ものの数え方・助数詞【か行−け】【みんなの知識ちょっと便利帳】

= け =

け

もの

数え方

け

毛 [→ 髪、→ 頭髪、→ 髪の毛]

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一毛（もう）、一茎（けい・くき）、一髪（はつ）、一束（そく・たば）、一房（ふさ）、一掴（つかみ）、一握（あく）、一朶（だ）

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【参考】森鷗外「追儺」：悪魔に毛を一本渡すと、霊魂まで持って往かずには置かないと云う、西洋の諺がある。
【参考】泉鏡花「婦系図」：道子が、毛一筋も乱れない円髷の艶（つや）も溢（こぼ）さず、白粉の濃い襟を据えて、
【参考】坂口安吾「将棋の鬼」：毛一筋の心の弛（ゆる）みによって、勝ちも負けもする、
【参考】岡本かの子「巴里祭」：わたくし、此頃髪の前鬢（まえびん）を櫛（くし）で梳きますと毛並の割れの中に白いものが二筋三筋ぐらいずつ光って鏡にうつります。わたくしは何とも思いません。然し強いて人に見せるものでもなし、成るだけ櫛でふせて置くようにしております。
【参考】佐々木味津三「右門捕物帖献上博多人形」：やがて、ぱらりと名人の鬢（びん）の毛が、三筋、四筋、六筋、七筋、青白く思案に沈んだそのほおにみだれかかりました。――とたん、かすかにそれがゆれたかと見えるや同時に、はらわたをふり絞ったような声が、悲壮に、うめくように放たれました。
【参考】国枝史郎「神州纐纈城」：モジャモジャと一房の毛があった。

けい

磬 [→ 楽器]

一口（こう・く・くち）、一面、一枚、一架、一基

【知識】中国から伝わった打楽器で、「へ」の字形の石板を枠の中につり下げ打ち鳴らす。日本では銅・鉄製で主に仏具として声明の合図に用いる。

※ 文化財では一面という表現が見られる。

けいかく

計画 [→ プラン、→ 企画、→ プロジェクト]

一つ、一件、一本、一企画、一案、一弾

けいかくあん

計画案

一つ、一件、一本、一企画、一案

けいき

計器 [→ 計量器、→ メーター]

一台、一基

けいききかんじゅう

軽機関銃 [→ 重機関銃、→ 機関銃、→ 銃器]

一挺［一丁］（ちょう）、一口（こう）、一発 [撃つこと。弾丸]

けいききゅう

軽気球 [→ 気球]

一機、一台、一本

けいけん

経験

一度、一つ

けいこうかん

携行缶

一缶、一本

けいこうかん

蛍光管

一本、一球・一個 [球状のもの]

けいこうとう

蛍光灯 [→ 電灯]

一灯、一台、一基

けいこく

渓谷

一つ、一渓、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

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【参考】細井吉造「二つの松川」：松川！　それがこの谷の名称だ。だが、念丈ガ岳の東側からも同じ松川の名称を冠された一条の峡谷が、東南東に山を割っている。

けいこく

警告

一つ、一言

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【参考】中井正一「絵画の不安」：この「問い」はよき意味において、また悪しき意味において、一つの絵画の不安を構成している。私は、その両様の意味で受け取られるところの一つの警告をここに呈出し、また検討してみたいと思う。
【参考】ディッケンス　森田草平訳「クリスマス・カロル」：ところで、今や精霊から一言の警告もなかったのに、突然二人は冬枯れた物寂しい沼地の上に立った。そこには巨人の埋葬地ででもあったかのように、荒い石の怖ろしく大きな塊がそちこちに転っていた。

けいさつけん

警察犬 [→ 犬、→ 動物]

一頭、一匹・一疋

※ 匹、頭は大きさなどで使い分けられることがある。匹は主に小型のもの、頭は主に大型のもので。介助犬・救助犬・警察犬などは「頭」と数えることが多い。

けいさつしょ

警察署

一箇所（一か所・一カ所）、一つ

けいさんき

計算機

一台、一基 [大型で]

けいさんしょ

計算書

一通、一枚、一葉（よう）

けいし

罫紙 [→ 原稿用紙、→ 紙]

一枚、一葉（よう）、一片、一束（たば）、一冊、一綴（つづり）、一帖

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【参考】芥川龍之介「大導寺信輔の半生　――或精神的風景画――」：国木田独歩を模倣した彼の「自ら欺かざるの記」はその黄ばんだ罫紙（けいし）の一枚にこう言う一節を残している。――
【参考】田山花袋「田舎教師」：かれはふたたび日記を書くべく罫紙（けいし）を五六十枚ほど手ずから綴（と）じて、その第一頁（ページ）に、前の三か条をれいれいしく掲（かが）げた。
【参考】牧野信一「貧しき日録」：冷浴の時はひたすら六根清浄を唱へ、審さに十四日間の起居感想を、少くとも一日の記録は罫紙五枚以上を記すべし（これは保護者の検分、捺印を要す。）
【参考】海野十三「空襲葬送曲」：彼は封筒の頭を截（き）ると、一葉（いちよう）の海軍罫紙（けいし）をひっぱり出した。長造の眼は、釘づけにでもされたように、その紙面の一点に止っていたが、軈（やが）てしずかに両眼は閉じられた。
【参考】永井荷風「断腸亭日乗　断膓亭日記巻之一大正六年丁巳九月起筆」： 十月廿七日。晴天。階前の黄菊始て開く。午後青山辺を歩む。夜梔子の実を煮、その汁にて原稿用罫紙十帖ほど摺る。梔子の実は去冬後園に出でゝ採取し影干になしたるもの。

けいじばん

掲示板 [→ インターネット掲示板]

一枚、一台、一基、一面

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【参考】芥川龍之介「浅草公園　――或シナリオ――」：黒い一枚の掲示板（けいじばん）。掲示板は「北の風、晴」と云う字をチョオクに現している。が、それはぼんやりとなり、「南の風強かるべし。雨模様」と云う字に変ってしまう。
【参考】下村湖人「次郎物語第三部」：急いで近づいてみると、そこには黒塗の掲示板が二枚かかっており、まだ十分に乾ききれない白堊の毛筆書きで、その一方には、「教諭心得宝鏡方俊、願ニ依リ本職ヲ免ズ」とあり、

けいじぶつ

掲示物

一件、一枚、一葉（よう）、一台

けいしゃ

鶏舎

一棟、一戸、一舎

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【参考】宮本百合子「猫車」：海沿いの村の暖い春の日光は、ほしいままに繁っている雑草の中に、建ちぐされかかった三棟の大鶏舎をゆったりと永い日がな一日照していた。

げいしゃ

芸者

一人（り／たり・にん）、一枚

けいず

系図

一巻（まき・かん）・一軸 [巻物の状態で]、一枚、一通、一幅 [巻物を広げた状態で]

※ 文化財では一巻、一軸という表現が見られる。

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【参考】坂口安吾「明治開化　安吾捕物その十五　赤罠」：葬式の前日、山キの御主人がこの寮へ見えられたのは、系図一巻を清作さんへ手渡すためだそうで、清作さんとチヨを前によびよせて手渡されたそうですが。
【参考】中里介山「大菩薩峠不破の関の巻」：慰める唯一の手段としては、草の根を分けても、右の系図の一巻を探し出して、無事に夫人の手に戻してやることでなければならぬ、と覚悟を決めました。

