ものの数え方・助数詞【は行−ひ】【みんなの知識ちょっと便利帳】

= ひ =

ひ

もの

数え方

ひ

日 [→ 日にち]

ひとひ、一日（いちにち、ついたち）、両日、一週、一旬（じゅん）、一月　など

【知識】一旬（いちじゅん）は、十日間のこと。一か月を十日間の区切りで上旬・中旬・下旬という。一旬は、いちじゅん、いつじゅんとも。

【知識】旬日（じゅんじつ）という言い方があり、十日間、または十日間くらいの日数、わずかな日数をも意味する。

「一旬」の作品用例を見る

【参考】坪内逍遙「小説神髄」：斯（か）くなむ思ひ定めしかば、その日よりして一旬（とおか）あまりは絶えて音信（おとずれ）をもなさざりけり。
【参考】幸田露伴「努力論」：扨てそれならば氣の散る習の付いて居るのを何樣（どう）して改めようか癒さうかと云ふに、一旦の負傷でも其の癒ゆるまでに二日三日はかゝる、一旬の病も二旬三旬たたでは癒えぬ道理であるから、氣の散る習も昨日今日付いたのならば僅々の日數で癒えもしようが、斯樣な事は何樣（どう）も人が打捨てて構はずに知らず識らず歳月を經て居るものであるから、扨之を改めよう癒さうと云つても、何樣も一朝一夕には行かぬ。
【参考】森鷗外「伊沢蘭軒」：竹田詩話に「余遊鎮、留僅一旬、所知唯四人、曰迂斎、東渓、南陵、石崎士斉、而南陵未及読其作」と云つてある。
【参考】佐藤垢石「香魚と水質」：秋気に最も敏感なのは水である。麓の村々ではまだ残る厚さに［＃「厚さに」はママ］あえいでいるというのに、土用が終わって一旬も過ぎると、奥山の深い谿（たに）々の底には、もう冷涼の気が忍びやかにうかがい寄って、崖の小草を悲しませる。
【参考】海野十三「空襲葬送曲」：涙をソッと押さえてＪＯＡＫのスタディオに弾（だん）ずるのは、奇しい運命の下に活躍した紅子（べにこ）だった。僅（わず）か一旬（いちじゅん）のうちに、弦三と素六の兄弟と、優しい母と姉とを喪（うしな）った彼女は、この次の、父の誕生日に集るであろうところの、僅か半数になった家族のことを想って、胸のせまるのを覚えた。
【参考】小栗虫太郎「黒死館殺人事件」：そして、鍵がまず扉（ドア）の内側に突っ込まれた。けれども、彼が一旬日ほど以前、聖（セント）アレキセイ寺院のジナイーダの室において贏（か）ち得たところの成功が、はたして今回も、繰り返されるであろうかどうか――それがすこぶる危ぶまれた。

「旬日」の作品用例を見る

【参考】夏目漱石「学者と名誉」：木村項（きむらこう）の発見者木村（きむら）博士の名は驚くべき速力を以て旬日（じゅんじつ）を出ないうちに日本全国に広がった。
【参考】芥川龍之介「創作」：誰も、僕の話を聞いて、小説にする奴（やつ）がないからね。僕は、何時（いつ）でも、小説らしい事実を想像でつくり上げて、それを僕の友だちの小説家に、ほんたうらしく話してやる。すると、それが旬日（じゆんじつ）ならずして、小説になる。自分が小説を書くのも、同じ事さ。
【参考】芥川龍之介「開化の殺人」：留学中帰依（きえ）したる基督教（キリストけう）の信仰とは、不幸にして予が手を麻痺（まひ）せしめしを如何（いかん）。卿等にして若し当時の予が、如何に傷心したるかを知らんとせば、予が帰朝後旬日にして、再（ふたたび）英京に去らんとし、為に予が父の激怒を招きたるの一事を想起せよ。
【参考】永井荷風「来青花」：月正に五月に入つて旬日を経たる頃なり。もし花卉（くわき）を愛する人のたま／＼わが廃宅に訪来（とひきた）ることあらんか、
【参考】泉鏡花「鐵槌の音」：これより旬日（じゆんじつ）の前（まへ）までは、前田（まへだ）加賀守（かがのかみ）治脩公（ちしうこう）、毎朝（まいてう）缺（かゝ）すことなく旭（あさひ）を禮拜（らいはい）なし給（たま）ふに、
【参考】坂口安吾「日月様」：後日完全無欠の焼け野原となり、もうけたのは町会長とか、そういう連中で、疎開でねじ倒した材木だけ焼（やけ）ないのがあったから、無断チャクフクして旬日ならずして新築した。
【参考】宮本百合子「新しい婦人の職場と任務 ――明日の婦人へ――」：エプロン姿は幾旬日かの間に、良人にかわって一家の経営をひきついで行かなければならなくなった主婦たちの感情を反映するようになり、
【参考】島崎藤村「夜明け前第一部下」：格別寛大の沙汰（さた）をもって、しばらく宥恕（ゆうじょ）いたし候につき、速（すみや）かに姦徒（かんと）の罪状を糺明（きゅうめい）し、厳刑を加うべし。もし遅緩に及び候わば旬日を出（い）でずして、ことごとく天誅（てんちゅう）を加うべきものなり。
【参考】林不忘「釘抜藤吉捕物覚書お茶漬音頭」：あれから旬日、その間に勘弁勘次に葬式彦兵衛の二人の乾児が尾けたり巻かれたり叩いたり、洗えるだけのことは洗って来たが、
【参考】織田作之助「俗臭」：その後、古川が故買の嫌疑で拘引されたときいて、その時の溜飲が下がった。が、旬日を出でずして、自分にも呼び出しがあった。
【参考】新渡戸稲造「自警録」：またむかし武田勝頼（たけだかつより）が三河（みかわ）の長篠城（ながしのじょう）を囲み、城中食（しょく）尽（つ）きもはや旬日（じゅんじつ）を支え得なかった時、鳥居強右衛門（とりいすねえもん）が万苦（ばんく）を冒（おか）して重囲を潜（くぐ）り、

ひ

日［日差し、日光など太陽の光線］

一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一本、一脈、一道（どう）

= ひ =

魯文時代の引札類

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