉
麥秋(バクシウ)〈四月〉
卯(ウ)月〈此月卯華盛開、故云卯月也〉
修景(シユケイ)〈四月〉


『下学集』は、文安元年・1444年成立。刊行は元和3年・1617年。著者は、東麓破衲 (とうろくはのう) とされるが未詳。室町時代の日常語彙約 3000語を天地、時節など 18門に分けて説明を加えた辞書。
壒囊鈔あいのうしょう 』に見られる『月の異名』
『壒囊鈔(あいのうしょう)』に見られる「月の名称」(国立国会図書館所蔵)
〔四月〕
仲呂
孟夏
初夏
首夏
維夏
壒囊鈔あいのうしょう 』は、室町中期の百科事典。僧行誉ぎょうよ の編により、文安3年・1446年に成立。事物の起源、和漢の故事、国字・漢字の語源や語義などを解説したもの。引用した版は、正保3年・1646年刊(国立国会図書館所蔵)。
倭訓栞わくんのしおり』に見られる『うづき』の説明
〔倭訓栞・和訓栞 前編四 宇・う〕
うづき 卯花月ともいふの義といへり、四月には此花盛り也、又周正の四月は卯月也と、詩の注に見えたりともいへり

『倭訓栞』(和訓栞)は、江戸中期の国学者谷川士清たにかわことすがの編により、安永6年・1777年から明治20年・1887年にかけて刊行された国語辞書。全93巻
古事類苑こじるいえん 』に見られる、陰暦『四月』の名称や由来など

『古事類苑』は、明治29年・1896年から大正3年・1914年にかけて刊行された百科史料事典。全1000巻。古代から慶応3年・1867年までの文献から引用した例証を原文のまま収めている。明治12年・1879年、文部省大書記官 西村茂樹にしむらしげきの建議により文部省で編集を開始、皇典講究所・神宮司庁へと引き継がれ、35年を費やして完成した。官撰かんせんの百科事典としてはわが国唯一。

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旧暦での一般的な和名
和風月名わふうげつめい
旧暦での月の名称・異称・異名の例

四月

April

(英)

avril
(仏)

abril
(西)

aprile
(伊)

April
(独)

Abril
(葡)

사월
(韓)

卯月
うづき


歌川国貞(豊国三代)「風流十二月ノ内 中呂」1820(文政3)年- 30年頃(ボストン美術館蔵)
「風流十二月ノ内 中呂」
歌川国貞(豊国三代)
1820(文政3)年- 30年頃

歌川国貞(豊国三代)「十二月ノ内 卯花月」1847(弘化4)年- 52年頃(ボストン美術館蔵)
「十二月ノ内 卯花月」
歌川国貞(豊国三代)
1847(弘化4)年- 52年頃

歌川国貞(豊国三代)「十二月ノ内 卯月」嘉永5・1852年(国立国会図書館所蔵)
「十二月ノ内 卯月」
歌川国貞(豊国三代)
嘉永5・1852年

歌川国貞(豊国三代)「十二月ノ内 卯月初時鳥」嘉永7・1854年(国立国会図書館所蔵)
「十二月ノ内 卯月初時鳥」
歌川国貞(豊国三代)
嘉永7・1854年

歌川国貞(豊国三代)「十二月ノ内 卯月初時鳥」嘉永7・1854年(国立国会図書館所蔵)
「十二月ノ内 卯月初時鳥」
(上記三枚組)
維夏 いか
畏月 いげつ
畏日 いじつ
陰月 いんげつ
四月 うづき
うづき
余月 うづき
卯月 うづき
卯花月 うのはなづき
梅月 うめづき・ばいげつ[「梅月」は、節用集弘治二年本によれば四月。五月とする資料が多い]
得鳥羽月 えとりはづき・えとりはのつき・とことばのつき
槐夏 かいか
夏半 かはん
乾月 けんげつ
建巳月 けんしげつ
乾梅 けんばい
献梅 けんばい
庚伏 こうふく
木葉採月 このはとりづき
圉余 ごよ
蠶月・蚕月 さんげつ[「運歩色葉集」などでは三月]
始夏 しか
巳月 しげつ
修景 しゅけい・しゅうけい
首夏 しゅか
朱夏 しゅか
朱明 しゅめい
純乾 じゅんけん
純陽 じゅんよう
小満 しょうまん
初夏 しょか・はじめのなつ
新夏 しんか
清玉 せいぎょく
正月 せいげつ[正陽の月」のこと]
清至 せいし
正陽 せいよう
正陽月 せいようづき・せいようのつき
清和 せいわ
清和月 せいわづき
跡踵 せきしょう
早夏 そうか
送春 そうしゅん
仲呂・中呂 ちゅうりょ・ちゅうろ
肇夏 ちょうか
朝陽 ちょうよう
鎮月 ちんげつ
得鳥羽月 とことばのつき・えとりはづき・えとりはのつき
鳥来月 とりくづき
鳥待月 とりまちづき
夏初月・夏端月 なつはづき
梅雨 ばいう
梅月 ばいげつ・うめづき[「梅月」は、節用集弘治二年本によれば四月。五月とする資料が多い]
梅溽 ばいじょく
麦月 ばくげつ
麦秋 ばくしゅう・むぎあき
麦風 ばくふう
初夏 はじめのなつ・しょか
花卯月 はなうづき
花残月 はなのこりづき・はなのこしづき
伏暑 ふくしょ
乏月 ぼうげつ
祭月 まつりづき[京都・賀茂神社の祭礼「葵祭」が陰暦四月にあたるので]
巳の月 みのつき
麦秋 むぎあき・ばくしゅう
孟夏 もうか
余月 よげつ
蘭地 らんち
六気 りくき
六陽 りくよう
立夏 りっか
和清 わせい
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Last updated : 2024/06/28