けいせんちゅう

係船柱

一基

けいそくきき

計測機器

一台、一基 [大型で]

けいたいでんわ

携帯電話 [→ 電話]

一台、一パケット [データの伝送単位]

けいたいらじお

携帯ラジオ

一台、一枚 [板状のもの]

けいと

毛糸

一本、一玉、一把（わ）、一束、一綛（かせ）

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【参考】久生十蘭「ノンシャラン道中記八人の小悪魔」：そのジュヌヴィヴ伯爵の夫人（おく）さまは、まことにお優しい方で、編物針をくださるときには毛糸を一束くださるとか、粉石鹸をくださるときには下着を一枚そえてくださるとか、

けいば

競馬 [→ 馬券]

一レース、一回、一開催

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【参考】吉川英治「競馬」：ほんの小費いとして持って行ったものを、負けて帰るさえ、帰り途は、朝のように愉快ではない。だから私は、以前の一レース二十円限度時代に、朝、右のズボンのかくしに、十レース分、二百円を入れてゆき、そのうち、一回でも、取った配当は、左のかくしに入れて帰った。
【参考】谷譲次「踊る地平線テムズに聴く」：しかもダアビイ競馬というのは、この日の全六回のうち第三回、午後三時に行われるたった一回の謂（いわれ）にすぎない。今年はダアビイの百四十五年めにあたり、近年になく盛大だった。

けいひん

景品

一つ、一品、一個、一等・二等 …

けいぼう

警棒

一本

けいほうき

警報器

一台、一基

けいむしょ

刑務所 [→ 監獄、→ 監房]

一軒、一棟、一舎、一房、一箇所（一か所・一カ所）

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【参考】島木健作「癩」：わたしのここへ入った当座はちょうどあなた方の事件でやかましい時であったし……、それに肺病の人はみんな向うの一舎にはいる規則です。肺病でこっちの二舎に入るのは思想犯で、みんなと接近させないためですよ。

けいやく

契約

一件、一口（くち）、一本

けいやくしょ

契約書

一通、一札（さつ）、一本、一枚、一葉（よう）

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【参考】久生十蘭「あなたも私も」：天城は、ファイルから和文と英文の契約書を二通とりだすと、英文のほうを手もとにとめ、邦文タイプで打ったほうをサト子の鼻先につきつけた。
【参考】芥川龍之介「或阿呆の一生」：それは彼が或新聞社に入社することになった為だった。彼は黄いろい紙に書いた一枚の契約書を力にしていた。

けいやくすう

契約数

一件、一口（くち）

けいらん

鶏卵

⇒ 卵

【知識】卵は、一般には「一個、一粒（つぶ・りゅう）、一玉、一顆（か）」などの数え方があるが、『延喜式（えんぎしき）（延長5年〈927年〉［］成立）』には「枚」との数え方が載っている。『雞二翼【雄一、雌一】雞卵十枚』『雞八翼、雞卵卌枚』。

けいりゅう

渓流 [→ 川]

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

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【参考】佐藤垢石「岩魚」：西方の峡谷から一本の渓流が合する。これを、西川という。
【参考】田畑修一郎「医師高間房一氏」：海抜にしてたかだか千米位の山脈が蜿蜒としてつらなり入り乱れている奥地から、一条の狭いしかし水量の豊富な渓流が曲り曲ったあげく突如として平地に出る。

けいりょうかっぷ

計量カップ [→ カップ、→ コップ、→ グラス]

一個、一つ、一杯、一カップ

【知識】料理の標準計量カップでの一杯・一カップは、200 mL(200 cc)にあたる。

《付録》

計量スプーンと計量カップによる重量表

《付録》

食品の重さとカップ/スプーン換算機

けいりょうき

計量器 [→ 計器、→ メーター]

一台、一基

けいりょうすぷーん

計量スプーン [→ スプーン]

一本、一杯、一匙

【知識】料理の標準計量スプーンで、大さじ1は15 mL(15 cc)、小さじ1は5 mL(5 cc)にあたる。

《付録》

計量スプーンと計量カップによる重量表

《付録》

食品の重さとカップ/スプーン換算機

けいりん

競輪 [→ 車券]

一レース、一回、一開催

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【参考】坂口安吾「安吾の新日本地理道頓堀罷り通る」：大阪の競輪場は面白い。私の行ったのは日曜日で、数万の人間がギッシリ、レースを見ることができないほどの混雑、満員の盛況であったが、レースが終って車券を買いに行くのは、その五分の一にも足らないぐらいの人数である。それでも一レースに五万枚ぐらいの車券が売れるのだから、総体の人数は驚くべきものだ。

けーき

ケーキ [→ 菓子]

一個、一本 [パウンドケーキなど]、一切（きれ）、一片、一ピース、一カット、一台 [カット前の円形の状態。スポンジ台]、一ホール [カット前の円形の状態]

ケーキ [スポンジ台の直径]

一号

【知識】一号は直径一寸のことで、約3cm。六号なら直径六寸で約18cm。九号なら直径九寸で約27cm。尺貫法からきている。

【知識】《ケーキの大きさ》

《ケーキの大きさ》
号	“cm” での直径	“寸” での直径	人数の目安
３号	約 9cm	３寸	１〜２人
４号	約12cm	４寸	２〜３人
５号	約15cm	５寸	３〜５人
６号	約18cm	６寸	５〜８人
７号	約21cm	７寸	８〜10人
８号	約24cm	８寸	10〜12人
９号	約27cm	９寸	12〜15人
10号	約30cm	10寸	15〜18人

けーじ

ケージ [→ 檻、→ 鳥籠]

一個、一台、一基

けーす

ケース [入れ物で]

一個、一本

ケース [出来事、事例などで]

一件

けーそん

ケーソン [→ 潜函]

一基

げーと

ゲート [→ 門]

一基、一門、一台、一対

げーとる

ゲートル [→ 脚絆・脚半]

一組、一足、一対、一双、一本 [片方で]

けーぷ

ケープ・cape

一枚

けーぶる

ケーブル [→ 鋼索、→ 鉄索、→ 空中ケーブル、→ ロープ]

一本、一巻、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

けーぶるかー

ケーブルカー [設備全体で]

一基、一本

ケーブルカー [車両]

一輛・一両、一台

ケーブルカー [鋼索(ケーブル)・線路]

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

げーむ

ゲーム [遊戯・娯楽として]

一回、一度、一ゲーム、一種類、一つ

ゲーム [競技・試合として]

一勝負、一戦、一試合、一節、一回、一本、一番、一ゲーム

げーむき

ゲーム機

一台

げーむせんたー

ゲームセンター

一軒、一店、一店舗

げーむそふと

ゲームソフト

一本、一個

げーむてん

ゲーム店

一軒、一店

けがわ

毛皮

一枚

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【参考】森鷗外「鼠坂」：羊の毛皮を二枚着ていたそうだが、それで粟稈の中に潜っていたにしても、炕（かん）は焚（た）かれないから、随分寒かっただろうね。
【参考】鈴木三重吉「古事記物語」：「おや、あのお方は、大空からおくだりになった、貴い神さまのお子さまだ」と言いながら、急いでお宮へお通し申しました。そしてあしかの毛皮を八枚（まい）重（かさ）ねて敷（し）き、その上へまた絹の畳（たたみ）を八枚重ねて、それへすわっていただいて、
【参考】宮沢賢治「なめとこ山の熊」：いくら物価の安いときだって熊の毛皮二枚で二円はあんまり安いと誰（たれ）でも思う。

げき

劇

⇒ 演劇

げきえいが

劇映画

⇒ 映画

げきが

劇画

⇒ 漫画

げきじょう

劇場 [→ シアター、→ 映画館]

一劇場、一座、一堂、一軒、一棟（むね・とう）

【知識】一つの施設に複数の舞台を持つ場合、「○○舞台」などと舞台の数で呼ぶことがある。

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【参考】永井荷風「江戸芸術論」：天保十三年浅草山（あさくさやま）の宿（しゅく）に移転を命ぜられし江戸三座劇場の賑（にぎわい）も、また吉原と同じく、広重の名所絵においては最早（もはや）春朗（しゅんろう）豊国らの描きし葺屋町（ふきやちょう）堺町（さかいちょう）の如き雑沓を見ること能はず。
【知識】『江戸三座』は、江戸で公認された三大歌舞伎劇場で、元祿年間（1688〜1704）には、中村・市村・森田・山村の四座が興行権を与えられていたが、正徳四年・1714年の「江島生島事件」で山村座は廃絶、以後三座で明治初年まで続いた。
【参考】永井荷風「裸体談義」：ジャズ舞踊と演劇とを見せる劇場は公園の興行街には常盤座（ときわざ）、ロック座、大都劇場の三座である。
【参考】岡本綺堂「半七捕物帳唐人飴」：江戸の劇場は由緒ある三座に限られていたが、
【参考】岸田国士「走るノート」：小劇場はヴエエトオヴエン祭の管絃楽。聴衆はさすがに耳を忘れて来ていない。この一堂は、恐らく、神戸——大阪を底辺とする三角形の頂点だ。

げきだん

劇団

一座

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【参考】岸田國士「「どん底」の演出」：フランスでは、それまで、ロシア劇をやっている劇団といえば、ロシア人ピトエフ夫妻の一座ぐらいで、この劇団は、ヨーロッパ各国から集って来た俳優志望者からできていたようであった。私はこの一座の仕事を自由に見学する許しを得ていたので、「どん底」公演の稽古にずっと立ち合って得るところがあった。

けこ

華籠 [→ 籠]

一枚

【知識】仏教の法要での「散華」の際に、花びらや紙片を盛る器。竹で編んだものや金属製のものがある。正倉院宝物は竹製。

※ 文化財では一枚という表現が見られる。

けさ	袈裟	一枚、一領（りょう）、一具（ぐ）、一帖（じょう）、一掛（かけ）、一頂（ちょう）、一張（はり）、一肩
	【知識】「一頂（いっちょう」は、『和漢音釈書言字考節用集（元禄11年・1698年）』に見られる。勤行などで敷く布の「坐具・座具」も「一頂」と数えるとある。 ※ 文化財では一領、一肩という表現が見られる。
	作品を見る【参考】南方熊楠「十二支考田原藤太竜宮入りの話」：寤（さ）めてまた僧となり、袈裟一枚大の地を求むるので承知すると、袈裟を舒（の）ばせば格別大きくなる。【参考】森鷗外「渋江抽斎」：十三年忌には袈裟（けさ）一領家元、天蓋（てんがい）一箇男女名取中の寄附があった。
けさばこ	袈裟箱 [→ 三衣箱・三衣匣]	一合
けしき	景色	一景（けい）
けしごむ	消しゴム	一個
けしょうすい	化粧水	一本、一瓶（びん）、一滴
	作品を見る【参考】林芙美子「小さい花」：由の持ちものと云えば、襯衣の空箱に一二枚の着替えのものと、白いハガキが四五枚、それに馬琴の弓張月と云う、青く古ぼけた本とそれきりで、うどん粉の匂いのする化粧水のようなものも一本持っていたようです。【参考】林芙美子「風琴と魚の町」：父はこの化粧水を売るについて、この様な唄をどこからか習って来た。一瓶つければ桜色二瓶つければ雪の肌諸君！　買いたまえ買わなきゃ炭団（たどん）となるばかし。父は、この節に合せて、風琴を鳴らす事に、五日もかかってしまった。
けしょうだい	化粧台	一台
けしょうまわし	化粧回し [→ 回し、→ 締め込み、→ 相撲]	一本、一枚、一腰
げすいどう	下水道	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一道（どう）
	作品を見る【参考】ビクトル・ユーゴー　豊島与志雄訳「レ・ミゼラブル　第五部　ジャン・ヴァルジャン」：四カ月間昼夜の別なく十一メートルの深さの所で働いて、ブランシュ市門からオーベルヴィリエの道に至る一条の下水道を作り、
けずりばこ	削り箱 [→ 鰹節削り器]	一台、一挺［一丁］（ちょう）
けずりぶし	削り節 [→ 鰹節]	一片（へん）、一掴（つかみ）、一摘（つまみ）
けそうぶみ	懸想文 [→ 恋文、→ 手紙]	一通、一本、一封、一書、一枚、一葉（よう）、一片
げそくばこ	下足箱	⇒ 下駄箱
げそくふだ	下足札	一枚
	作品を見る【参考】芥川龍之介「東京小品」：Ｈと云う若い亜米利加（アメリカ）人が自分の家へ遊びに来て、いきなりポケツトから下足札（げそくふだ）を一枚出すと、「何（なん）だかわかるか」と自分に問いかけた。
けた	桁 [材木]	一本
けた	桁 [数字の位取り]	一桁（けた）[ヒトケタ、フタケタ、ミケタ、ヨケタ、イツケタ（ゴケタ）、ロッケタ、ナナケタ、ハチケタ、キューケタ、ジッケタ]
	※ 数詞の発音の、和語名詞に付く場合の基本は「ヒト、フタ、ミ、ヨ、イツ、ム、ナナ、ヤ、ココノ、ト」ですが、現代の日常会話では必ずしもこのままの発音とはなっていないようです。 ※ とは言え、例えば「フタケタ」を「ニケタ」と発音するのはとても違和感を感じます。テレビ（2012年2月18日夜）で数学の先生と称する方が「ヒトケタの数字とニケタの数字を掛けると」などと言っていたのには驚きました。 ※ 11桁（ジュウイチケタ）を、「トウとヒトケタ」、12桁（ジュニケタ）を、「トウとフタケタ」といった数え方もあります。
	作品を見る【参考】太宰治「愛と美について」：僕のうちの電話番号はご存じの通り4823ですが、この三桁（けた）と四桁（けた）の間に、コンマをいれて、4,823と書いている。
げた	下駄 [→ 足駄、→ 高下駄、→ 駒下駄]	一足、一双（そう）、一揃（そろい）、一組 [左右一揃いで]、一枚 [片方で]
	下駄 [の歯]	一枚、一本
	【知識】江戸では俗に、歯の低い物を「下駄」と言い、高さのある物を「足駄」と言ったとの記述が江戸時代の文献にある。[下記に、江戸時代に書かれた文章の引用あり]
	作品を見る【参考】二葉亭四迷「平凡」：窃（そッ）と格子戸の中（うち）を覗いて見ると、赤い鼻緒や海老茶の鼻緒のすがった奇麗な駒下駄が三四足行儀よく並んだ中に、一足紫紺（しこん）の鼻緒の可愛らしいのが片隅に遠慮して小さく脱棄（ぬぎす）ててある。【参考】幸田露伴「観画談」：古い下駄が二三足、特（こと）に歯の抜けた下駄の一ツがひっくり返って【参考】宮本百合子「獄中への手紙一九四四年(昭和十九年)」：甃のところに下駄が一揃出て居ります。その下駄に月の光があります。【参考】夏目漱石「琴のそら音」：一本歯の高足駄を穿（は）いた下剃（したぞり）の小僧が【参考】泉鏡花「小春の狐」：宿の貸下駄で出て来たが、あお桐の二本歯で緒が弛（ゆる）んで、がたくり、がたくりと次の作品は、下駄の数え方ではありませんが、下駄が登場する文献として引用しました。【参考】喜田川守貞「守貞謾稿　巻之三十（傘・履）」：木履（ぽくり）　今世、江俗、高きを足駄と云い、低きを下駄と云う。二品とも差歯なるものなり。下駄・足駄ともに江戸は男子角形を専用す。京坂は高低ともに下駄あるいは差下駄という。また男女ともに丸形を専用す。江戸も婦女は丸形を専用す。【編集注】「守貞謾稿（もりさだまんこう）」は、天保8年（1837）から慶応3年（1867）まで、30年間にわたって書かれた江戸時代後期の風俗史。 []
げたばこ	下駄箱	一台、一本、一棹・一竿（さお）、一基 [学校などの大型で]、一列 [学校などで]
	※ 「靴箱」「シューズボックス」「シューズキャビネット」「シューズラック」などとも。銭湯や寄席などでは「下足箱」とも。【知識】「一棹・一竿」は、竹や木の棒を通して担ぐようにした長持や簞笥で使われるが、長持や簞笥と同じような形状の家具全般に使われることもある。また、家具店では、家具全般を「本」という数え方をすることがある。
けだもの	獣 [→ けもの、→ 動物]	一頭、一匹・一疋
	作品を見る【参考】小熊秀雄「小熊秀雄全集-1　短歌集」：黄金の果実けだものの子は大人（をとな）となりぬ一本（いつぽん）も毛のなきことが悲しかりける黄金（きん）の実をつまむてだてをけだものの大人がよりてかたるなりけりいささかの黄金（きん）の木（こ）の実のいさかいにけだものは刀ぬきにけるかないささかの黄金の木の実のいさかいにけだもの一匹（いつぴき）斃れたるかなつめどもつめどもけだものどもは黄金（きん）の実（み）を足ることしらずけふも摘みをりうら悲しけだものどもは黄金（きん）の実（み）をひた恋ひしゆえ傷（きづ）つきにけりうら悲しけだものどもは銀の実をひたこひにけり嘘いひにけりうら悲しけだものどもは銅の実をひたこひにけり首くくりけり
けつあつけい	血圧計	一台
けつえき	血液	⇒ 血
けっかん	血管	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
	作品を見る【参考】織田作之助「青春の逆説」：広い額に一筋静脈が蒼白く浮き出しているのだ。それが物想いに悩む少年らしく見えた。【参考】岡本かの子「扉の彼方へ」：及川はぐっと口を結んだが、額（ひたい）の小鬢（こびん）には興奮の血管が太く二三筋現れました。けれどやがてその興奮をも強く圧えてから云った。【参考】夏目漱石「虞美人草」：宇宙は二人の宇宙である。脈々三千条の血管を越す、若き血潮の、寄せ来（きた）る心臓の扉（とびら）は、恋と開き恋と閉じて、動かざる男女（なんにょ）を、躍然と大空裏（たいくうり）に描（えが）き出している。【参考】小栗虫太郎「紅毛傾城」：こめかみに、一条、真（ま）っ蒼（さお）な血管が浮かび上がると、【参考】岡本かの子「巴里祭」：色素の薄くなった空色の瞳は黄ろい白眼に流れ散ってその上に幾条も糸蚯蚓（いとみみず）のような血管が浮き出ている。
げっきゅうぎ	月球儀 [→ 地球儀、→ 天球儀]	一台、一基
げっきん	月琴 [→ 楽器]	一面、一張（ちょう・はり）、一挺［一丁］（ちょう）、一揃（そろい）、一台
	※ 文化財では一面という表現が見られる。
	作品を見る【参考】夢野久作「白髪小僧」：糸も何も張って無い古月琴（げっきん）を一挺抱えて弾いていた。
けっこう	桔槹	⇒ 撥釣瓶（はねつるべ）
けっこん	結婚	一件、一回、一度、一組
けっしょ	血書	一通、一札（さつ）、一本、一枚、一葉（よう）
	作品を見る【参考】佐々木味津三「旗本退屈男　第四話　京へ上った退屈男」：ぺたりとその血書の一札を磔柱に貼っておくと、「いかい御雑作に預かった。これなる四本の片腕は弥太一への何よりな土産、遠慮のう貰うて行くぞ」
けってん	欠点	一つ、一箇所（一か所・一カ所）
	作品を見る【参考】坂口安吾「推理小説について」：敢てこの名作から三つの欠点をとりだして、一アマチュアの立場から、探偵小説全般の欠点に就て、不満と希望をのべてみたいと思う。
けっぱんじょう	血判状	一通、一札（さつ）、一本、一枚、一葉（よう）
げつれい	月齢	一夜（や・よ）
	《付録》きょうの月齢・今の月齢
けとる	ケトル [→ 薬缶]	一個、一本
げなん	下男 [→ 召使い、→ 奴隷]	一僕（ぼく）、一人
	【知識】「一僕」は、『和漢音釈書言字考節用集（元禄11年・1698年）』において『奴隷』の数え方として見られる。
	作品を見る【参考】北村季吟（きたむらきぎん）「山の井（1648年・慶安元年）年中日々之発句・三月」：　一僕とぼくぼくありく花見哉【参考】浄瑠璃・夏祭浪花鑑（なつまつりなにわかがみ）（1745年・延享2年）四：かかる折節表の方へ一僕つれたる田舎侍、道具見物いたさふかと店先へ立寄ば【参考】足立庚吉「岩見武勇伝第九回」：七雄（しちゆう）術（じゅつ）に誇（ほこ）りて敗（はい）を招（まね）く一僕（いちぼく）衆（しゅう）に代（かわ）りて勝（かち）を収（おさ）む
けぬき	毛抜き・鑷 [→ 刺抜き]	一挺［一丁］（ちょう）、一本
	作品を見る【参考】穂積陳重「法窓夜話」：その鑷は大小四丁あって、その一丁は約七寸余もあろうかと思われるほどで、驚くべき大きさのものである。その他の三丁も約五寸乃至（ないし）三寸位のもので、今日の普通の鑷に較べると実に数倍の大きさである。
けはえぐすり	毛生え薬・毛生薬 [→ 薬]	一本、一瓶、一滴
けばり	毛針・毛鉤 [→ 釣針、→ ルアー]	一本
	作品を見る【参考】室生犀星「幼年時代」：私はこの国の少年がみなやるように、小さな尾籠（びく）を腰に結んで、幾本も結びつけた毛針を上流から下流へと、たえまなく流したりしていた。鮎はよく釣れた。
けびょう・けひょう	華瓶・花瓶 [→ かびん]	一本、一瓶（びん・へい）、一口（こう・く・くち）、一壺（こ）、一対 [二つ揃いのもので]
	【知識】花を挿して仏前に供えるための仏具。主として銅製。 ※ 文化財では一口（く）という表現が見られる。『五具足』に含まれる『華瓶・花瓶』（江戸時代・19c）それぞれ左右から一つ目が『華瓶・花瓶』で、一対。（『五具足』は、『香炉』『華瓶・花瓶』『燭立』）〔東京国立博物館蔵〕

けまり

蹴鞠 [→ 鞠]

一個、一顆（か）、一丸（まる・がん）、一惣（そう）、一足（そく）

【知識】「一足」は、『蹴鞠』の「鞠」の数え方で、蹴る回数としても使われ、権大納言山科言継（ごんだいなごんやましなときつぐ）によって書かれた日記『言継卿記（ときつぐきょうき）（1527年〜1576年）』や、『和漢音釈書言字考節用集（元禄11年・1698年）』などに見られる。

【知識】

『言継卿記（ときつぐきょうき）（弘治三年〈1557年〉一月廿十九日）』「次又三条亜相へ罷向、鞠一足有之、」

けむし

毛虫

一匹・一疋

作品を見る

【参考】芥川龍之介「芸術その他」：樹の枝にゐる一匹の毛虫は、気温、天候、鳥類等の敵の為に、絶えず生命の危険に迫られてゐる。芸術家もその生命を保つて行く為に、この毛虫の通りの危険を凌（しの）がなければならぬ。
【参考】有島武郎「星座」：荒くれて黝（くろ）ずんだその幹に千社札が一枚斜に貼りつけられてあって、その上を一匹の毛虫が匐（は）っていた。

けむり

煙・烟

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一脈、一道（どう）、一片、一縷（る）、一抹、一列、一団

作品を見る

【参考】賀川豊彦「空中征服」：大阪の煙筒から、一本も煙が立たぬようにすると言いやがったそうじゃが
【参考】泉鏡花「南地心中」：七筋ばかり、工場の呼吸（いき）であろう、黒煙（くろけむり）が、こう、風がないから、真直（まっすぐ）に立騰（たちのぼ）って、城の櫓（やぐら）の棟を巻いて、その蔽被（おおいかぶさ）った暗い雲の中で、末が乱れて、むらむらと崩立（くずれた）って、倒（さかさま）に高く淀川の空へ靡（なび）く。
【参考】柳田国男「山の人生」：御苑（ぎょえん）も大通りも早天から、人をもって埋（うず）めてしまったのに、なお遠く若王子（にゃくおうじ）の山の松林の中腹を望むと、一筋（ひとすじ）二筋の白い煙が細々と立っていた。
【参考】国枝史郎「蔦葛木曽棧」：その時、山の一所（ひとところ）から、一筋真っ直ぐに白い煙りが空に向かって立ち上った。煙りは忽ち火光を纏い、金竜雲に蜒（うね）るがように次第次第に弧形を画き、どこまでもどこまでも上って行く。
【参考】川上眉山「宝の山」：前の土を撞し踏めば、其處二つに裂けて、一条（いちじょう）の烟立登りしが、中より凄まじき夜叉あらわれ、牙を鳴らし火焔を吐いて、
【参考】ハンス・クリスチアン・アンデルセン森鷗外訳「即興詩人」：島嶼（とうしょ）の碁布（きふ）したるは、空に漂う雲に似たり。地平線に近きところに、一條の烟立ちのぼれるは、ヱズヰオの山（モンテ、ヱズヰオ）なるべし。
【参考】芥川龍之介「あの頃の自分の事」：幸（さいはひ）、ロオレンス先生は我々の机の間から立昇る、縷々（るる）とした一条の煙に気がつかなかつた。だから出席簿をつけてしまふと、早速毎時（いつ）もの通り講義にとりかかつた。
【参考】泉鏡花「絵本の春」：雪が消えて、まだ間もない、乾いたばかりの――山国で――石のごつごつした狭い小路が、霞みながら一条（ひとすじ）煙のように、ぼっと黄昏（たそが）れて行（ゆ）く。
【参考】岸田國士「従軍五十日」：敵陣地に一条の煙が立ち昇っている。何かゞ焼けているのである。
【参考】大町桂月「層雲峡より大雪山へ」：頂上に達して、始めて腰を卸す。頂上は尖れり。西面裂けて、底より数条の煙を噴く。世にも痛快なる山かな。
【参考】泉鏡花「海城発電」：濃（こまや）かなる一脈（いちみゃく）の煙は渠（かれ）の唇辺（くちびる）を籠（こ）めて
【参考】ハンス・クリスチアン・アンデルセン森鷗外訳「即興詩人」：左の方なる原中に一道の烟の大なる柱の如く騰（あが）れるあり。
【参考】夏目漱石「文芸の哲学的基礎」：松の傍（かたわら）に石を添える事はあるでしょうが、松を切って湯屋に売払う事はよほど貧乏しないとできにくい。せっかくの松を一片の煙としてしまうともう、情を働かす余地がなくなるからであります。
【参考】二葉亭四迷「浮雲」：嗟矣（ああ）幾程（いくら）歎いても仕方がない」トいう口の下からツイ袖（そで）に置くは泪（なみだ）の露、漸（ようや）くの事で空しき骸（から）を菩提所（ぼだいしょ）へ送りて荼毘（だび）一片の烟（けぶり）と立上らせてしまう。
【参考】神西清「雪の宿り」：公家（くげ）のお屋敷三十七、武家には奉行（ぶぎょう）衆のお舎（やど）八十ヶ所が一片の烟（けむり）と焼けのぼりました。
【参考】国木田独歩「空知川の岸辺」：見渡すかぎり、両側の森林これを覆ふのみにて、一個の人影（じんえい）すらなく、一縷（いちる）の軽煙すら起らず、一の人語すら聞えず、寂々（せき／＼）寥々（れう／＼）として横はつて居る。
【参考】長塚節「才丸行き」：一縷の烟も立たない三四十の萱葺の丈夫相に見える家が
【参考】牧逸馬「運命のSOS」：右舷の後方遙かに一抹の煙とも見える船影を認めて、
【参考】木下尚江「火の柱」：莨（たばこ）の煙一抹（いちまつ）を戸口に残してスラリ／＼と剛造は去りぬ、
【参考】泉鏡花「海異記」：こんな年していうことの、世帯じみたも暮向（くらしむ）き、塩焼く煙も一列（ひとつら）に、おなじ霞（かすみ）の藁屋（わらや）同士と、女房は打微笑（うちほほえ）み、
【参考】島崎藤村「藁草履（わらぞうり）」：花火は時々一団の白い煙を空に残して、やがてそれが浮び飄（ただよ）う雲の断片（ちぎれ）のように、
【参考】岡本かの子「窓」：やがて、火は余程に静まった。其処に集る人々の提灯（ちょうちん）の火が目立つほど、森の中心の火は衰えた。と。どうした火の躓（つまず）きか、けたたましい一つの爆音と共に、一団の煙が空を目がけて飛び上り、そして忽（たちま）ちに霧散した。その拍子に一挺の金簪（かんざし）のような鋭い火線が、爆竹色に霧散して月の面を掠（かす）める煙の中に鋭くひらめいた。

けむりかんちき

煙感知器

一台、一個、一基 [大型で]

※ 感知器には、ほかに「熱感知器」「炎感知器」などがある。

けもの

獣 [→ けだもの、→ 動物]

一匹・一疋、一頭

※ 匹、頭は大きさなどで使い分けられることがある。匹は主に小型のもの、頭は主に大型のもので。

作品を見る

【参考】芥川龍之介「三つのなぜ」：すると突然幻は誰（たれ）も見たことのない獣を一匹、入り日の光の中に現じ出した。獣は獅子に似て翼を拡（ひろ）げ、頭を二つ具（そな）えていた。
【参考】国枝史郎「神州纐纈城」：そうして生命は「個」を足場とする。一人の人、一匹の獣、一尾の魚、一本の木、一茎の草、一個の虫……これらの物を足場とする。
【参考】芥川龍之介「芋粥」：そのまばゆい光に、光沢（つや）のいい毛皮を洗はせながら、一疋の獣が、おとなしく、坐っている。見るとそれは一昨日（をととい）、利仁が枯野の路で手捕りにした、あの阪本の野狐であった。
【参考】田中貢太郎「忘恩」：彼は今朝早くから谷から谷をあさっていたが、腰の袋に一羽の山鳥を獲っているだけで他に何も獲っていないので、何か一二疋好い獣を獲りたかった。
【参考】泉鏡花「神鑿」：茶（ちゃ）と白大斑（しろおおまだら）の獣（けもの）が一頭（いっとう）、天守（てんしゅ）の階子（はしご）を、のし／＼と、蹄（ひづめ）で蹈（ふ）んで上（あが）って、

けやり

毛槍・毛鑓

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一柄（へい・え・から・つか）、一竿・一棹（かん）、一挺［一丁］（ちょう）

《参考》歌川広重「東海道五十三次日本橋朝之景」に描かれた『毛槍』。挟箱を担ぐ奴の後ろを毛槍が行く。

国立国会図書館蔵 [岩波書店東海道五十三駅風景続画]

げら

ゲラ [→ 印刷物、→ 校正]

一枚、一台、一面

【知識】一台は、製本用に折る前の状態での一枚のこと。通常、一台は最大で16ページ分。

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【参考】薄田泣菫「艸木虫魚」：頑固な編輯整理に対する面当（つらあて）から、芥川氏の同意を得て、その原稿を未掲載のまま撤回することにした。そのゲラ刷が一枚残って手もとにあったのを、今日はからずも見つけた。

げれんで

ゲレンデ

一面

けん

券 [→ チケット]

一枚、一葉（よう）、一片、一冊、一綴（つづり）、一株 [株券で]、一通 [債券、証券などで]

作品を見る

【参考】坂口安吾「安吾巷談今日われ競輪す」：フォーカスの総売上げが六千枚前後で、四十五万円ぐらいを配当に払い戻すことになるワケだが、どの券も最低十三四枚は売れており、十枚以下ということがなかった。
【参考】宮沢賢治「雪渡り」：「そうですか。そんなら今度幻燈会（げんとうかい）のときさしあげましょう。幻燈会にはきっといらっしゃい。この次の雪の凍った月夜の晩です。八時からはじめますから、入場券をあげて置きましょう。何枚あげましょうか。」
「そんなら五枚お呉（く）れ。」
【参考】梶井基次郎「冬の日」：帰るきわに彼は紙入のなかから乗車割引券を二枚、「学校へとりにゆくのも面倒だろうから」と言って堯に渡した。
【参考】菊池寛「真珠夫人」：夫人から贈られた慈善音楽会の一葉の入場券が、信一郎の紙入に、何の不思議もなく残つてゐる丈（だけ）である。

けん

剣 [→ レイピア、→ 刀]

一振（ふり）、一口（ふり・くち・こう・く）、一本、一刀、一剣

※ 文化財では一口（く）という表現が見られる。

※ 新聞や放送などでは、基本的に「本」、もしくは「振り」を使うとされる。

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【参考】芥川龍之介「老いたる素戔嗚尊」：彼等が宮を下る時、彼は一振の剣を取って、「これはおれが高志（こし）の大蛇（をろち）を斬った時、その尾の中にあった剣だ。これをお前たちに預けるから、お前たちの故郷の女君（おんなぎみ）に渡してくれい。」と云いつけた。

けん

腱

一本

けん

鍵

一本

げん

弦・絃

一本、一掛（かけ）、一張（はり・ちょう）、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

作品を見る

【参考】寺田寅彦「日本楽器の名称」：それからシベリアの一地方でコムスというのは、ふくれた胴に皮が張ってあるが、弦は二本で五度に合わすとある。振るっているのはホッテントットの用いる三弦の弦楽器にガボウイというのがあり、ザンジバルの胡弓（こきゅう）にガブスというのがある。また一方では南洋セレベスにある金属弦ただ一本のカボシがある。
【参考】寺田寅彦「猫六題」：三味（さみ）の音（ね）は何処で出るといえば無論三筋の絃（いと）から起るが、絃自身から直接に空気に伝わる音は割合に弱いものである。
【参考】北村透谷「各人心宮内の秘宮」：然れども凡（すべ）て是等の変遷を貫ぬける一条の絃の存するあるは、識者の普（あま）ねく認むるところなり。

げんあん

原案

一案、一策（さく）、一計、一件、一本、一つ、一通（とおり）

げんいん

原因

一つ、一点、第一

作品を見る

【参考】岸田國士「日本人のたしなみ」：日本がいつまでも貧乏であるという原因の一つとして、濫費癖ということが考えられます。例えば今、米が不足だといいますが、日本人はどうも米を食いすぎるようです。漬物がうまいからもういっぱい、お茶づけでもういっぱい、炊きたての御飯だからもういっぱいという風に、満腹感を感じなければ満足しない。
【参考】伊丹万作「政治に関する随想」：思うにそのおもなる原因は二つある。すなわち一つは国民の政治意識があまりにも低すぎることであり、一つは現在の立候補手続きが人材を引き出すようにできていないことである。
【参考】末弘厳太郎「法学とは何か ――特に入門者のために」：次に、解釈上の意見に差異を生ずる第二の原因は、彼ら各自の法的正義観に差異があり得ることである。

けんか

献花

一本 [供える花で]

【知識】仏式の葬儀では献花を行うことは少ないが、キリスト教などの場合は献花が行われ、その花の単位は一本と表現される。

けんかだい

献花台

一基

げんがっき

弦楽器 [→ 楽器]

一挺［一丁］（ちょう）、一本、一棹・一竿（さお）、一面、一張、一台 [大きさによって]、一調、一揃など

【知識】弦楽器は、琴、箏、和琴、一絃琴、二絃琴、大正琴、琵琶、三味線、胡弓、バイオリン、ギター、ハープなど。ピアノや揚琴など弦をハンマーやばちなどでたたいて音を出す楽器は打弦楽器に分類される。

※ 詳しくは各楽器の項をご覧ください。

【知識】「面」について、『延喜式（えんぎしき）（延長5年〈927年〉［］成立）』に「凡楽器絃料絲。和琴一面。琴一面。箏一面。琵琶一面。阮咸一面。箜篌一面。〓篌一面。新羅琴一面」などと見られる。

げんかんどあ

玄関ドア [→ 扉]

一枚、一本、一面

げんきんじどうあずけばらいき

現金自動預け払い機 [→ エーティーエム・ATM]

一台、一基

げんこ・げんこつ

拳固・拳骨 [→ 拳（こぶし）]

一つ、一発、一撃

作品を見る

【参考】菊池寛「父帰る」：新二郎！　お前はその人になんぞ世話になったことがあるのか。俺はまだその人から拳骨の一つや二つは貰ったことがあるが、お前は塵一つだって貰ってはいないぞ。
【参考】牧野信一「貧しき日録」：袴を着けないで外出すると一日の謹慎、頭髪を三分刈にしたりもみあげを短く切れば体操教員から拳固で一つ擲られ、自転車に乗ると始末書を徴発され、新しい文学書を翻けば修身点を引かれ、艶書は退学、遊廓散歩は無期停学、洋服で下駄をはくとこれはまた擲られ、流行歌を吟ずると保証人が呼び出され、
【参考】三遊亭圓朝鈴木行三校訂編纂「業平文治漂流奇談」：突然（いきなり）お浪の髻（たぶさ）を取って引倒（ひきたお）し、拳骨（げんこつ）を固めて二ツ打（ぶ）ちましたが、七人力ある拳骨ですから二七十四人に打たれるようなもので、痛いの何（な）んのと申して、
【参考】葉山嘉樹「海に生くる人々」：続いて第二発目のストキの拳固（げんこ）がボースンの横っ腹へ飛んで来た。

げんこう

原稿

一本、一編、一字、一行、一段、一枚、一綴（つづり）

作品を見る

【参考】宮本百合子「選評」：予選をとおった十八篇の原稿が回されてきた。そのなかでは「電池」（富田ミツ）が一番すぐれている。
【参考】魯迅井上紅梅訳「端午節」：乃公（おれ）はこの間ある学生を世話して、向うの編輯の顔で原稿を買ってもらったが、一千字書いても幾らにもならん、
【参考】夢野久作「スランプ」：午睡をしてから眼を醒しますと、例によって例の如く、今までとは打って変った軽快さで、スラスラと原稿が書けるものと思い込んで、机に向ったものでしたが豈計（あにはか）らんや、一行も書けないのです。
【参考】太宰治「作家の像」：たまに新聞社から、随筆の寄稿をたのまれ、勇奮して取りかかるのであるが、これも駄目、あれも駄目と破り捨て、たかだか十枚前後の原稿に、三日も四日も沈吟している。
【参考】内田魯庵「露伴の出世咄」：面白いと思ったら序文をお書きなさい、ツマラナイと思ったら竈（かまど）の下へ燻（く）べて下さいと、言終ると共に原稿一綴を投出してサッサと帰ってしまった。

けんこうしんだんしょ

健康診断書

一通、一枚、一葉（よう）

けんこうほけんしょう

健康保険証

一通、一枚、一葉（よう）、一冊

げんこうようし

原稿用紙 [→ 罫紙、→ 紙]

一枚、一葉（よう）、一片、一束（たば）、一冊、一綴（つづり）、一帖

作品を見る

【参考】倉田百三「青春の息の痕」：教師をするには学歴なく、翻訳をするには語学の力なく、創作をして原稿料を得るには名がなく、また精力がありません。私は一か月に原稿用紙に五百枚より多くはどれほど努力しても書けそうにありません。
【参考】岡本かの子「一平氏に」：投げ出したと云っても、その足は、ずっと長めに着た浴衣の裾が叮嚀に包んで居りますの、腰紐なしの着流しでもきちんと帯はしめて居りますから丸くまとまっている膝の上に角のきちんとした半切原稿紙の一二枚はいだばかりの一冊を置いて、万年筆を片手にしながら思案して居りますの。
【参考】芥川龍之介「東京小品」：ペン皿に代えた竹の茶箕（ちやき）、その中の万年筆、それから玉（ぎよく）の文鎮（ぶんちん）を置いた一綴（ひとつづ）りの原稿用紙――机の上にはこの外（ほか）に老眼鏡（ろうがんきょう）が載せてある事も珍しくない。
【参考】林芙美子「落合町山川記」：その頃、一帖（いちじょう）七銭の原稿用紙を買いに、中井の駅のそばの文房具屋まで行くのに、おいはぎが出ると云う横町（よこちょう）を走って通らなければならなかった。

けんざお

間竿・間棹

一挺［一丁］（ちょう）、一本

けんさくばん

研削盤 [→ グラインダー、→ 工作機械]

一台、一基

けんざん

剣山

一個

けんし

犬歯 [→ 歯]

一本、一枚、一歯 [歯科専門的に]

げんし

原紙

一枚

げんしばくだん

原子爆弾 [→ 水素爆弾、→ 核爆弾]

一発、一個

《付録》

アメリカニューメキシコ州の初核実験の地を見る

《付録》

アメリカネバダ州の核実験場を見る

作品を見る

【参考】坂口安吾「もう軍備はいらない」：三発目の原子バクダンがいつオレの頭上にサクレツするかと怯えつづけていたが、原子バクダンを呪う気持などはサラサラなかったね。オレの手に原子バクダンがあれば、むろん敵の頭の上でそれをいきなりバクハツさせてやったろう。何千という一かたまりの焼死体や、コンクリのカケラと一しょにねじきれた血まみれのクビが路にころがっているのを見ても、あのころは全然不感症だった。
【参考】峠三吉「原爆詩集」：今はすべての人が広島で二十万ほどの人間が一発の原子爆弾によって殺されたことを知っている。
【参考】海野十三「超人間Ｘ号」：すくなくとも原子爆弾は二十個以上は完成されてあったのだし、

《ちょっと知識》“にんげんをかえせ”「原爆詩集」

げんしほう

原子砲

一門

けんじゃく

剣尺

一挺［一丁］（ちょう）、一本

けんじゅう

拳銃 [→ 銃器、→ 鉄砲、→ ピストル、→ 短銃、→ 短筒]

一挺［一丁］（ちょう）、一口（こう）、一発 [撃つこと。弾丸]

『六連発拳銃』（ペリー遺品）
形状：総長19.6cm

〔東京国立博物館蔵〕

作品を見る

【参考】中里介山「大菩薩峠三輪の神杉の巻」：手に取り上げたのは一挺の拳銃（ピストル）であります。
【参考】小野佐世男「私の洋画経歴」：西部劇は当時も相当な流行で、二挺拳銃をさっそうとかまえる、ウイリァム・Ｓ・ハートの勇姿、
【参考】夢野久作「難船小僧」：墨西哥（メキシコ）かケンタッキーの山奥あたりにしかないようなスバらしく長い、物凄（ものすご）い銀色の拳銃が二挺（ちょう）、十数発の実弾を頬張（ほおば）ったまま並んで引っかかっているのだ。
【参考】萩原朔太郎「ウォーソン夫人の黒猫」：夫人は絶望的になって考えた。そして憎悪の激情（パッション）に逆上しながら、自暴自棄になって拳銃を乱発した。三発！　四発！　五発！　六発！　そして最後の弾（たま）が尽きた時に、
【参考】国枝史郎「世界の裏」：三人は追っかけ、ブリスケウィッチは、二発拳銃を打った。その弾丸も、みんな命中し、ラスプーチンは仆れた。

けんしょう

懸賞 [→ 相撲]

一本

げんしりょくはつでんしょ

原子力発電所 [→ 原発、→ 原子炉、→ 核燃料、→ 燃料棒]

一箇所（一か所・一カ所）、一棟（むね・とう） [建屋で]、一基 [原子炉の数]

【知識】ニュースなどで、「現在、日本には北海道から鹿児島県まで、13道県に17か所の原子力発電所があり、54基の発電用原子炉が運転されている」などと使われる。

【知識】「一棟」は建屋の数で使われ、原子力発電所には、原子炉建屋、タービン建屋、制御建屋などがある。

《付録》

日本の原発立地地図

《付録》

原発列島一覧地図

げんしろ

原子炉 [→ 原子力発電所、→ 核燃料、→ 燃料棒]

一基

【知識】原子炉の数は「基」で数えられる。ニュースなどで、「○○原子力発電所の四基の原子炉のうち、三号機にトラブルが発生」などと表現されることがあるが、ここでの「三号機」は、四基の原子炉に付けられた番号で、四基あれば、通常「一号機」「二号機」「三号機」「四号機」と呼ばれる。

《付録》

日本の原発立地地図

《付録》

原発列島一覧地図

けんすいまく

懸垂幕

一枚、一垂（たれ）、一張（はり・ちょう）、一帳（ちょう）

けんすう

件数

一件

けんぞうぶつ

建造物

一戸（こ）、一軒、一棟（むね・とう）、一邸、一宇（う）、一本 [ビルディングなどの高層のもの]、一階、一層、一基、一橋（きょう）、一架、一梁（りょう・はり）、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

※ 建物、ダム、橋、記念碑、門など様々なものを指します。一階、一層は高さで。一筋、一条は橋などの横に長いもので。

けんだい

見台 [→ 書見台]

一台、一基

『吉野山蒔絵見台』
江戸時代・18世紀

〔東京国立博物館蔵・ColBase〕

※ 文化財では一基という表現が見られる。

けんたうろす

ケンタウロス

一人 [ギリシャ神話の半人半獣の種族]

けんだま

けん玉、拳玉、剣玉

一本

けんちき

検知器

一台、一基

けんちくぶつ

建築物 [→ 建物]

一戸（こ）、一軒、一棟（むね・とう）、一邸、一宇（う）、一本 [ビルディングなどの高層のもの]、一階、一層

作品を見る

【参考】島崎藤村「新生」：車窓に映る建築物の趣なぞも何となく変って来た。リモオジュあたりで見て来た地方的なものが堅牢（けんろう）な都会風の意匠となり、二層三層の高さが五層にも六層にもなり、城廓（じょうかく）のように聳（そび）えた建築物と建築物の間には積重ねた煉瓦（れんが）の断面のあらわれたのが高く望まれるように成った。

けんちょうき

検潮器

一台、一基

げんてい

舷梯 [→ タラップ]

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一段

けんどうぎ

剣道着

一着、一枚

げんとうき

幻灯機・幻灯器 [→ 光学器械]

一台、一式

げんどうき

原動機

一台

けんどうじょう

剣道場

一面

けんどうぼうぐ

剣道防具（面・胴・小手・垂）

一式、一組

げんのう

玄翁・玄能・ゲンノウ [→ 金鎚・金槌、→ トンカチ、→ 槌・鎚、→ ハンマー]

一挺［一丁］（ちょう）、一本

けんばいき

券売機 [→ 自動券売機]

一台、一基

げんばく

原爆

⇒ 原子爆弾

けんぱくしょ

建白書

一通、一枚、一葉（よう）、一冊、一綴（つづり）、一帖（じょう）、一篇

作品を見る

【参考】国枝史郎「大捕物仙人壺」：　慶応（けいおう）三年九月であったが、土佐（とさ）の山内容堂（やまのうちようどう）侯は、薩長二藩が連合し討幕の計略をしたと聞き、これは一大事と胸を痛めた。そこで一通の建白書を作り、後藤象二郎（ごとうしょうじろう）、福岡孝悌（ふくおかこうてい）、この二人の家臣をして将軍慶喜に奉（たてまつ）らしめ、平和に大政を奉還せしめ、令政をして一途に出でしめ、世界の大勢に順応せしめ、日本の国威を揚げしめようとした。
【参考】大鹿卓「渡良瀬川」：協同親和会は損害賠償と衛生保護の処分について、自分たちの意見を政府へ建議することになっていたが、その後しばしば会合をかさねて案を練った結果、六月十日に一篇の建白書を提出した。

げんぱつ

原発 [→ 原子力発電所、→ 原子炉、→ 核燃料、→ 燃料棒]

一箇所（一か所・一カ所）、一棟（むね・とう） [建屋で]、一基 [原子炉の数]

【知識】「一棟」は建屋の数で使われ、原子力発電所には、原子炉建屋、タービン建屋、制御建屋などがある。

《付録》

日本の原発立地地図

《付録》

原発列島一覧地図

けんばん

鍵盤 [→ キーボード、→ オルガン、→ ピアノ]

一枚、一面

げんばん

原板・原版・原盤

一枚

けんばんがっき

鍵盤楽器 [→ 楽器]

一台など [ピアノ、オルガン、アコーディオンなど]

※ 詳しくは各楽器の項をご覧ください。

けんばんはーもにか

鍵盤ハーモニカ [→ ハーモニカ、→ 楽器]

一台、一挺［一丁］（ちょう）

【知識】「ピアニカ」「メロディオン」「ピアニー」「メロディカ・ピアノ」などは、それぞれメーカーの商標。

けんびきょう

顕微鏡 [→ 光学器械]

一台、一本 [小型のもの]、一基・一据（すえ）[大型のもの]

作品を見る

【参考】夏目漱石「明暗」：彼の傍（そば）には南側の窓下に据（す）えられた洋卓（テーブル）の上に一台の顕微鏡（けんびきょう）が載っていた。

けんびょう

硯屏 [→ 硯（すずり）]

一台、一面、一基

【知識】硯の側に立てて風による塵などを防ぐ小さな衝立（ついたて）。

※ 文化財では一面、一基という表現が見られる。

「青磁草花文硯屏」片面に陽刻で草花文	「青磁草花文硯屏」反対面に筒状の筆立てが二本
[中国明時代・16～17世紀]（東京国立博物館蔵）高13.7 幅12.7　奥4.6　重679 出典：ColBase

げんまい

玄米

⇒ 米

けんり

権利

一つ

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ものの数え方・助数詞
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